最初にお断りしときますが、今回の旅では温泉はありません。小学生のときから30余年の今、改めて大人の修学旅行をしてみようと思い、伊勢・志摩に行くことにしたのです。伊勢・志摩にはろくな温泉がないから仕方ない…伊勢へはもちろん近鉄です。修学旅行だからね。
近鉄早っ!しかも安っ!1時間半ほどで伊勢神宮への玄関口、宇治山田駅に着きました。国家神道だった戦前に伊勢参拝のために造られたこの駅は、かなり立派。
お伊勢さん参りは本来、外宮から内宮へとお参りします。しかし、最近は外宮を通過してしまうことも多いとのこと。でも今回は修学旅行のトレースのため、セオリー通り外宮からお参りすることにしました。外宮までは歩いても遠くないのだが、やはりバスに乗らねば。宇治山田駅から鳥羽までは主な観光地を周遊する三重交通のCANばすが30分おきに走っていて、1日券を買えば、区間中は乗り放題。しかも同じ区間を走る一般の路線バスも乗れるとあって、かなり便利です。宇治山田を出たバスは伊勢市駅、外宮を経由して内宮に向かいます。バスはいすゞのキュービックです。
外宮前でバスを降ります。ここは一般的には外宮と呼ばれているが正式には豊受大神宮です。ここの社伝では、雄略天皇の夢枕に天照大神が現れ、「自分一人では食事が安らかにできないので、丹波国の比沼真奈井(ひぬまのまない)にいる御饌の神、等由気大神(とようけのおおかみ)を近くに呼び寄せなさい」と言われたので、丹波国から伊勢国の度会に遷宮させたとされている。平たく言えば食事や生活を司る神宮らしいです。それにしても独りで食事のできない神さんなんて…ワタシなんて毎日、毎日(以下略)
20年にいちどの遷宮のための用地が隣にあります。ただの空き地にも見えるがどこか清澄感がある。
白いお馬さんが…祭りごとのときに活躍するのでしょう。
外宮から再びバスに乗って内宮に向かいます。富士重ボディのいすゞ車です。三重交通の路線バスはいすゞ車が多いようです。今日は日曜日、バスは参拝客で満員です。外宮・内宮間は観光道路なので道は整備されてはいるものの、内宮に近づくにつれて渋滞が著しく、バスの車内も人いきれで苦しくなってきてイライラも高まる。渋滞の原因は内宮近くの駐車場を待つ車。そのせいでバスも動かなくなってしまう。三重県でも別のところに駐車場を作ってパーク&バスライドを宣伝しているようだが、効果が出ていない。バスが動かなきゃ意味ないやん!自家用車を規制するべき…いや、規制しろ(怒怒怒)イライラのあまり手前のバス停で降り、歩いて内宮に向かうことにしました。
内宮は正式には皇大神宮。五十鈴川に架かる宇治橋の手前の大きな鳥居をくぐると、そこから清浄な空間となります。日曜なので参拝客でいっぱい、ほとんどが家族連れやカップルで、ワタシみたいに独りで歩いている人の姿は皆無です。
五十鈴川を渡るとき気づきました。あっそか、三重交通にいすゞ社が多い理由はこれだ!
砂利の敷かれた参道を進むと手水舎がある。神社の参拝の常として手を洗い、口を漱ぎます。でも、この内宮ではここで手を洗うより、もう少し奥に行くと五十鈴川の川原で清めることができる。
細菌やウィルスなんかの概念がない古代から、清浄・清潔さを旨としてきた日本人の精神は守りたいものです。杉木立の中に鎮座する内宮本殿にお参りすると、身も心も清められた気がします。実にすがすがしい。参拝が叶ったら急に腹も減り喉も渇いてきた。さあ…今から清めのビールだ!
おはらい町から再びCANばすに乗って二見を目指します。バスはこれもいすゞのエルガ。
ノンステの最新タイプです。
二見の手前で山の上に鮮やかな天守閣が見えてきました。安土桃山文化村にある復元された安土城です。文化村なら展示も充実しているに違いない。面白そうだ、行ってみよう。思いつきでバスを降り、バス停の目の前の入場券売場で料金を見ると…なんと4900円!!!これはイカン!中止!しかし、バスは無情にも去っていきました。
仕方ない、文化に触れるにはお金がかかるものだと諦め、入場券を買い、中に入ってみると…人がいない…閑散。てか、客よりスタッフのほうが多いんではないかい?日曜日でこの有様なら、平日はどんなもんやろ?スタッフはみな役者のようで、閑散としたなかでも明るく振舞う彼らを見るのが辛い…ワタシを見つけた名物キャラクターの「ニャンまげ」が愛想を振りまきながら近づいてくる…お願いやからあっちにいってくれ!!こんなオヤジなんかそっとしておいてくれ!!!
期待の天守閣まではかなり離れており、ここで「籠」と称するシャトルバスが走っています。それがこれ!もうヤメテクレ!
期待して入った天守閣も、中は単なる蝋人形館。文化村とは名ばかりです。このテーマパークの意義はもうどこにもないのではないでしょうか。
気を取り直してCANばすに乗り、今度こそ二見浦を目指します。車内の案内では夫婦岩では先の東二見で降りるよう案内があったのだが、古い旅館街が見たいので二見バスターミナルで降ります。
二見シーパラダイスのアシカ君と戯れながらバスを待ちます。無邪気な海獣は和む。
定刻よりやや遅れて鳥羽行きの路線バスが現れました。
修学旅行をなぞる旅なら泊まりは二見浦にしたいところ。にも拘らず鳥羽にしたのはなのは、当時より舌が肥えたためです。夜は鳥羽の街中で旨いもんを探すことにしました。さすが鳥羽。海鮮のお店が軒を連ねています。行き当たりばったりのお店で、今日はアジがいいとのことなので焼いてもらいました。しっかりした身は旨みが凝縮しています。
そして、またまた牡蠣を追加注文。なにせ大好物なもんで…
焼き牡蠣は身が細っていて期待はずれだが、カキフライはウマウマ。焼き牡蠣は非加熱用を使っていたのかもしれません。非加熱処理したらどうしても弱るから仕方ない。海の街、鳥羽には他にも海鮮を楽しむことのできるお店が沢山あります。この旅以後もちょくちょく訪れているんです。
鳥羽には旅館も多く、その中には温泉を標榜しているところもあるが、どこもボーリングの循環塩素泉とのこと。そんなところに泊まるぐらいなら温泉なしでもいいや!今夜の宿はビジネスホテルのロードイン鳥羽です。町の中心から少し離れてはいるが、大浴場があるのでここを選びました。
大浴場といっても小さい。しかし一応サウナつきです。浴室のドアを開けると芳しい?塩素臭が・・・温泉でこんな臭いならガックリとなるが、白湯なので諦めもつく。
続く…
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