香美町村岡区の国道9号から関西を代表するスキー場の「ハチ北」へ至る横道に入って山道をかなり登ったところの兎和野高原一帯は、氷ノ山後山那岐山国定公園の一部で、特に瀞川平あたりは豊かな植生と湧水に恵まれています。この中の17haが「但馬高原植物園」として整備されています。この「ヒュッテブルンネン」は植物園に併設されたレストランで、美しい景色の中、本格的な但馬牛料理や採れたての山の幸などがいただけるスペースとなっています。なにぶん山の中のこと、ここはちょっと公共交通機関ではいけません。今回、レンタカーで訪れました。
植物園玄関口の、ゲストハウスにあたるドイツかスイスの山小屋風の建物の一角にこのレストランがあります。室内はテーブル席と、少しだけのグリルカウンターで、約70席ぐらい。わりと広めです。今回は予約してあったので、予約席と書かれ、ここだけテーブルクロスの敷かれた丸テーブルに案内されました。
メニューは定食とかカレーとかコーヒーとか…いかにも観光地のレストランでありがちななんでもありの構成。しかしこのお店、他とはちょっと違います。今日は相方とひとつづつ、但馬牛ステーキコースの「ヒレ」と「ロース」を、一人当たり5,000円の予算で予約しときました。本来はお客の目の前のグリルで焼き上げるディナーだけのメニューなんだが、事前に電話で確認すると、ランチでも用意できるとのこと。ただしこの場合はテーブルにお皿で配膳になるらしいが、これは仕方ないですね。
前菜は植物園や村岡の野菜をあしらった但馬牛ローストビーフ。焼き魚があるのがユニークですね。
サラダはちょっとオドロキ!生野菜の上にお牛シャブが載っています。このお肉、口に入れると溶けるほどに柔らかい。
テールスープです。スープは濃厚。大き目のテール肉が沈んでいて、これが乳臭く感じるぐらい肉の風味が溢れています。
厨房から店長兼シェフがお盆にお肉を乗せて運んできました。本日のステーキ肉のお披露目です。今日は特にいい肉が手に入ったらしく、「A5」超級のヒレとロースに加え、希少部位のサガリも加えてくださいました。
このお肉を具合よく焼いて運ばれてきました。鉄板のお皿の上にギュウギュウ詰めに載っています。ロースは脂が乗っていてジューシーで柔らかい。圧倒的な存在感。ヒレは肉の味が凝縮された感じ。脂の押し出しが少ない分、上品な味わいです。サガリは、これがいちばん牛肉らしい味わいで、歯ごたえと旨みのバランスがいい感じですね。
タレは塩ダレ、山葵塩、醤油ダレ、そしてポン酢です。醤油ダレは村岡のオリジナル。サッパリと山葵塩でいただくのが気に入ってます。パンはハバネロソースでピリ辛になっているのがユニークです。
デザートはティラミス。ペパーミントが効いています。園内に湧いている銘水で淹れた千年水コーヒーが実に芳醇で美味しい。
レストランでお腹いっぱい食べた後は、植物園を散策して腹ごなし。手入れの行き届いた園内は実にいい感じです。正直、今まで食べた牛肉の中で、ここのお肉が最高位ではないかな。こんな上質のお肉がこの値段でいただけるのは驚愕です。決して行きやすい場所ではないが、レンタカーを借りてでも再訪する値打ちは充分です。
- 営業時期:4月中旬~11月下旬
- 営業時間:10:00~17:00、(ディナー要予約18:00~)
- 定休日:開園期間中無休
但馬高原植物園 ヒュッテブルンネン (そば・うどん・麺類(その他) / 新温泉町その他)
昼総合点★★★★☆ 4.5