バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

今度は飛行機・九重高原の温泉とグルメの旅

2014-02-03 12:09:08 | ☆バスde温泉(九州)

P9220057

今回も例によって夏休みのちょっと大きな旅行は9月の後半になりました。行先はやはり温泉の充実している九州です。これはもう恒例になってますね。あまりバスを強要すると妻殿に愛想を尽かされそうなので、今回は妻殿の希望どおり飛行機で飛ぶことにします。阿倍野から空港バスで伊丹に向かい、伊丹から10時発のJAL便で大分空港へひとっ飛び。

P9220058_2

機体はボンバルディアCRJ200、左右4席で50人の乗客をのせ、パイロット2人にて運航します。巡航速度800km/h。リアエンジンのジェットは静かでいい。大好きなプロペラ機ではないものの、こういう小さい飛行機は大好きです。

P9220064

1時間足らずで大分空港に着陸。ちょっと早いが、ここで昼食をいただくことにします。

P9220082

ここから大分交通の空港リムジンで由布院へ向かいます。由布院はそれ自体が観光地ではあるが、北部九州における交通の要でもあるんですね。車両は九州らしい西日本車体工業のハイデッカー車です。

P9220091

とりあえずここは素通りで、由布院駅で久大本線の普通列車に乗りかえです。車両はキハ125。JR九州のローカル線に配備された、小型ディーゼルカーです。

P9220102

たった2駅間の乗車、豊後中村駅で下車。ここから日田バスで南下します。車両はこれも西工の中型バス。この道程、かなりの絶叫断崖の道になっています。

P9220115

それもそのはず、行く手にはあの有名な吊り橋、九重“夢”大吊り橋もあるんですね。

P9220120

相当な標高差を上って、ようやくたどり着いたのが筋湯温泉です。宿泊はインターネットで見つけたちょっとしゃれた旅館。宿泊料の安さが魅力です。

Img_0016

筋湯に来たからにはここは外せません。筋湯のシンボルとなっている大浴場です。

P9230169

翌日、特に予定を決めていなかったんだが、旅館のご主人のご厚意により、九重・飯田高原まで送ってもらえることになりました。高原の自然の中で、今日は一日ハイキングにすることにします。

P9230190

昼食は高原内のレストハウスで。

P9230215

くじゅう登山口(長者原)BSから九州横断バスで短区間の乗車、筋湯温泉口BSで降ります。また筋湯に戻ってきたん?っと思われそうだが、このバス停から筋湯温泉までは峠越えのキロメートル。単に道がつながっているということです。こんな紛らわしい名称は止めたほうがいいですね。間違ってここから筋湯に歩いて行こうと考えるワタシみたいに人間がいるかもしれません。

P9230228

宿泊はこの近くの「界 阿蘇」です。

P9240304

翌日は近くを散歩するのと、有名なスウィーツのお店でケーキを買って部屋で食べただけ。何もしない一日を過ごしました。

P9250442

ゆっくりチェックアウトして九州横断特急バスで再び由布院へ。車両は日野セレガの旧タイプ。

P9250464

由布院では、今度は少しばかりの観光です。

P9250495

由布院から、来た時と逆ルート、空港へのリムジンバスで大分空港、そして伊丹へまたひとっ飛びです。

P2030638

やっぱりジェットは早いなぁ…おそらく機内で嬉しそうにしてたんでしょう、察したCAがポストカードをくださいました。さぞ大きな子どもに映ったんでしょうね…

  • 訪問日:2013年9月22日~25日


船でも行ける別府・湯布院の旅(2)

2013-11-26 21:50:27 | ☆バスde温泉(九州)

船でも行ける別府・湯布院の旅(1)の続きです

P1120961

今回の旅のテーマは、ゆったり船旅を楽しむこととともに、鳥の声、せせらぎの音を聞き、緑豊かな景色を眺めながら温泉に浸かり倒すことです。そのためにもちょっと奮発、高級なお籠り宿で連泊することにしました。

P1130114

天ケ瀬温泉の二日目、旅館のお風呂も一通り入ったし、宿にいててもは何もすることがなくて落ち着かなくなってきた。お籠りのはずだったがつい貧乏性がもたげてきます。ぶらぶら歩いて天ヶ瀬駅周辺に来てしまいました。ここらで昼食でもしようかな?

P1130110_2

この辺りは天ケ瀬温泉の旅館街になっています。中規模の旅館が川沿いに軒を連ねているが、温泉街の風情は感じられるものの、あまり賑わっているようには見えません。勇気を出して玖珠川の河原にある共同露天風呂に浸かってみることにしました。

P1130168

二日目の夕食も豪華。食事の後はバーで九州の焼酎を楽しみました。

P1130214_2

翌朝、宿の車に送ってもらって天ヶ瀬駅へ。ここから再び久大本線で日田に向かいます。日田は天領。古い街並みがあります。

P1130216

お昼は鰻にします。日田は天領水で名を轟かせている名水の里、鰻も旨いにちがいない。

P1130231

日田から博多へ行くには、久留米経由で久大本線と鹿児島本線を乗り継ぐ方法もあるが、安くて直行できるバスのほうが便利。日田のバスターミナルから西鉄バスに乗って博多駅へ。西鉄福岡駅のバスターミナルを経由して博多駅に至ります。

P1130234

新装になった博多駅、屋上には鉄道神社があるんですね。

P1130245

今度は「みずほ」初乗車、4列シートはゆったりですね。

P1130246

あっという間に大阪に戻ってきたものの、あまりのあっけなさに、旅の余韻を味わうことができないなぁ…


船でも行ける別府・湯布院の旅(1)

2013-11-25 16:36:41 | ☆バスde温泉(九州)

P1120664

この旅の最初の障害は定時退社ができるかどうか。なんとか無事に仕事を終えることができ、荷物を持って地下鉄に乗って、ニュートラム線のトレードセンター前駅へ向かいます。行先はまたまた九州。温泉の宝庫やし、バス路線も多彩やからね。今回、九州へ行く手段は憧れの別府航路です。大阪と別府を結んでいるフェリーは最近になって、ATC(アジア太平洋トレードセンター)が乗り場に変わっているんですね。ウォーターフロントの商業施設から乗船できるのは便利だし、何よりも出港時のどことなく寂しげな感じがなくていいですね。

P1120662

ATCから長いボーディングブリッジを通って船に乗り込みます。船は「さんふらわあ・こばると」、総トン数9,300トン、航海速力22.4ノット、旅客定員710名の巨船、旧関西汽船のフラッグシップ。

P1120668

船内のレセプションホールでは、ジャズのバンドが生演奏をしている…華やかな旅のスタートです。

P1120670

搭乗クラスは4人個室仕様の「ファースト」。相方と2名で貸し切りです。この航路が開設されたのは明治45年。日露戦争の終結から7年の時が経過して、観光ブームの萌芽を敏感に感じ取った大阪商船が、阪神地区の観光・湯治客を汽船で運ぼうと、古くから名を馳せてた名湯へ直行する航路を開設し、当時の花形船舶を投入したのが始まりです。それ以後、昭和に入って和辻春樹博士の設計による二代目の「紅丸」、「緑丸」、「茜丸」「こがね丸」、「にしき丸」といった、時代の最新鋭を誇る船が投入。その後、内海航路専業の関西汽船に引き継がれ、最盛期の1970年には年間232万人を運んだとのこと。

P1120666

客船から大型フェリーに替わった現在では、大阪商船の後身である商船三井が子会社の「株式会社フェリーさんふらわあ」を起こして、この航路を引き継いでいます。

P1120672

船旅の楽しみのひとつが食事。この大阪/別府ルートのレストランはカフェテリア方式になっています。

P11206961

食事の後はデッキに出て夜景を楽しむことができます。ちょうど明石沖。明石海峡大橋の下を通り抜けます。フェリーのデッキは風が強く、残暑の時期とはいえ肌寒い。速度が22ノットなら時速にして約40㎞、風速10mの風が吹いている計算になります。

Img_2102

お風呂もゆったり。波の静かな瀬戸内海では、普段は揺れはほとんど気にならないが、お風呂の中では船の中であることを実感します。湯船のお湯が八分目しか張られていないからですね。お湯につかるとタップンタップンと揺れて不思議な感覚。なお、この写真は以前「さんふらわあ にしき」に乗船したときに撮ったもの。

P1120709

ベッドでぐっすり休んで、気が付けばもう周防灘。遠くに九州の山並みが見えます。大阪から別府へ逃れていった、「夫婦善哉」の隆吉・蝶子も同じ景色を眺めたんでしょうね。

P1120716

別府港に接岸。下船してここから大分交通の路線バスで別府の中心街に向かいます。別府タワーが見えてきたら、そこは湯の街の賑わいがありますね。この別府温泉で一泊します

P1120875

宿泊した安宿の近く、昔ながらの繁華街の流川から、亀の井バスの路線バスで由布院を目指します。

P1120881

別府・由布院間の移動は、大分を経由するJRより普通の路線バスのほうが早くて安い。しかも、車窓も楽しいですね。

P1050929

由布院には宿泊せず、ここから久大本線で天ケ瀬温泉へ。由布院駅からJR九州の特急「ゆふ」に乗って天ヶ瀬駅まで、短時間の乗車です。車両は185系気動車。この車両、もともとはJR四国の所有で四国各線を走っていたのが、JR九州に移籍してきたんですね。その移籍とともに、車両カラーが緑から赤に変わっています。

P1120952

途中、豊後森駅手前で、有名な扇形機関庫が姿を現しました。

P1120982

天ヶ瀬駅には宿のお迎えの車が待っていてくれてました。ここのお宿で二泊させてもらいます。

つづく…


意地でもバスで行く別府・共同湯の旅(2)

2013-11-02 12:13:59 | ☆バスde温泉(九州)

意地でもバスで行く別府・共同湯の旅(1)の続きです

P1120812

別府では外国人の姿が多く見かけられます。別府温泉が欧米や韓国・台湾の観光客に人気なのに加え、APUの留学生がかなりの数を占めているようです。意外にも若者の町なんですね。

Img_6996

別府駅の西口には主に亀の井バスが使用するバスターミナルとなっていて、そこから各方面へのバスが頻繁に発着しています。特にここから鉄輪の間は経由地がいろいろあるもののおよそ10分毎。かなり使えます。

Img_7131

亀の井バスは別府を拠点とした会社で、西鉄の子会社。(創立 油屋)別府市内の特に山手側に路線網を広げていて、温泉めぐりには欠かせないバスです。

Img_7003

坂の多い別府の街の、山手のほうへずんずん登っていき、高速道路の巨大な橋の袂で降りました。温泉にちょっと詳しければこの写真で何処か一目瞭然しょうね。そう、明礬温泉です。

Img_7021

明礬からバスで山を下って5分ほど、次の温泉は露天風呂?いやいや、これに浸かったら大火傷になること必定。別府名物の地獄巡りのうちのひとつ、海地獄です。高温の温泉が自然の露天風呂を形成し、見事な青色を造り出しています。今回、温泉以外の観光地を訪れるつもりはなかったが、でもまあ、これも広義の温泉ということで…

P1120827

海地獄から鉄輪温泉へは旅館や土産物屋が建ち並ぶ商店街を、歩いて通り抜けることができます。石畳になっていて景観整備もバッチリ。贅沢かも知れないが、加えて電線の地中化をしていればなぁ…

P1120828

途中、なんだか怪しげな場所がありました。入ってみよっかな…いかん・いかん!バスと温泉を探求することが目的なので、ここに寄る訳にはいかん。幸なのか不幸なのかは解らんが、自制心が勝って、鉄輪温泉の中心部にやってきました。

P1120800

大分県は食材の宝庫。この別府では食事場所に事欠きません。駅前で見つけた食堂で昼食を。大分名物のとり天です。

P1120873

別府駅からちょい南のところ、流川のあたりは別府なかでももっとも古くからにぎわった地域です。ここから再び山の手の温泉を目指すため、亀の井バスに乗ります。

P1120796

山に向かって真っすぐ一本の道を進んだ突き当たりがラクテンチです。

P1120739

こんな遊園地にも温泉があるんですね。さすが別府。

Img_7067

別府温泉から車の激しく往来する国道10号線を南に20分ほど歩いたところ、なんだか温泉らしくない再開発区域みたいな場所にやってきました。ここが浜脇温泉です。

Img_7068

浜脇温泉から日豊本線の線路沿いを少し歩くと東別府駅が現れます。典型的な昔ながらのローカル線の駅で、そのレトロな駅本屋は明治44年の造り。別府市の有形文化財として昔の状態を保っているが、バリバリ現役です。

Img_7082

ローカルと馬鹿にする無かれ。別府・大分の周辺ではかなりの頻度で電車が走っています。
JR九州の電車はアルミ車体がまぶしい最新型の815系に乗って鉄路を北へ。

Img_7089

別府駅を通り過ぎてさらに二駅目の亀川駅で降りました。ここからすぐのところの旧街道沿い、数軒の旅館が無ければのごく普通の住宅街と思うようなところが亀川温泉です。

Img_7091

別府市内では山手に強い亀の井バスと、海沿いに強い大分交通が覇権を競っているのだが、停留所も別々、時刻表や路線図も別々になっていて、明らかに地元民と見られる人たちでも戸惑っています。も少し利用者の立場に立って、サービスの一元化を考えてみないと、乗客は減るばかりでしょう。ここには競争原理のメリットは無いと断言できます。

Img_7092

亀川駅前に大分交通の路線バスが現れました。さすが九州、車両の殆どは西日本車体工業(西工)のボディーを乗せています。この亀川駅からは以前、別府北浜から大分まで、国道10号線の真ん中を路面電車が走っていました。交通渋滞の元凶ということで昭和の時代に廃止になったが、今はその区間を大分交通のバスが結んでいます。

Img_7132

別府の旅も終わりに近づいてきたので、とりあえず別府中心街に戻ってきました。復路の電車までまだ時間があるので、食事と最後の観光を。別府に着いたときに発見し、その昭和な姿に興味をひかれたた別府タワーに登ることにします。

Img_7157

極上温泉の数々に圧倒され続けてきたこの別府、名残は尽きないが帰ることにします。定刻に別府駅に現れた特急ソニックは虫のような独特なデザインの883系です。この883系は車両のデザインに定評のある水戸岡鋭治の代表作のひとつ。JR九州は彼のデザインをかなり多用していて、朝に乗った815系も彼の作品とのこと。

Img_7159

艶を出した白い車内に、某キャラクターのような耳のついた枕が特徴的。この枕、頭を上手い具合にホールドして眠りを誘います。振り子式の車両はカーブをものともせずにスピードを上げて小倉に向かっていきます。そして小倉からのぞみで大阪へ。

Img_7060

別府市内で偶然に発見した地獄めぐり遊覧バスのモニュメント。これぞ「バスde温泉」の起源ですな。

<script type='text/javascript' charset='UTF-8' src='http://map.yahooapis.jp/MapsService/embedmap/V2/?cond=lat%3A34.686401%3Blon%3A135.520004%3Bdatum%3Awgs%3Bs%3A1383373386403d1fda9238924d89f1bd4ff8f07294%3Blayer%3Apl%3Bspotnote%3Aon%3B&amp;zoom=14&amp;bbox=131.43137332373047%2C33.299287943722604%2C131.52201053076163%2C33.30861345104156&amp;lat=33.30789613972814&amp;lon=131.47669192724606&amp;z=14&amp;mode=map&amp;active=true&amp;layer=&amp;home=on&amp;hlat=34.686401&amp;hlon=135.520004&amp;pointer=off&amp;pan=off&amp;ei=utf8&amp;v=3&amp;datum=wgs&amp;width=320&amp;height=240&amp;device=auto&amp;isleft='></script>

鹿児島を味わいつくすバスとプロペラ機の旅@鹿児島(2)

2011-07-18 22:51:48 | ☆バスde温泉(九州)

鹿児島を味わいつくすバスとプロペラ機の旅@鹿児島(1)の続きです

P1110271

二日目の朝はホテルの朝食からスタートです。ホテルアービック鹿児島は朝食が無料。ロビーの奥にある小さいカフェでバイキングスタイルになっている。種類はそれほど多くはないが、無料だから文句ありません。コーヒーが美味しいのがいいですね。

P1110273

鹿児島中央駅からいわさきバスの運営するまち巡りバス「せごどん号」に乗ります。市内観光のバスなら、鹿児島市交通局の「シティービュー」もあるが、こちらはそれに対抗する民間のバス。車両はコミュニティーバスの決定版、日野ポンチョのロングです。

P1110279

運転士が観光ガイドも兼ねるのだが、通常の営業運転しながら名所の解説もしています。メモを見ずに流暢に案内するのは見事です。

P1110291

城山は前回の鹿児島旅行で訪れたのでパスし、今回は仙巌園に来てみました。

P1110290

仙巌園は鹿児島市街から北東、錦江湾に面した薩摩藩主島津氏の別邸跡。約5haの敷地を持つ桜島を望む美しい庭園が有名で、磯庭園という別名を持っています。この庭園は戦後の華族制度廃止に伴い、いったんは鹿児島市の管理下に置かれたが、1957年には島津家に返還され、現在は島津興業が管理しているとのこと。

P1110297

桜島を築山に、鹿児島湾を池に見立てた借景が見事。実にダイナミックな庭園です。

P1110305

島津家の邸宅であった磯御殿を見学するには、+500円の別料金がかかるが、こちらはスタッフが案内してくれる上にお薄とお菓子がいただけます。

P1110327

お菓子といえば園内の御茶屋でいただける両棒餅(ぢゃんぼもち)も必須。この餅は鹿児島市で古くから親しまれている郷土菓子で、両棒(ぢゃんぼ)とは、鹿児島弁で上級武士が刀を二本脇に差していた姿のこと。上新粉で作った円盤状のお団子に串が二本差し。団子のような砂糖醤油と味噌の二種のタレがたっぷり掛かっています。このお餅、この仙巌園周辺のお茶屋以外ではいただけないようです。希少価値もありますね。

P1110331

仙巌園に隣接する洋館は尚古集成館。ここは日本で初めてアーチを採用した石造洋風建築物です。現在は島津興業によって運営され、島津家に関する史料や薩摩切子、薩摩焼などを展示する施設となっているが、もとは第28代当主島津斉彬が開国を迫る列強に対抗して、産業の近代化を図って計画した集成館事業の拠点。

P1110333

ここはヨーロッパ式製鉄所やガラス工場を建設するなどアジア初の近代洋式工場だったところで、大砲製造から洋式帆船の建造、武器弾薬から食品製造、ガス灯の実験など幅広い事業を展開したとのことです。日本の近代化に貢献したこの事業は、いわば幕末のベイエリア開発ですね。

P1110336

仙巌園からは路線バスで鹿児島市街に戻ろうと思ってたのだが、運行本数が実に少なくて不便。バスを待つが時間になってもぜんぜん現れないので、諦めて鹿児島市営のシティビューで鹿児島水族館まで乗って、そこから歩くことにしました。

P1110371

目的地は鹿児島市役所の近くの県民交流センター前の広場です。ここの一角に独特の存在感を漂わせている洋館建築、これは大正14年に建設されが旧県庁舎本館の玄関部分を移設、保存し、県政記念館としたものです。

P1110368

館内は県政のあゆみや建物の概要について、映像やパネル展示解りやすく紹介しています。が、ここに来た本当の目的は、その建物内に入居しているJA鹿児島直営のレストランです。

P1110373

鹿児島市電の北の終点は鹿児島駅前です。JRの鹿児島駅は、もともとは鹿児島の代表駅だったのだが、今では新幹線の開通でさらに賑わう鹿児島中央駅とは対照的に、ローカル感が漂う鄙びた駅です。

P1110376

広い構内には引退した485系が留置されていて、余計に寂寥感を増幅させています。

P1110380

この駅から特急きりしまに乗って日豊本線を北に進みます。車両は787系。この車両は当初は博多と鹿児島を結ぶ九州のメイン路線を走っていたが、新幹線の全通で編成も短くなり、ローカル特急に都落ちです。悲哀を感じるなぁ…

P1110395

僅か40分ほどの乗車で霧島神宮駅に着きました。

P1110412_2

ここは霧島の玄関口。ここからいわさきバスに乗って山道を登ります。車両はふそうエアロスターの初期タイプ。ここから延々上り坂でぐんぐん標高を揚げていきます。

P1110523

終点の霧島いわさきホテルで降りました。今夜の宿泊もこのホテルです。このホテルに宿泊することに決めたのは、ホテルのダイナミックな大浴場と、このホテル敷地の渓流にある実に開放的な露天湯があるからですね。それにしてもここはかなり涼しい。相当高いところまで登ってきたようです。ホテルの売店で売っていたポテトチップスの袋がパンパンに膨らんでいました。

P1110520

夕食はホテルの和食レストランで、明けての朝食は洋食レストランでバイキングです。

P1110527_2

ホテルのチェックアウト時間は昼の12時と、ありがたいサービス。このサービスはいつものことなのか、噴火でお客さんが減っている今だけのことかは不詳です。今回はレイトチェックアウトのサービスを享受することなく、10時前のバスで出立します。霧島神宮経由、国分行きのいわさきバスで山を下ります。車両は昨日と同じふそうエアロスター。

P1110535

霧島神宮でいったん降りて参拝を。本殿は工事中でした。

P1110556

霧島神宮からのバスは、こんどはいすゞのキュービックです。40分ほどの乗車で国分駅に着きました。国分は葉タバコの産地として有名なところではあるが、今は縮小の一途だそうです。吸う人も少なくなってきたからね。

P1110567

国分駅からは大隅交通ネットワークの垂水行きの路線バスで、錦江湾沿いの福山という場所を目指します。この大隅交通ネットワークは鹿児島市の鴨池港と対岸の垂水港を結んでいるフェリーと、大隅半島をエリアとする路線バスを運営する会社で、「いわさきグループ」の傘下企業。この垂水に向かうバス路線は、1987年の国鉄の解体と同時に廃止された国鉄大隅線の廃止代替バスです。車両はいすゞの中型、ジャーニーKです。

P1110608

国分の市街からしばらく走ると桜島を望む錦江湾沿いの美しい風景に変わります。30分ほどの乗車で海添BSに着きました。湾越しに桜島が見える以外は何の変哲もない田舎の集落、しかし少し入ると黒甕の畑が現れてきます。ここは鹿児島黒酢の一大産地なんですね。

P1110600

黒酢の畑の前の細い道は国鉄大隅線の廃線跡です。次のバスまで時間が有り余っているので困っていたら、近くに美術館があるとの情報。この廃線跡をブラブラ歩いて訪れてみました。

P1110601

大きい医療施設の一角に松下美術館がありました。この美術館はこの医療施設の創始者が私財を投じて設立したとのこと。展示は洋画や日本画、エジプトの遺産や果ては民俗資料まで、実に盛りだくさん。意外なほどのボリウムに腰を抜かしました。

P1110607

バスの時間が迫ってきたので近くのバス停から再び大隅交通ネットワークの廃止代替バスに乗ります。このバスは国分駅を経由して、鹿児島空港まで直行します。2泊3日の鹿児島旅もこれで終了。またもやプロペラ機に乗って帰阪することにします。飛行機もいいけど、次回、こちらに来るときには、折角だから開通した新幹線に乗って来たいもんです。

<script type="text/javascript" charset="UTF-8" src="http://map.yahooapis.jp/MapsService/embedmap/V2/?fa=ks&amp;lat=31.70728040392245&amp;lon=130.78444674162142&amp;z=12&amp;datum=wgs&amp;mode=map&amp;type=scroll&amp;layout=normal&amp;submap=close&amp;stmore=close&amp;weather=open&amp;pointer=on&amp;hold=off&amp;home=off&amp;hlat=null&amp;hlon=null&amp;ei=UTF-8&amp;b=1&amp;n=10&amp;meta=0&amp;full_tip=open&amp;heat_tip=open&amp;mmc=200&amp;mlc=200&amp;sc=10&amp;s=1310997088724b3dcfed293ff58431f4cd13dd80c9&amp;width=320&amp;height=240"></script>

更新の励みです!下のバナーをぽちっとしてね
にほんブログ村 旅行ブログへ


鹿児島を味わいつくすバスとプロペラ機の旅@鹿児島(1)

2011-07-13 23:29:38 | ☆バスde温泉(九州)

あの大災害では、東北の被災者とは比べるべくもないものの、関西でもいろいろなゴタゴタがあって少なからず影響を受けてはいるが、それでも3ヶ月が経過して少しは落ち着いてきました。ぼちぼち温泉に行きたいな…っと密かに思っていたら、相方が九州にJALで往復する宿泊付きのお得な旅行プランを見つけてきました。でも飛行機だと旅情に欠けるんよね……いや、まてよ!九州でも鹿児島空港行きならプロペラ機が飛んでるぞ!

P1110614

そうなんです。プロペラ機は例外。ジェット機と違ってどこかアナログな感じがするプロペラ機は、実は大好きなんですね。特にYS11なんかは空飛ぶ「昭和」っちゅう雰囲気で大好物。さすがにYS11は引退しているので、今ならボンバルディアかサーブか。特にボンバルディアは故障がちで、よくニュースのネタにされているが、か細い機体は頼りなげでどこか儚げながら、実に流麗…だんだん乗ってみたくなってきたぞ!

P1110142

てなわけで、珍しく飛行機で旅立つことにしました。朝一番の大阪空港交通バスであべの橋から伊丹空港へ。

P1110143

伊丹空港で搭乗手続きをして搭乗口へ。プロペラ機の搭乗口はANAでは最南端。JALでは最北端に押しやられているが、この搭乗口からエプロンを眺めると、小さい旅客機がきれいに整理列していてそれはそれで壮観。

P1110153

小さい飛行機には搭乗橋を着けることができないので、搭乗口からいったんバスに乗せられ、エプロンの真ん中で地面から直接飛行機に乗り込みます。

P1110149_2

タラップは扉と兼用。扉の内側が階段になっています。この機体はボンバルディアのプロペラ機の中では最も大きな部類で最もポピュラーなDHC-8 Q400。このQ シリーズは騒音・振動抑制装置が装備された低騒音型ですね。YS-11より少し大きな機体で、効率の良い6枚ブレードのプロペラを装備し、巡航速度は700km/h弱とターボプロップ旅客機としてはなかなかの速度です。

P1110152

しかし、2007年に大阪国際空港発、高知空港行のANA 1603便で、着陸前になって前脚が故障し、高知空港に胴体着陸したことで一躍悪評が広まり、その後もたびたびエンジン故障などを引き起こし、乗るのを忌避する人も多いと聞きます。現にこの後に大阪空港を飛び立った全日空機がタービンの羽根が折れるエンジン故障で引き返していて、これをテレビニュースで知ってびっくりしました。でも考えようによっては、これだけの事故を起こしても堕ちていないのは安全な機体である証左かもしれない。

P1110154

やがて離陸の時間。プロペラが勢いよく回りだすと急激な加速があり、背中がシートに押し付けられるとあっという間の離陸。加速度はジェット機より強力かもしれません。快適な空の旅を1時間余り、鹿児島空港にふんわりと着陸すると、すぐに空港のエプロンに停止。

P1110155

ここで降ろされ、またまたバスに乗ってターミナルに運ばれます。車両は日野のブルーリボン、南国交通が運行委託されているようです。

P1110616

鹿児島空港は、九州では福岡空港に次いで第2位の乗降客数で、年間の乗降客数が国内線で約488万7000人。そのうち対伊丹へは約95万人ということだが、新幹線の開通でこれはかなり減るんではないかな?鹿児島空港の特徴として、離島路線の拠点として奄美、沖永良部、与論などの薩南諸島への路線を展開していること。なので小型機の割合が比較的多いんですね。

P1110160

また、到着ロビーから屋外に出たところに足湯「おやっとさあ(お疲れ様の意)」が設置されています。さすが温泉の宝庫ですね。

P1110162

鹿児島空港から鹿児島交通バスで、鹿児島市内をパスして指宿方面に向かいます。車両はふそうのエアロです。

P1110183

温泉客で賑わう指宿駅前では降りず。もう少し先の山川駅で降車します。この山川駅は日本最南端の有人駅、次の西大山駅は、日本最南端の鉄道駅(モノレールは除く)としてつとに知られる駅ですね。この山川駅のすぐ近くで昼食をいただきました。

P1110186

山川駅前から鹿児島交通の路線バスで西に向かいます。車両は冨士重ボディのいすゞ車です。およそ10分ほどの乗車ののち、伏目口BSで降りて坂道を歩いて海岸に下ります。この海岸からは景気よく蒸気が立ち昇っています。

P1110224

砂蒸し温泉から丘を登ったところに保養施設「ヘルシーランド」の源泉がありました。行く手を阻むえげつない蒸気に躊躇しながらも、湯気の中を走りぬける。この蒸気で相方のシルバーのブレスレットが燻し銀に変わり果ててしまった…

P1110227

ここから再び鹿児島交通のバスで指宿の駅前に戻ります。車両は川重ボディのいすゞ車です。

P1110236

指宿は巨大ホテルが建ち並ぶ大温泉街。ここにはあまり興味がないのでせいぜい足湯を楽しむ程度。

P1110238

ここから指宿枕崎線で鹿児島中央駅へ。この路線は非電化ながら、鹿児島に近づくに連れてかなりの乗客が利用しています。通勤・通学の重要な足になっているようですね。

P1110244

鹿児島の宿泊はホテルアービック鹿児島です。ここには温泉はないが、お昼に堪能したのでまあいいか…ホテルに荷物を置いて鹿児島の繁華街に繰り出しました。

続く…

<script type="text/javascript" charset="UTF-8" src="http://map.yahooapis.jp/MapsService/embedmap/V2/?fa=ks&amp;lat=31.35769813538867&amp;lon=130.60478172320316&amp;z=11&amp;datum=wgs&amp;mode=map&amp;type=scroll&amp;layout=normal&amp;submap=close&amp;stmore=close&amp;weather=open&amp;pointer=on&amp;hold=off&amp;home=off&amp;hlat=null&amp;hlon=null&amp;ei=UTF-8&amp;b=1&amp;n=10&amp;meta=0&amp;full_tip=open&amp;heat_tip=open&amp;mmc=200&amp;mlc=200&amp;sc=12&amp;s=1310567364724b3dcfed293ff58431f4cd13dd80c9&amp;width=320&amp;height=240"></script>

更新の励みです!下のバナーをぽちっとしてね
にほんブログ村 旅行ブログへ


美食と美湯・九州縦断バスと電車の旅(4)

2010-03-07 11:57:03 | ☆バスde温泉(九州)

美食と美湯・九州縦断バスと電車の旅(3)の続きです。

P1060041

それ自体が文化財の、実に趣のある旅館を辞して、日奈久温泉駅から肥薩おれんじ鉄道で八代へ戻ります。

P1060042

車両のHSOR100形は、車内の中央部がクロスシートになっていて、座り心地もいい。僅かな乗車時間で八代駅に着きました。

P1060043

八代駅は八代の中心部からはかなり離れた場所にあるため、バスが駅と市内を結んで頻繁に発着しています。群築行きのバスを待つ間も、さまざまな行き先のバスが乗客を拾っていきました。

P1060056

この群築行きに乗って八代港に向かいます。車両はいすゞの中型、ジャーニーです。バスは市内中心部を経由して港に向かいます。

P1060063

八代港から松島フェリーで天草の合津港へと。船名は「フェリーまつしま」、200トンの小型船です。この日、車両甲板の車両も、客室の乗客もごく僅か、今後もこの航路を維持できるのか心配になってきますね。

P1060068

後部のデッキに出ると2・3羽のカモメ君が物欲しげにこっちを見ている。上手い具合に餌の「かっぱえびせん」を50円で無人販売しているんですね。面白そうなのでやってみることにします。

P1060075

一切れ投げてみると…どこから現れたのか、突然ドワーっとカモメの大群が寄ってきました。どうやらフェリーの屋根の上に大群が住み着いていて、毎日八代と天草を往復しているようです。

P1060081

餌がもらえると知った後は、もう収拾がつかない。えびせんの取り合いで大騒ぎです。それにしてもカモメって近くで見ると目が怖いですね。

P1060103

鳥さんたちと戯れていたら1時間足らずの航海はあっという間です。船は松島港に到着しました。小さいフェリーのこと、乗客専用のボーディングブリッジなどある筈もなく、クルマと一緒に歩いて下船します。ここは上島の、天草の入口部分に位置する小さい港町です。

P1060115

港から国道を歩いて天草五橋の5番目の橋、松島橋の袂へ。ここで海鮮の昼食をいただくことにします。

P1060116

松島橋を歩いて前島へ渡ります。この辺りを松島というのは、日本三景のあの松島に似た光景があるからなんですね。

P1060120

この前島から九州産交のバスに乗って熊本方面へ向かうのだが、次の大矢野島、サンパール前で途中下車。ここは上天草市の物産館があって、水産物・農産物が安くで手に入ります。残念ながら荷物になるのであまり買うことはできなかったが…

P1060129

サンパールから再び熊本行きのバスに乗り込みました。今度も車両は日野セレガです。このバスもかなり年季入りですね。

P1060182

1時間半ほどで熊本市内に入ってきました。熊本駅前は新幹線の開業を控えて大工事の真っ最中。市内電車の線路も付け替えられています。熊本駅も市内中心部からは少し離れているのでここでは降りず、中心部にある交通センターで下車しました。市内は市電が行き交い、かなり賑わっている。この熊本、来年には政令指定都市になるそうです。

P1060161_2

P1060133

宿泊は熊本ホテルキャッスルです。一昔前の高級ホテルといった趣。砲金の水栓金具なんかも今や見ることのできない貴重品ではないかな?

P1060134

このホテル、熊本城を眺めるのに最適な場所に立地していて、窓からの眺めが実にいい。熊本城が見える側、オーシャンビューならぬキャッスルビューと、そうでない側とは宿泊料も違っています。ここでの夕食はホテルの近く、ビジネス街にある郷土料理のお店にしました。

P1060169

P1060232

翌朝、ホテル近くに見つけた絶好のポイントでバスと市電を撮影。熊本市電にも最新のLRVが導入されています。阪堺電車にもこんな車両があったらなぁ…地域のサポートがなければ永遠に不可能でしょうが。

P1060241

熊本随一の繁華街、上通り、下通りの商店街と、並びにある鶴屋百貨店をブラブラします。土産に九州の麦味噌を購入。これで家に帰ってからでも九州の味が楽しめますね。昼食は下通り商店街にある老舗中国料理店へ。ここでまたまた熊本のローカルフードをいただきます。

P1060260

P1060261

熊本に来たならここは外せない。熊本城を訪れました。いわゆる普通の観光地かな?っとの認識だったが、修復された天守閣や櫓、展示収蔵品の数々など、実に盛りだくさんの内容で、じっくり見てまわると丸一日かかってしまうほどの充実ぶりです。

P1060283

P1060293

なかでも築城400年を機に復元された本丸御殿は、絢爛豪華で見ごたえあり。今や入場者数が日本最高になったと話題の人気のお城、こうして常に施設を充実させていることでリピーターを増やしているんでしょう。1位の座をから落城した大阪城も、もうちょっとがんばってほしいですね。

P1050316

熊本の中心部、鶴屋百貨店前の通町筋BSから熊本空港行きバスに乗り、再び飛行機で大阪に帰ることにします。長かった九州旅行もこれでおしまい。翌日からまともに仕事ができるかどうか…少なからずの不安を抱きながら機上の人となりました。

  • 訪問日:2010年1月24日~30日
<script type="text/javascript" charset="UTF-8" src="http://map.yahooapis.jp/MapsService/embedmap/V2/?lat=32.691979576065364&amp;lon=130.6420912982124&amp;datum=wgs&amp;z=11&amp;mode=map&amp;type=scroll&amp;pointer=on&amp;home=off&amp;hlat=null&amp;hlon=null&amp;fa=ks&amp;ei=UTF-8&amp;b=1&amp;n=10&amp;s=1267930857f972d530d586a353744427c16d8a2ed7&amp;width=320&amp;height=240"></script>

更新の励みです!下のバナーをぽちっとしてね
にほんブログ村 旅行ブログへ


美食と美湯・九州縦断バスと電車の旅(3)

2010-03-03 23:42:58 | ☆バスde温泉(九州)

美食と美湯・九州縦断バスと電車の旅(2)の続きです。

P1050703

妙見温泉・雅叙苑の実に素朴な朝食をじっくり味わっていたら、気づけばバスの時間が迫っている。大急ぎで出発の準備をして、昨日、ここに来るときに乗った温泉バスで再び嘉例川駅に戻ります。

P1050818

この駅から昨日の続き、特急「はやとの風」で肥薩線を北上します。肥薩線は熊本県・八代から鹿児島県・隼人を結ぶ路線で、当初は鹿児島本線として明治42年に全通したのだが、海岸沿いを走る現在の鹿児島本線(肥薩おれんじ鉄道)の開通によって、ローカル線に格下げされた経緯を持つ路線です。旅客数の減少で廃止も取りざたされているが、こういった観光列車を走らせて復活を期しているところなんですね。

P1050824

嘉例川を出た列車は次の霧島温泉駅でも小休止。ここでボランティアの地元の方々により、名産のお茶を振舞ってくれます。

P1050831

ひとつ飛ばして次の大隅横川駅でも小休止、ここも嘉例川駅と同様の開業当初そのままの古い木造駅舎を見学、嘉例川駅よりかなり大きい駅舎で、国の有形登録文化財になっています。

P1050836

廃止された山野線の分岐駅だった栗野駅にも停車して、終着、吉松駅に着きました。ほとんど各駅停車、特急の体を成していませんね。観光列車だからまあいいが…

P1050850

吉松駅では列車の到着にあわせて駅弁を売り歩いています。弁当を載せた台を肩からぶら下げる独特のスタイル…今や貴重な光景ですね。

P1050844

ここで「しんぺい」に乗り継ぎます。この列車は吉松と人吉を結ぶ1日2往復の観光列車で、下りが「いさぶろう」、上りが「しんぺい」と名づけられた普通列車。

P1050863

P1050846

「はやとの風」と同様の展望スペースを持つキハ47改造のディーゼルカーだが、こちらは昔の客車列車をイメージしたクラシックなインテリア。特急ではないので、観光列車にもかかわらず、一部は自由席になっています。地元乗客の利便を考えてのことでしょう。

P1050856

吉松を出た列車はずんずん勾配を登っていき、次の真幸駅でスイッチバックします。今回の旅で2回目のスイッチバックです。

P1050871

真幸駅を出て4つトンネルを抜けると、右側に視界が広がり列車がストップします。これが日本三大車窓と称される展望で、えびの盆地と霧島連山が見渡せるとのことだが、この日は曇り空で霧島連山は見えません。残念…

P1050875

全長2096mの矢岳第1トンネルを抜けると矢岳駅です。ここにはD51形蒸気機関車が展示してあって、運転台に登ることもできてちょっと嬉しくなる。蒸気機関車を運転して満面の笑みを湛えていた某国の国土交通大臣の気分ですね。

P1050879

ここからは下り勾配、路線はループ線になっています。これが有名な大畑ループです。写真の左側の遠くに写っているのが大畑駅。ここまでトンネルを挟んでぐるっと山を一周しながら下っていきます。この駅もスイッチバックになっていて、ループとスイッチバックの合わせ技で高低差を稼いでいるんですね。この駅には蒸気機関車時代の給水塔が残っていて、苦労して急勾配を制覇していた当時が偲ばれます。

P1050896

このあとはゆったりとラストラン。終着の人吉駅に着きました。九州横断特急に乗り継ぐ多くの乗客を見送り、ここで途中下車。市内のお店で大好物の鰻をいただく事にしました。

P1050899

人吉駅からは、今度はローカル列車、球磨川に沿ってキハ40形の単行で進みます。キハ40は国鉄型ディーゼルカーの最終形。この形式、大量生産されたにもかかわらず、重い車体に馬力の小さいエンジン…累積赤字で混迷の度を深めていった当時の国鉄を体現するように、設計思想も迷走してしまっています。現在、エンジンが載せ替えられて多少はパワーアップしているようだが、轟音のわりにはなかなか前に進まないような感じがします。

P1050922

車窓にはずっと球磨川が横たわる。昨夜の雨で球磨川の流れも激しくなっているようです。各駅停車でのんびり1時間半、ようやく八代駅に着きました。

P1050930

八代駅でいったん駅の外に出て切符を買いなおす。ここから肥薩おれんじ鉄道に乗り換えです。この鉄道、九州新幹線の部分開業以前はJR九州の鹿児島本線だったところ。ところが新幹線の開業による平行在来線廃止の方針に従って、八代から川内までが第三セクター化されたものです。肥薩線をローカル線に追いやった鹿児島本線も今やこの体たらく…悲哀を感じるなぁ…

P1050933

車両はHSOR100形。交流電化された路線を走るのにもかかわらずディーゼルカーです。交流電車は高価なので、敢えてディーゼルカーにしているとのこと。ならば架線も撤去すればいいのに…とも思うが、貨物列車があるのでそうもいかないようです。ともあれ、最新のディーセルカーは肥薩線のキハ40と違ってパワーもあって軽快。技術の進歩を感じます。

P1060039

この肥薩おれんじ鉄道に乗るのは一駅だけ。次の日奈久温泉駅で降りました。この駅から大型トラックの行き交う国道3号線の歩道のない路肩を、少し南へビクビクしながら歩いたところにある鄙びた街並み、ここが南熊本の古湯、日奈久温泉です。

続く…

<script type="text/javascript" charset="UTF-8" src="http://map.yahooapis.jp/MapsService/embedmap/V2/?lat=32.2233892514691&amp;lon=130.75566830211187&amp;datum=wgs&amp;z=10&amp;mode=map&amp;type=scroll&amp;pointer=on&amp;home=off&amp;hlat=null&amp;hlon=null&amp;fa=ks&amp;ei=UTF-8&amp;b=1&amp;n=10&amp;s=1267627358f972d530d586a353744427c16d8a2ed7&amp;width=320&amp;height=240"></script>

更新の励みです!下のバナーをぽちっとしてね
にほんブログ村 旅行ブログへ


美食と美湯・九州縦断バスと電車の旅(2)

2010-03-02 01:13:40 | ☆バスde温泉(九州)

美食と美湯・九州縦断バスと電車の旅(1)の続きです。

P1050511

長湯温泉を辞して、再び竹田交通の路線バスで豊後竹田駅を目指します。車両は日野レインボーの、来たときに乗った車両よりひとつ新しいタイプ…ただしこれでも相当ベテランです。

P1050368

車窓から九重連山の美しい姿が見えてきます。今日もいい天気でよかった。

P1050532

豊後竹田駅から「九州横断特急」に乗車します。この特急は別府から人吉を結んでいる観光列車で、日豊本線・豊肥本線・鹿児島本線・肥薩線を経由、九州を横断した上でさらに一部縦断する今や珍しい長距離列車です。

P1050533

車両は国鉄末期に登場した185系、元は四国で活躍していたが、リニューアルの上、九州に移転。木の質感を活かした車内は、国鉄時代の味気なさとは一線を隔しています。

P1050544

列車は阿蘇の外輪山の峠を越えてカルデラの内側へ、この峠のサミットが九州の鉄道で最も標高が高いとのこと。そして再度外輪山の峠を越えて急勾配を下っていきます。この下りの途中にある立野駅ではスイッチバックがあります。

P1050548_2

熊本で「リレーつばめ」に乗り換えます。車両は787系、今では鉄道車両デザインの第一人者として知られる水戸岡鋭治の、車両としては初期の作品です。

P1050552

車内は落ち着いた雰囲気で、登場以来20年近くになるが、いまだに古さを感じさせないのが見事です。

P1050551

熊本から新八代までの乗車時間は20分程度。まっすぐな路線なので最高速度でぶっ飛ばせるから実に速い。車窓から見える建設中の九州新幹線の高架橋、工事が仕上げ段階に入っているのが判ります。来年が楽しみですね。

P1050560

新八代駅では同一ホームで新幹線に乗り継ぐことができます。この800系は東海道・山陽新幹線の700系と同じ造作なのだが、こっちのほうがかっこエエ!

P1050556

車内も木目基調でゆったりしている。なんといってもABC-DEの1列5席ではなく、AB-CDの1列4席。贅沢です。新八代、鹿児島間もたった40分。車内でゆったりしている暇もないですね。

P1050611

鹿児島中央の駅前から鹿児島市電に乗って天文館へ。車両は1000形、ユートラムです。

P1050602

アルナ車両が開発した純国産の超低床車で3連接の特殊な形態。台車が前と後ろの運転台部分の車体に固定されている、実に独創的な構造です。ただし、これだと運転台部分は広々としているが、肝心の客席を大きく取れないですね。

P1050568

天文館は鹿児島最大の繁華街です。縦横に広がっているアーケードの商店街の中、ここの小さな喫茶店で最近になって全国的に知られるようになってきた鹿児島のローカルフードをいただきます。

P1050597

今夜の宿泊は、この繁華街の中にあるビジネスホテル、チサンイン鹿児島です。都心での宿泊なら狭くとも寝れたらいい。どうせ温泉もないんやからね。ホテルに荷物を置いて、夜の鹿児島市内に繰り出します。夕食も鹿児島の地のもんを…

P1050618

翌朝は鹿児島市営バスの観光路線・鹿児島シティビューに乗って城山に登ります。車両はクラシックな市電をイメージして改造したようで、ベースは日野レインボーのようです。

P1050621

それにしてもデザイン優先のこの車体、運転台が狭くて運転士が気の毒ですね。

P1050629

西郷隆盛が最後に立て篭もった城山からは、鹿児島市内と錦江湾を挟んで桜島が一望。ぽくぽく立ち昇る噴煙がのどかです。海に浮かんでいるのは、どうやら自衛隊の潜水艦のようです。

P1050652

再び鹿児島シティビューで鹿児島中央駅へ。駅建物内の大型ショッピングセンターでお弁当を買って特急「はやとの風」に乗り込みました。この車両、キハ47を改造して観光列車に仕立て上げたもので、漆黒の車体が精悍ですね。

P1050654

車内は、これも木質の風合いを活かしたもので、車体中央には展望スペースも設えられています。

P1050656

P1050659

お弁当は鯖寿司とさつま揚げ。鯖は脂が乗ってて実に旨い。さつま揚げは鹿児島らしい甘さです。

P1050668_2

車窓からは桜島と錦江湾が一望。陽光にきらめく海面から、突如イルカがジャンプしたんですよ、ウソみたい…だが、カメラが間に合わなかった…

P1050693

隼人駅を過ぎると、列車は日豊本線から肥薩線に入ります。とともに、海の景色から山の景色に変わってきます。急勾配を登っていく途中、列車は嘉例川駅で小休止。

P1050689

この駅は明治時代の木造駅舎がそのまま残っていて、乗客のほとんどがいったん降りて、記念撮影しています。10分ほどの小休止で列車は出発するが、今日はここで途中下車、列車を見送ります。

P1050816

列車の到着にあわせて、鹿児島空港からのバスが到着しました。その名も「温泉バス」!!妙見温泉の旅館組合が運行するこのバス、運転士は南国交通からの派遣だそうです。15分ほどの乗車で、バスは妙見温泉の旅館街に近づいてきました。

P1050810

旅館街の対岸、何の変哲もない雑木林のなかに控え目な看板があります。ここが今夜の宿、田舎の趣を見事に醸し出した有名旅館です。

続く…

<script type="text/javascript" charset="UTF-8" src="http://map.yahooapis.jp/MapsService/embedmap/V2/?lat=31.767386207945506&amp;lon=130.5352639191301&amp;datum=wgs&amp;z=10&amp;mode=map&amp;type=scroll&amp;pointer=on&amp;home=on&amp;hlat=31.596765324833&amp;hlon=130.55723657538&amp;fa=ks&amp;ei=UTF-8&amp;b=1&amp;n=10&amp;s=1267460004f972d530d586a353744427c16d8a2ed7&amp;width=320&amp;height=240"></script>

更新の励みです!下のバナーをぽちっとしてね
にほんブログ村 旅行ブログへ


美食と美湯・九州横断バスと電車の旅(1)

2010-02-24 22:55:10 | ☆バスde温泉(九州)

今までの「バスde温泉」はたいがい1泊か、せいぜい2泊。少ない日程でできるだけ効率的に温泉を巡っていました。ところが今回、勤続20周年のリフレッシュ休暇をいただけることになったので、この際、初めての長期旅行をやってみることにしたんです。これだけ日にちがあるのなら、国外の南の島でリゾート気分を…とも考えてはみたが、そこはやはり「バスde温泉」、6泊7日の日程で温泉大国の九州を探訪してみることにしました。

P1050298

旅のスタートはやっぱりバス。阿倍野から空港バスに乗って、まだ明けきらぬ早朝の伊丹空港につきました。車両はふそうのシャーシに西日本車体工業製のボディを装荷したもの、大阪空港交通では主流です。

P1050306

乗機するのは今何かと話題のJAL。写真では地上の胴体後部だけ見えているボーイング737です。このボーイング737は世界で最も大量に生産された旅客機で、初飛行は1967年の、かなりのロングセラー。ただし今の機種737-300は当初の機体とはまったく別のものといっていい、最新のエレクトロニクスに纏われたハイテク機です。

P1050308

伊丹を飛び立つとすぐに明石海峡大橋が見えてきました。このまま瀬戸内海上を縦断します。

P1050314

美しい山並みが見えてきました。阿蘇です。直後に飛行機が着陸態勢に入り、そしてすぐに熊本空港に着陸しました。

P1050322

熊本空港からは九州産交バスと大分バスが共同運航する「やまびこ号」に乗ります。このバスは熊本市内と大分市内を、途中、熊本空港や阿蘇を経由しながら結ぶ都市間バスで、九州の中心部を横断する国道57号線を走破します。空港でこのバスを待っていたら、バス乗り場のスタッフから到着がかなり遅れると告げられました。なんでもバスが途中で故障したので車両交換するとのこと、旅の初っ端からトラブルとは…先が思いやられるなぁ…

P1050523

30分以上送れて現れた車両は日野セレガの旧タイプ。なるほど、かなりの古参車両。これなら故障もうなずけますね。

P1050521

阿蘇の山並みを、今度は地上から眺めながら外輪山の峠を越えると、大分県の竹田市です。ここで少しだけ国道を離れ、JRの竹田駅前、竹田温泉花水木BSに到着、ここでバスを降りました。

P1050352

竹田は山間の小京都、しっとり落ち着いた街ですね。ここには滝廉太郎が少年期を過ごした屋敷が記念館なっています。荒城の月のモデルとなった岡城に至る街道沿いにある料理店で昼食です。

P1050364

竹田駅前から、今度は竹田交通の路線バスで長湯へ向かいます。バスは日野のレインボー。スケルトンボディーの嚆矢となったタイプで、今や都心では見ることのできない、かなりの旧タイプ。途中、九重連山の美しい姿を見ながらおよそ30分、終点の長湯温泉に着きました。

P1050510

長湯は豊富な流出量を誇る温泉で、日本随一の炭酸泉で知られています。今夜からここで2泊、プチ湯治です。

P1050446

翌日は町内の温泉めぐりです。狭い範囲に温泉がいっぱい。それとともに湧水もあちこちにある。実に水に恵まれた地域ですね。これならバスを使うまでもない、全部徒歩で巡りきれます。

P1050380

そして今夜の宿もここ。料理は初日と違ってダイナミックです。

続く…

<script type="text/javascript" charset="UTF-8" src="http://map.yahooapis.jp/MapsService/embedmap/V2/?lat=32.97881477384794&amp;lon=131.25933594785212&amp;datum=wgs&amp;z=10&amp;mode=map&amp;type=scroll&amp;pointer=on&amp;home=on&amp;hlat=32.988030414724136&amp;hlon=131.38018555722704&amp;fa=ks&amp;ei=UTF-8&amp;b=1&amp;n=10&amp;s=1267019671f972d530d586a353744427c16d8a2ed7&amp;width=320&amp;height=240"></script>

更新の励みです!下のバナーをぽちっとしてね
にほんブログ村 旅行ブログへ