今までの「バスde温泉」はたいがい1泊か、せいぜい2泊。少ない日程でできるだけ効率的に温泉を巡っていました。ところが今回、勤続20周年のリフレッシュ休暇をいただけることになったので、この際、初めての長期旅行をやってみることにしたんです。これだけ日にちがあるのなら、国外の南の島でリゾート気分を…とも考えてはみたが、そこはやはり「バスde温泉」、6泊7日の日程で温泉大国の九州を探訪してみることにしました。
旅のスタートはやっぱりバス。阿倍野から空港バスに乗って、まだ明けきらぬ早朝の伊丹空港につきました。車両はふそうのシャーシに西日本車体工業製のボディを装荷したもの、大阪空港交通では主流です。
乗機するのは今何かと話題のJAL。写真では地上の胴体後部だけ見えているボーイング737です。このボーイング737は世界で最も大量に生産された旅客機で、初飛行は1967年の、かなりのロングセラー。ただし今の機種737-300は当初の機体とはまったく別のものといっていい、最新のエレクトロニクスに纏われたハイテク機です。
伊丹を飛び立つとすぐに明石海峡大橋が見えてきました。このまま瀬戸内海上を縦断します。
美しい山並みが見えてきました。阿蘇です。直後に飛行機が着陸態勢に入り、そしてすぐに熊本空港に着陸しました。
熊本空港からは九州産交バスと大分バスが共同運航する「やまびこ号」に乗ります。このバスは熊本市内と大分市内を、途中、熊本空港や阿蘇を経由しながら結ぶ都市間バスで、九州の中心部を横断する国道57号線を走破します。空港でこのバスを待っていたら、バス乗り場のスタッフから到着がかなり遅れると告げられました。なんでもバスが途中で故障したので車両交換するとのこと、旅の初っ端からトラブルとは…先が思いやられるなぁ…
30分以上送れて現れた車両は日野セレガの旧タイプ。なるほど、かなりの古参車両。これなら故障もうなずけますね。
阿蘇の山並みを、今度は地上から眺めながら外輪山の峠を越えると、大分県の竹田市です。ここで少しだけ国道を離れ、JRの竹田駅前、竹田温泉花水木BSに到着、ここでバスを降りました。
竹田は山間の小京都、しっとり落ち着いた街ですね。ここには滝廉太郎が少年期を過ごした屋敷が記念館なっています。荒城の月のモデルとなった岡城に至る街道沿いにある料理店で昼食です。
竹田駅前から、今度は竹田交通の路線バスで長湯へ向かいます。バスは日野のレインボー。スケルトンボディーの嚆矢となったタイプで、今や都心では見ることのできない、かなりの旧タイプ。途中、九重連山の美しい姿を見ながらおよそ30分、終点の長湯温泉に着きました。
長湯は豊富な流出量を誇る温泉で、日本随一の炭酸泉で知られています。今夜からここで2泊、プチ湯治です。
翌日は町内の温泉めぐりです。狭い範囲に温泉がいっぱい。それとともに湧水もあちこちにある。実に水に恵まれた地域ですね。これならバスを使うまでもない、全部徒歩で巡りきれます。
そして今夜の宿もここ。料理は初日と違ってダイナミックです。