十津川村のやや南部にある平谷の集落には温泉旅館や民宿が軒を連ね、高温かつ豊富な湯量を活かして、全国に先駆けて村内の全旅館が完全放流の掛け流しを達成したのはつとに知られていますね。この「田花館」は創業が明治42年と、十津川温泉では最も老舗の旅館です。
十津川温泉は湯量が豊富な高温泉なので、すべての旅館が完全放流の掛け流しを達成しています。ただ、熱い源泉を冷ますのにはどこの旅館も苦労しているようで、夏場はやむなく加水してところもあるようです。この旅館では、温泉を送るパイプに湧き水のシャワーを浴びせて温度を下げ、濃厚な湯を楽しむようにしているとのこと。
十津川温泉独特のやや白濁した柔らかいお湯が掛け流され、鼻腔をくすぐるアロマがアルファー波を発生させ、柔らかな浴感は心を鎮める。
この旅館にも貸切の露天風呂もあります。周囲は壁に囲まれていて景色は全く楽しめないが、天井がないので確かに露天には違いない。こんな申し訳程度の露天ではあるが、こちらに注がれているお湯のほうがなんだか濃厚なような気がします。浴槽が小さいからでしょうね。泉質は極上です。
温泉とともにお料理も極上。冬場はボタン鍋がいいですね。
実はここ、十津川でいちばんのお気に入りの旅館なのです。この十津川温泉、夏場は川遊びの観光客で賑わうんだが、食材の種類や温泉の温度管理のことを考えると、実は冬場が狙い目なんですね。
- 泉質:ナトリウム‐炭酸水素塩・塩化物泉 70度
- 場所:奈良交通・十津川温泉BS
- 訪問日:2012年2月24日