バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

潮湯とグルメ・阪堺電車で行く堺の旅@堺

2011-02-22 00:35:41 | ☆バスde温泉(京阪神)

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阪堺電車は大阪に残る唯一の路面電車で、阪堺線と上町線の2路線でもって大阪市内と堺市内を結んでいます。阪堺線は通天閣の足元の恵美須町駅と、堺の海浜公園である浜寺公園に直結する浜寺駅前駅間を。上町線は大阪市内南部のターミナルである天王寺駅前駅と、住吉大社の直前、住吉公園駅間となっているが、電車は利用実態に合わせて、現在は上町線の天王寺駅前から阪堺線の浜寺駅前までを直通とし、阪堺線の恵比須町側は区間運転となっています。

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今回はこの路面電車で堺までのミニトリップを楽しむことにします。始発の天王寺駅前は、今は再開発の真っ盛り、薄暗い、廃墟のようなアーケードは今は無く、完成すると日本一の高さのビルとなる阿部野橋ターミナルビルや、「渋谷109」や「イトーヨーカドー」を核とする大規模SCが建設中。これらが完成すると、この辺りの人の流れも一変するんではないかな。

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天王寺駅前を出発してしばらくは阿倍野筋を進み、松虫駅の手前で阿倍野筋から分かれて少しだけの専用軌道。再び路面区間と専用軌道を繰り返しながら、大阪屈指の高級住宅街の帝塚山、大阪の古刹の住吉大社を過ぎると我孫子道駅です。ここに阪堺電車本社と車庫があるんですね。

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大和川を渡ると、そこからは堺市。静かなビジネス街のような宿院で電車を降りました。このあたりは昔は映画館があったりしてかなり賑わっていたらしいが、今はそれほどの人通りはありません。道が広くなって自動車の交通量が増えると、誰もが通過してしまう街になってしまったのでしょうか。それでも、ここには旨いもんがいっぱいあるんですね。

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宿院からフェニックス通りを西に歩いて旧堺港のほうへ。歩くのは結構な距離だが、電車はおろかバスもろくに走っていません。堺市内は南北の交通は充実しているが、東西の交通が希薄であることを実感します。

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港まで来たのはワタシの旅でのお約束、灯台を見るためです。これは明治10年に完成し、昭和43年まで使用されていた木製の六角形の灯台で、国の史跡。当初の光源は石油ランプで、約18キロメートル先まで灯台の光が届いたそうです。しかし、堺泉北臨海工業地帯の埋め立てによって海岸線が移動し、陸側に取り残された灯台は昭和43年に廃止され、90年の歴史に幕を閉じたとのこと。

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灯台のすぐ近くに大浜公園があります。ここは明治の末期に陸軍の砲台跡(御臺場)を大阪府が公園にして開園したもので、水族館や、海水を利用した浴場「大浜潮湯」があったそうです。大浜潮湯は戦前、美章園温泉、源ヶ橋温泉とともに「大阪3大温泉」と称されたそうだが、いまや源ヶ橋温泉しか残っていませんね。

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この公園の中に蘇鉄山という標高6.84mの築山があります。この山頂には一等三角点があり、一等三角点のある山としては日本一低いのだそうで、低さを争っている天保山と同様、ここでも山岳会が結成されていて登山認定書を発行しています。

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旧堺港の脇の遊歩道をぶらぶら歩いて南海堺駅へ。ここから南海電車では一駅だが、そこを敢えて南海バスで湊へ向かいます。湊には「大浜潮湯」の名残、海水のお風呂があります。

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この湊からは少し前まで大阪市バスが出ていたんです。堺市内なのに大阪市バスが走っているは不思議なのだが、戦前に走っていた阪堺電鉄という路面電車が戦時中のドサクサで大阪市営の阪堺線となり、大阪市電全廃によって市バスに引き継がれた、その名残なのです。さすがに今は区間が短縮されたが、それでも南海電車の堺駅から大和川を渡って大阪市内と結んでいます。

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この堺市では、最新の路面電車(LRT)の新路線を大小路に通して東西交通を活性化させようとの思いがあったようです。ところが、市長が変わってこの計画も頓挫、LRTは夢と消えるとともに、その余波で阪堺電車の堺市内区間の廃止という危機が訪れました。さすがに阪堺電車の廃止は影響が大きいので、堺市の補助により存続することにはなったものの、堺市内区間の乗客数を増やすことが喫緊の課題です。上町線への直通化もその施策のひとつ。最近少しばかり乗客が増えてるように感じるのは嬉しい限りです。

  • 訪問日:2011年2月3日
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日帰り有馬温泉・路線バスの旅@有馬

2011-02-21 08:53:48 | ☆バスde温泉(京阪神)

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日本を代表する古泉の有馬。以前、神戸の温泉を訪れたときに寄れなかったので、日を改めて有馬温泉を訪れることにしました。大阪から有馬へは、梅田駅から出ている阪急バスの直通高速バスがメインルート。しかし、ワタシとしてはやはり路線バスにこだわりたいところなので、梅田から阪急電車に乗り、宝塚経由で有馬に向かうことにしました。

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宝塚から有馬までは生瀬、蓬莱峡を経由する阪急バスが1時間に1本程度の頻度で出発しています。バスは西工ボディのいすゞ車。生瀬までは通勤通学路線の様相だが、蓬莱峡まで来ると完全な山岳路線で、そのため、ここのバスは高出力車が充てられているそうです。バスは谷あいに土柱がニョッキリ突き立っている奇勝、蓬莱峡の脇の坂道を、息を切らせながら登っていきます。

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有馬温泉は日本三古湯の一つであり、江戸時代の温泉番付では最高位である西の大関に格付けされた、日本を代表する名泉です。六甲の山中にある温泉街だが、これでも大都市・神戸の北区。名実ともに関西の「奥座敷」です。

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有馬のバスターミナルのすぐ横に、老舗旅館や土産物屋が建ち並ぶメインストリートの「湯本坂」があり、観光客で賑わっています。古い街ゆえ道路も細い。観光地なので自動車はどこか遠慮がちに通り抜けます。

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「銀の湯」より少し上のところに炭酸泉源がありました。ここは温泉の源泉というよりは井戸といったほうが正確かもしれません。こんこんと湧き出ているといった風でもないが、泉源の周囲が赤褐色に変色しているので何らかの析出物があるのでしょう。

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炭酸泉源から下ったところに妬(うわなり)泉源があります。こちらは炭酸泉源とは対照的に景気よく蒸気を噴出させています。有馬はここのほかに有明泉源や御所泉源など、多くの泉源があり、ほとんどが含鉄の赤褐色の高温泉で、湧出量も豊かです。そしてこの湯こそ有馬の「金泉」です。

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天神源泉でも景気よく蒸気を吹き上げています。その様は焼き芋の屋台のようです…失礼
残雪の残る有馬は寒いがでは、心なしか暖かく感じます。

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バスの時間待ちの間、「有馬玩具博物館」という気になる施設があったので入ってみることにしました。木製玩具やブリキの玩具など、かなり充実した展示のなか、メルクリンの鉄道模型には目を奪われました。ヨーロッパの町並みの縮尺模型を見ていると時間を忘れてしまいます。この施設内にはちょっとイケてるレストランも。

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有馬からは再び阪急バスで、今度は芦屋に向かいます。バスは西工ボディのワンステップ車です。阪急はほんとに西工が好きなようで、それ以外はほとんど見かけない。

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有料の芦有ドライブウェイを通って、未だ一部に雪が残る六甲山脈を越えていきます。サミットのトンネルを越えると、展望台があり、バスはそこで短時間止まります。ここからは阪神間の平野と大阪湾が望め、夜には百万ドルの夜景が楽しめるとのこと。

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麓に降りてくるにしたがって、車窓には大邸宅が目立ってくると、そこは華麗なる一族たちが棲む芦屋の高級住宅地。芦屋川の両岸は松並木となっていてセレブ感を高めています。まぁ、ワタシとは一生縁のない場所ですな…

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阪神の芦屋駅から阪神電車に乗って梅田に戻ります。この庶民的な電車に乗ったら、なぜか安心してしまいます。やっぱりこんなお気楽な電車のほうがワタシには合ってる…

  • 訪問日:2007年1月15日
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二見浦@伊勢

2011-02-20 00:10:23 | まち歩き

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二見浦は日本の渚百選にも選ばれている伊勢志摩国立公園の名勝です。小学生の時の修学旅行に訪れて以来、実に久しぶりにここに訪れてみました。二見浦の入口あたりにはJRの二見浦駅と三重交通バスのバスターミナルがあり、そこから海に向かってまっすぐ進むと、この辺りに御福餅の本店があります。赤福餅に比べてかなりマイナーだが、実は伊勢の名物。

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さらに進むと海岸に行きつきます。この二見浦は日本の海水浴の発祥の場所だそうで、初代軍医総監松本順によって1881年に開設された日本で最初の公認海水浴場が、この二見浦だそうで、大正天皇も幼少時にここで水泳の訓練をしたと言われています。また、それ以前の海水浴は水泳が目的ではなく、海水に浸かることによる療養が目的だったようで、ここに残る古い風景画に、杭につかまって海に浸かっている様が描かれています。これって温泉浴に通ずるものがありますね。

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旅館街はひっそりと落ち着いています。修学旅行で来たときはもっと賑やかだったような…それでも、しっとりと落ち着いた佇まいはいい感じ。修学旅行で泊まった旅館の名前は思い出せません。

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海に臨む眺めのよい場所に「賓日館」(ひんじつかん)という立派な建物を発見しました。一般公開しているようで、入館料は300円となっている。ここに入ってみることにしました。

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ここは皇族や要人の宿泊施設として明治末期に建てられた賓客の宿泊施設で、その後、旅館の二見館に買収されて一般営業。その後、二見館の廃業により、現在は資料館となっています。

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大正天皇も滞在した由緒のある施設とのこと。中もまさしく圧巻!唐破風の正面玄関、庭園、旧客室等々…当時の一流の職人による匠の技があちこちに見られ、第一級の品格を誇っています。

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2階には実に豪華な大広間があります。木造の和風建築でこれほどの大広間があるのはかなり珍しいとのこと。

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しっとりと美しい中庭とともに、窓から青松越しに美しい海が望める。さすが、皇室ゆかりの景勝地、品格が違いますね。

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さらに進むと二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)が現れます。神社の名前は無名だが、海辺をもう少し進むと、ありました。境内の前の磯にある夫婦岩を知らない人はいないでしょう。

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この夫婦岩は日の大神(天照大神)と興玉神石を拝むための鳥居の役目だそうです。岩に陽光が差して実に神々しいような…とはいえ、もし二つの岩の間のしめ縄がなければ。それはそれで普通の岩のような気もするし…日本人の思い込み、というか刷り込みが有り難く感じさせるのかもね。

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まあ、夫婦円満の象徴として有難く参拝する人も多いようなので、それはそれでいいのかも。

  • 訪問日:2010年9月3日
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おはらい町@伊勢

2011-02-19 09:14:46 | まち歩き

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内宮から五十鈴川を渡ると目の前がおはらい町です。ここは伊勢神宮の鳥居前町。大勢の人たちが楽しそうに街歩きを楽しんでいます。この町の中央にあるおかげ横丁を核として、「妻入り」の木造建築が立ち並ぶ往時の雰囲気を再現した街づくりを進め、集客に成功した好事例。

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「妻入り」というのは、切妻造の妻の部分に玄関を設け、雨風に強い「きざみ囲い」と呼ばれる外壁をもつ建物で、これは宇治・山田地区で昭和中期以前は一般的な造りだったそうです。五十鈴川郵便局や、百五銀行内宮前支店も周囲の町並みに合わせた妻入建築になっています。

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手こね寿司などの郷土料理を供する飲食店、真珠や伊勢茶などを販売する土産物店が軒を連ねているなか、伊勢うどんの専門店を見つけ、入ってみました。伊勢うどんは、「コシなんて知るかっ!」ってな感じの讃岐うどんと対極的なところにあるうどんです。フワフワ・モチモチの食感のうえ、甘口の生醤油をかけていただく実に女性的な料理。蕎麦なんかだと店主と客との対決みたいな、食うか食われるかの緊張感があるが、この伊勢うどんは最初っから伸びきっているので急いで食べる必要もない。どこかユルユルしているのが癒される。

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また、ここにはあの赤福の本店もあります。店頭で看板商品の赤福餅とお茶をいただけるが、夏場にはここでしか食べれない赤福氷が人気を集めています。

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このおはらい町、街路を広げて歩きやすくし、電線を地中化して「妻入り」を際立たせた街づくりは実に美しいが、まだ新しく人工的な違和感があるのも事実。そのうちに落ち着いてくるんでしょうね。

  • 訪問日:2009年7月17日
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金の湯@有馬温泉

2011-02-17 00:19:01 | 温泉(兵庫県)
神戸電鉄・有馬温泉駅から歩いて10分足らず、温泉街のど真ん中にある「金の湯」は、2002年にオープンした共同湯。その前年にオープンした「銀の湯」とともに一般財団法人神戸観光局が運営しています。

ここはその名の通りが「金泉」が満たされており、気軽に有馬の特徴的なお湯が楽しめることにより人気の温泉施設です。館外には無料の足湯があって、いつも多くの観光客が足を浸けています。

お湯は金の湯の名のとおり、有馬の金泉が大きな浴槽に満たされており、猛烈な塩気と金気臭を保っています。ところが…「カビキラー」を撒いたんかいな?っと思うぐらいの塩素臭。

利用者の少ない平日は塩素も少なめにしたらいいのに… と思ってたら、外国人の大勢の団体さんがドヤドヤっと入ってきました。いかに豊富な湯量といえども、これほどの入浴客がいればやっぱり塩素投入もやむなしですかね…

・場所:神戸電鉄有馬温泉駅
・泉質:含鉄-ナトリウム-塩化物強塩高温泉 81.0~98.2度
・訪問日:2007年1月15日

神戸市街の温泉を巡るバスの旅@神戸

2011-02-15 23:06:30 | ☆バスde温泉(京阪神)

神戸には意外にも天然温泉が多いんです。日本三古泉に数えられる有馬も一応は神戸市ではあるが、六甲山の北側なので別格として、純粋な市街地の国道2号線沿いにもかなりの天然温泉が分布しています。これらの温泉は、南側の阪神電車と北側のJR、阪急電車との中間ぐらいにあるので、ブラブラ巡るにはバスのほうが便利。以前、この国道2号線の大阪市内の野田から神戸まで、阪神国道線の路面電車が走っていました。しかし、激しい交通渋滞のせいでマトモに運行できなくなって廃止されたとのこと。どうせならこの国道線跡をバスで乗りとおしてやろう。しかし、電車を廃止させるほどいつも渋滞しているこの道、はたしどのぐらい時間がかかるのやら。

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阪神電車、大阪市営地下鉄、JR東西線の交わる(阪神)野田駅のバスターミナルから、甲子園行きの阪神電鉄バスに乗り込みます。この駅、阪神は「野田」、地下鉄は「野田阪神」、JR東西線は「海老江」と、それぞれ名称が異なっている。しかもJR環状線に少し離れた場所に「野田」駅があって、ますますややこしい。路面電車時代には大阪から神戸まで乗りとおすことができたのだが、バスになった今では直通はなくなっています。もっとも、たとえ直通できたとしても乗り通す人などいないでしょうが…

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バスで県境をまたぐ乗客はごく僅か。市街地なのに、1時間に1本(当時。現在ではさらに削減されて1日にたった8本!)しか走らないバスの車内には乗客は10人前後しかいません。新淀川、神崎川を渡り、左門殿川を渡ると、ここから兵庫県、尼崎市。心配をよそに、道は渋滞もなくスムーズに流れています。早く着きすぎてバス停で時間調整をする始末。そういえば道路脇に駐車する車がほとんどいない。スムーズなのはこのためかも…現在では並行道路が整備されているので、電車を廃止させるほどの酷い渋滞は無くなったんでしょう。

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バスは甲子園の手前で国道から離れ、甲子園駅前のバスターミナルに到着しました。ここで阪神西宮行きのバスに乗り継ぎます。バスは再び国道2号線を西に走り阪神西宮のバスターミナルへ。ここで再び乗り換えて神戸税関前行きのバスに乗ります。

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西宮から神戸税関前まで結ぶこの路線も路面電車のなれの果てです。10分間隔と頻繁に走る路線には乗客も多く、芦屋のあたりでは座りきれない乗客もチラホラ。これだけ賑わってるのなら路面電車の復活っちゅうことは出来んもんかいいな。神戸市内の東灘区を過ぎ灘区に入ったところの徳井町で途中下車します。この御影の住宅街の真ん中に、泉質を誇る温泉が湧いているんです。

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温泉から歩いてすぐのところに御影公会堂があります。レトロな建物が大好きなワタシにとって、ここは以前から気になっていました。550人収容のホールがあるこの建物は昭和8年竣工で、空襲にも震災にも耐えて美しい姿を残しています。

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建物もさることながら、実にレトロな食堂があって、ここでランチにすることとします。かなり人気なお店なようで、平日の午後1時頃なのにかかわらず行列ができている。

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ここの名物はオムライス。オーソドックスなチキンライスが、ふんわりとした卵に丁寧に巻かれています。そして、パセリがその色でもって存在感を示している。完成された色彩の美がここにあります。

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口に運ぶとフワフワのオムレツと控えめな味のチキンライスが…何よりもトマトソースがしっかりと主張している。公共施設の食堂としてはなかなかイケます。

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再び神戸税関行きのバスに乗ってさらに西へ。マイカーとちがってバスは時間はかかるが、「スルッとKANSAI」が使えて小銭の必要がないし、駐車場を探してウロウロすることもない。おまけにビールを飲んでいても誰からも文句は言われない。みんなマイカーを止めてバスにすればイカガ?

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終点の神戸税関の少し手前、三宮駅で降車。ここで神戸市営バスの7系統に乗り換えます。この7系統は三宮・元町からトアロードを山側へ登っていきます。登りきったところが山本通りで、洗練された神戸の顔のような場所。またここは異人館が建ち並ぶ地区への入り口です。高台を西に向かうと間もなく兵庫区の平野。ここで途中下車します。ここでも温泉です。

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再び7系統、平野のバス停から今度は山を下っていき、実に庶民的な神戸のもうひとつの顔の新開地へ。旨いものを求めて彷徨っていたら、あの福原に迷い込んでしまいました。独りで歩くオッサンは、どうしても客引きのターゲットになってしまいます。ここでの目的は、特殊な浴場ではなく至って健全な浴場です。

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地下にある神戸高速鉄道の新開地駅には阪神電車、阪急電車、神戸電鉄、山陽電車が顔をそろえます。ここから山陽電車に乗ってささらに西を目指します。この先にはあの丸くてふわふわしたヤツが待っているんですね。

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須磨の手前で電車は地上に。明石海峡とそれを跨ぐ明石海峡大橋が見えてきました。
右の車窓に天文台が見えてきました。東経135度の子午線上にある明石市立天文科学館です。ここを過ぎると間もなく明石駅です。

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明石駅を南に歩くとすぐに魚の棚商店街が。ここは年末のテレビのニュースで必ず中継されるところです。しかしシャッターのしまっている店も多い。木曜日は定休なのでしょうか…それでも開いている店先では蛸がウニョウニョ踊っています。

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この商店街で見つけた「たこ磯」というお店に入ってみました。「明石焼」はここ明石では「玉子焼」と呼ばれています。これが一人前で600円也。美味しくいただいたが、量はおやつの域を超越してますよね。帰りのJRの新快速に乗ったころには、ビールを吸って膨張した玉子焼のせいでお腹パンパンになってしまいました。

  • 訪問日:2006年9月21日
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銀の湯@有馬温泉

2011-02-14 23:08:42 | 温泉(兵庫県)

神戸電鉄・有馬温泉駅から歩いて10分ほど、温泉街の古い町並みの中、坂道の上のほうにある「銀の湯」は、2001年にオープンした温泉施設で、その翌年にオープンした「金の湯」とともに、有馬を代表する共同湯のひとつです。

しかし、事前の調べでは100%循環ろ過だそうで、温泉愛好者の評価も芳しくないのが気になるところです。

さっそく浸かってみると、炭酸泉と放射能泉の混合のお湯は澄明で無味無臭。炭酸泉なのに肌に気泡が付着することはないのは循環するうちに飛んでしまっているからでしょう。

それよりも館内に入ったとたんプーンと漂う塩素臭にはがっかりします。同じく塩素投入されている「金の湯」ほど泉質に特徴があるわけではないし、白湯の銭湯と変わらないというのが正直なところです。

・場所:神戸電鉄有馬温泉駅
・泉質:単純二酸化炭素冷鉱泉 18.6度 単純放射能温泉 29.4 (混合)
・訪問日:2007年1月15日


飛騨の小京都探訪@高山

2011-02-13 22:20:08 | まち歩き

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岐阜県高山市。ここは「日本の原風景を残す街」として、国内だけでなく今や多くの外国人観光客も訪れるようになった飛騨の小京都です。現に、1日に1本だけ大阪から直通する特急列車「ワイドビューひだ16号」で高山駅に到着すると、名古屋から来た「ワイドビューひだ5号」を併結して9両もの長編成になった列車から、驚くほど多くの乗客が降りてきました。人気の程が窺えますね。

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駅前中央通をまっすぐ東に向かうと、両側にお土産物を売っているお店が建ち並び、雪で足元が悪いにもかかわらず、意外に賑わっています。こんなメインストリートで高山ラーメンのお店を発見しました。

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さらに進むとこの街の中央を流れる宮川に行き当たります。

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この川の東側は高山市三町伝統的建造物群保存地区です。三町(さんまち)は上三之町、上二之町、上一之町、片原町、神明町4丁目に跨る江戸時代に金森長近が整備した城下町の商家町にあたる区域で、江戸時代後期から明治時代にかけての城下町・商家町の姿が保全されています。

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最近、各地でこの手の街並みが観光整備され、電柱がなくなるなど大変美しくなっているが、どこでも土産物屋や飲食店が幅を利かせているのがどうも…もうちと落ち着いた佇まいにできないもんかな?っと思うのだが、ここも然り。

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宮川の川縁を少し北側に行くと朝市が開かれていました。宮川朝市です。高山の朝市は石川県の輪島朝市、千葉県の勝浦朝市と並ぶ日本三大朝市のひとつだそうです。ここでは高山名産のお漬物や、生鮮野菜、雑貨など販売品も種々雑多。

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ただ、今はほぼ正午。お店がどんどん撤収されていっています。この川の西側、元は花街だったしっとりとした街路に、B級グルメ愛好家が泣いて喜ぶお店があります。

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この高山には今回で4回目の来訪。ただそのすべてが真冬なんですね。一度は温かい時期に来てみたいもんです。

  • 訪問日:2011年1月29日
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朝日温泉@神戸(新開地)

2011-02-12 10:30:01 | 温泉(兵庫県)

神戸・新開地にある朝日温泉です。ここは普通の銭湯なのだが、天然温泉で、しかも掛け流しとのこと。ここでも都心の施設故、階層構造になっています。

1階は玄関のみで、2階は脱衣所、3階が浴室です。しかし、脱衣所に入った途端に強烈なタバコ臭で萎え、浴室の塩素臭でまた萎える。

それでも、小さいながらも掛け流しの源泉浴槽を守っているのは立派です。湯の花の舞う源泉は温いので、冬場は少々きついかも。しかし、加温浴槽と交互に浸かっていたら寒くなることもないし、のぼせることもありません。

元来ヌル湯好きのワタシのこと、喜んでここに浸かっていると、程なくして全身に気泡が貼りついてきた。そのまま放っておくと、全身アワアワなことになってビックリ。多少のツッコミどころはあるが、お湯の質はAクラスです。

・場所:高速神戸線・新開地駅
・泉質:弱アルカリ性単純温泉 31.1℃
・訪問日:2007年2月4日


湊山温泉@神戸(平野)

2011-02-11 00:10:10 | 温泉(兵庫県)
神戸市バス・平野BSのすぐ近く、神戸駅や湊川神社から有馬街道を山の方に登っていったところにある平野地区は、天王谷川の扇状地で、昭和の面影を色濃く残す商店街・住宅街になっています。

この住宅街の細い道をしばらく歩くと湊山温泉の建物が見えてきます。この湊山温泉自体は平安時代には既に存在し、すぐ近くにあった福原京の公家や平清盛などの武士も入浴したという説もあります。

昭和のヘルスセンターといった趣の建物は、一見古そうだが、中はリニューアルされていて清潔感を保っています。

広い浴室の中央に加温浴槽、入り口のところに非加温・掛け流しの源泉浴槽があり、どちらもウグイス色のお湯が満たされています。温泉の湧出時は無色だそうだが、長時間放置すると茶褐色の沈殿物が発生してお湯を色づけるとのこと。

非加温の源泉浴槽に浸かれば、最初は冷たいが、徐々に慣れてきます。ここには飲泉場もあり、蛇口をひねると源泉が出てきます。飲んではみたものの、妙に酸っぱくて飲みにくい。

この温泉、利用者の落ち込みと神戸市の上下水道料金見直しに伴う負担増の影響で、2015年に廃業することが決まったのだが、こんな街中にある一級の温泉…潰すには惜しいとすぐに後継者が現れ、現在に至っています。

泉質:含二酸化炭素-ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・塩化物低温泉 28.2度
場所:神戸市バス・平野BS
訪問日:2006年9月21日