バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

初夏の北陸・地方私鉄とバスの旅(2)@福井

2010-03-17 23:07:11 | ☆バスde温泉(北陸)

初夏の北陸・地方私鉄とバスの旅(1) @福井の続きです。

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東尋坊から三国港へは京福バスの、今度は中型レインボー。三国港まで海沿いの漁村を走ります。

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岬ぃー巡りのぉー…バスはぁー走るぅー。。。いい気分だ。

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三国港駅から乗った電車はこれ。関西人なら見覚えのある車両ですね。そう。色は変わっているが元は阪神電車です。京福電鉄時代には比較的新しい車両だったが、旧型車が一掃された今では最古参で、さすがに古さは隠せない。それでもいつまでも走ってもらいたい車両です。

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車内は更新されているものの、どこか懐かしさを感じてしまいます。今度はアテンダントが乗っていない純粋のワンマン運転。三国港から乗る乗客はワタシひとりだったが、次の三国駅からは大勢の高校生が乗り込んできました。

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田園地帯は田植えも終わった様子。遠くににょきにょきと建つホテル群が見えると、ここが芦原温泉です。ここ芦原温泉は明治16年開湯の比較的新しい温泉で、田んぼの灌漑用に井戸を掘ってたら突如お湯が湧いてきたとのこと。

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翌朝は駅前からバスに乗ってJRの芦原温泉駅へ。現れたバスは昨日、東尋坊への車と同じ。

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芦原温泉駅で永平寺行きのバスに乗り換えます。福井観光のもうひとつの定番、永平寺を目指すことにしました。ところが接続が悪く1時間近くの待ちが…退屈しながら長い間待って、ようやく現れたバスは、これまた昨日乗った車と同じ。バスはあわら市、坂井市の田園地帯をひたすら走ります。丸岡の町内に入ったときにチラッとだけ丸岡城が姿を見せます。このバスのルートは昭和40年代まで京福電鉄が走っていたルートで、丸岡のバス停ではいかにも駅の跡といった風情です。

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歴史を感じさせる駅舎で知られる永平寺口駅でえちぜん鉄道からの乗り継ぎ客を乗せ、ここから山道に入ります。

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バスは曹洞宗大本山の永平寺の門前に着きました。ここから寺内まで、歩く距離は僅かです。直近まで寄れるのはバスだから。ここまでマイカーで来た人は、駐車場を探してうろうろする羽目に陥っています。

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門前で500円の参拝券を買い、近代的な建物の中にある受付の僧侶に渡します。これで入山です。

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参拝する前に、僧侶から仏閣の配置や参拝の心得など、簡単なレクチャーを受けます。心得は「僧侶に直接カメラを向けるな」とか「この場所ではフラッシュを焚くな」とか「立ち入り禁止の場所には入るな」とか、常識的なことばかり。逆に、その常識すら守れないヤツらがいるのかと…レクチャーの最初と最後はもちろん合掌。神聖な空間に入り込んだことを実感します。

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ただひたすら座禅することだけが修行ではなく、ここでの生活すべてが修行とされています。とはいえ、もうすぐ昼食の時間、長い回廊を歩く修行僧の表情も柔和です。

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僧侶のレクチャーの中で印象的な一言…「ここでは観光気分をいったん置いて、修行者の気持ちになることによって、この参拝が心に残るのです。」
確かにっ!

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禅宗ではトイレのことを東司(とうす)と呼ぶそうで、この東司も重要な精神修行の場だそうな。トイレは決して「御不浄」ではないのですね。

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このポスターも耳が痛いな。「無明なる酒を飲まないとみずからに誓います」
そう…だよね…酒は飲んでも飲まれるなってことでしょうか。ワタシに直接語りかけているようなこの一言、いままでの度々の無明に「カツ!」の一言。嗚呼…

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門前は土産物屋が林立しています。平日なので、店員もヒマそう。しかし、観光バスが到着する度に、ここぞとばかりに呼び込み合戦を繰り広げています。なのに一人で歩くワタシには誰一人呼び止めようとしません。金にならん客を見極めるのは上手ですね。

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永平寺からは福井駅直通のリムジンバスが便利です。一部、自動車専用道を走るため、30分を切る速さ。京福電鉄の永平寺線が廃止されるのも肯けます。

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福井ではぜひとも経験しておかなければならないのは、この地のご当地グルメを代表する「ソースかつ丼」。このソースかつ丼の発祥の店として知られるヨーロッパ軒を訪れました。ところがご覧のとおり定休日。

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仕方がないので別のお店を探します。うろうろして、ようやく見つけたのがこの小川家で、店は大手牛丼チェーン風のつくりです。

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卵でとじてある一般的なものと違い、目の細かいパン粉で包まれたカツに、ウスターソースを潜らせてご飯に盛ったもの。ソースと揚げ油によってご飯がテカテカになって余計においしそうに見える。ただ、味はまったくの想像どおりで目新しさはない。しかも味が一定なのでだんだん飽きてくる。まあ、これが本気で美味けりゃ全国に普及しているはずだが…

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福井駅からサンダーバードで帰ります。今度は琵琶湖側の席を取ることができました。高架になった福井駅のホームも新しくてきれい。しかし、この風景、なぜか見たことがあるな!
必死で思い返してみて、気づいたのが金沢駅。全く同じような光景です。画一的なデザインはどうかと思うが…

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敦賀を過ぎてすぐにループ線でぐんぐん登っていき、サミットを過ぎたら琵琶湖が見えてきました。初夏の琵琶湖はのどか。太湖の眺めを楽しんでいたらもうすぐ京都。意外に福井は近いんだ…

  • 訪問日:2007年6月4~5日
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初夏の北陸・地方私鉄とバスの旅(1) @福井

2010-03-16 00:29:46 | ☆バスde温泉(北陸)

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もうじき梅雨だというのに天気がいい。かねてより極端な雨男のワタシだが、最近ピーカンに当たることが多くなってきました。そういえば最近急速に体が衰えていている。体が弱っていて本来の雨男パワーが発揮できないようですね。北に向かうときの恒例、近鉄特急に乗って京都に来ました。ここからJRの特急「雷鳥」に乗り込みイザ北陸へ。

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どうせ「雷鳥」に乗るなら琵琶湖側に座りたいところ。自動券売機で座席指定を取るとき、希望の座席が選べるようになってはいるが、どちらが琵琶湖側か判りません。ままよっとボタンを押し購入。しかし乗ってみると見事にハズレ。それでも比良山地が美しい姿を見せてくれたのでまいっか。

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近江塩津からはこのまえ直流化されたばかりの区間。一気に峠を下ると敦賀です。ここで普通電車に乗り換えます。ホームで待っていると丁度上りのトワイライトエクスプレスが到着しました。お金と時間があれば、いつかは乗ってみたいなぁ…

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電車は直流化に伴って投入された521系、真新しい車両です。発車して間もなく、気づかぬうちにデッドセクションを過ぎ、トンネルに入ります。北陸トンネルです。今やここより長いトンネルはいくらでもあるが、ほとんどが新幹線なので通過も早い。しかしここは在来線なので長さが実感できます。

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長―いトンネルをようやく抜け、プラットホームだけの無人駅、南今庄に停車。トンネルができるまではここまで延々続く勾配区間でした。今でも廃線跡が残っているようです。そして、次の今庄駅で途中下車します。

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今庄は静かで小さな北国街道の宿場町です。北陸トンネルができるまでは国鉄の拠点だったところ。急勾配で、しかも冬には大雪に見舞われる中山越えのための補助機関車をつけたり、除雪をするため、多くの国鉄職員がここに住んでいました。職員や連結作業を待つ乗客の胃を満たすため、この駅では蕎麦屋が繁盛したとのこと。

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トンネルができてからは補機や除雪がなくなり、特急も停まらず、職員もいなくなるとともに、駅から蕎麦屋も消えました。しかし、もともと蕎麦が名産のこの地のこと、名残の蕎麦屋が生き残っています。

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今庄から再びローカル電車に乗り、武生を目指します。今庄駅の狭いホームに着いたのは419系。この電車は昭和40年代、一世を風靡した寝台電車581系のなれの果てです。輸送力増強に追われる当時の国鉄では、車両を大増産したものの車両基地の整備が追いつかない。そこで国鉄の担当者は考えた。「車庫がないなら電車を昼夜走らせてしまえ!」

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こんな大胆な発想から生まれた581系は、昼間は座席車として、夜間は寝台車として北は青森から、南は鹿児島まで、日本全国をモーレツ社員のごとく駆け回りました。日本の高度成長時代を体現するような車両ですね。時代が移り、国民の生活が豊かになって、高速道路や飛行機を使うようになってくると、こんな窮屈で辛気臭い車両がだんだん敬遠されるように…そして国鉄の崩壊とともに、短編成のローカル用に改造されることになりました。しかし、低予算でやっつけの工事のため、「食パン」と揶揄されるこんなヒドイ姿になってしまいました。福知山の113系3800番台と並ぶ「お化け電車」です。

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車内にはつり革が取り付けられ、一部ロングシートになっているが、寝台も撤去されることなく残っており、工費を抑えた改造になっています。4人対面シートは特急時代のまま。さすがに急行型よりゆったりとはしているがリクライニングはなく、当時これでも特急料金を取っていたのだからオドロキ。知らぬ他人同士が上野から青森まで、新大阪から博多までここで過ごすのは辛かろう。

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武生で降り、ここから福井鉄道福武線の武生新駅へと歩きます。福井鉄道は北陸に残る貴重なローカル私鉄のひとつで、名鉄の系列会社です。武生新と福井新の間は鉄道線。福井新から先、福井市内は併用軌道となっています。

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最近まで古い車両が多かったのだが、名鉄美濃町線が廃止になったため、そこを走っていた比較的新しい車両が流れてきました。さらに2005年の岐阜市内線の廃止により、そこのノンステップの最新車両まで流れてきた。岐阜では残念なことになったが、ここではがんばってほしいものです。

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鉄道線は線路の保守まで手が回らないのか、実によく揺れる。流されてきた美濃町線の路面電車タイプの車両に合わせて、ホームのかさ下げも行なわれています。鉄道から軌道への格下げは富山ライトレールの先鞭ではないでしょうか。福井新の手前、花堂から複線になり、次の福井新を出たところで併用軌道となります。

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従来からここを走っている車両は、ステップがついているものの、普通の鉄道車両で、自動車に混じって道路を走る様は違和感がある。しかし小型の名鉄車両なら町になじんでいると思います。

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市役所前でスイッチバックして福井駅前へ分岐している通称ヒゲ線に入ります。福井新から福井駅前まで、専用橋を渡るための信号とか、スイッチバックとか面倒くさいことだらけで、かなりの時間を要してしまいます。これでは自動車に勝てないので速やかな改善が必要では?

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福井駅は高架工事が完了して白い真新しい駅となっています。駅前整備はこれからのよう。
福井鉄道をここまで延ばす計画もあるようです。それにしても人、少な!

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福井駅の南側では北陸新幹線の工事がたけなわです。駅部分だけの先行工事のようで、着工には政治決着があったとのこと。ここから金沢・長野を経由して東京に直結するようだが、こんなに人の少ない福井と結んで、はたして乗客があるのでしょうか。

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えちぜん鉄道で福井観光の定番中の定番、東尋坊へ行ってみることにしました。えちぜん鉄道は、たびたび引き起こした列車事故によって、長期の運休を余儀なくされた京福電鉄の跡を継いで運営を開始した第三セクターの鉄道です。この福井駅は新幹線工事が終わるまでの仮駅舎のようです。

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えちぜん鉄道となった今、車両の多くも入れ替わりました。現在の主力は6100形。愛知環状鉄道のお下がりをリニューアルしたもので、車齢も若い。

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福井駅を出発した電車は、すぐに福井口駅に着きます。この駅は海に向かう三国芦原線と、山に向かう勝山永平寺線との分岐点。東尋坊へは三国芦原線です。

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セミクロスシートに身を沈めて車窓を眺めていると、女性の声でアナウンスがある。たった1両での運転なのに、今日び珍しい車掌つきか??しかし、アナウンスをよく聞くと、車掌ではなくアテンダントとのこと。無人駅で料金の収受や、案内放送を行ったりするが、ドアの扱いはしていません。運転やドア扱いや、八面六臂の運転士に比べて、たいそうヒマそうです。それでも、なじみのお年寄りと会話を交わしたり、小学生の宿題を看てやったりと地域になじんでいて、昔日ののんびり感をかもし出しています。

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終点の三国港からバスに乗り換えるつもりだったのだが、この時間はあわら湯のまち駅でバスに乗り換えるほうが便利とのこと。アテンダントの情報が役立ちました。あわら湯のまち・三国港間の運賃は無駄になるが、再生に懸けるえちぜん鉄道へのお布施と思って諦めます。
JRの「芦原温泉」駅を出発したバスは、この「あわら湯のまち」でワタシのほか数人を拾って東尋坊を目指します。現れた京福バスはふそうの2ドアロマンスシート。左側の座席に座ったら、残念!またまた海と反対側でした。

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「チャララッ…ッチャラ・チャーラーーー」
火曜サスペンスのラストシーンでおなじみの東尋坊は、自殺の名所でもあるところ。断崖まで近寄ることができるが、当然ながら柵はなく、足を滑らすと大変なことに。恐る恐るカメラを構えるが、吸い込まれそうになります。

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しかし、貧相なオヤジ独りでこんなところをうろうろしてたら、周りからの視線が痛い。いかにも観光客といった風に写真を必要以上にパチパチ撮っていました。

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東尋坊タワーは工事中のようだが、登ることはできます。展望台からは遠くに三国港が見えるが、肝心の東尋坊は、ここからは見えません…

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しかも空調を止めているのか、ガラスで囲われた展望台はたいへん暑い。早々に退散しました。それにしても、ここも人、少な!

続く…

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雪の北陸・温泉三昧バスの旅@石川

2010-03-13 23:57:48 | ☆バスde温泉(北陸)

正月が過ぎ去り、世間がようやく平常に戻りつつあるこの頃、大寒波が関西を襲ってきています。こんな寒いときには、いっそ、すこぶる寒いところで温泉に浸る幸せを味わいたいなぁ…

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そんな訳で、雪の北陸・加賀の温泉を巡ってみることにしました。朝の9時過ぎ、大阪発の特急雷鳥に乗り込みます。はい、特急サンダーバードではなく、敢えて旧型・485系で運行している雷鳥なのです。先ごろ新聞発表で、JR西日本は新型車量を導入して、この485系を雷鳥から引退させるようです。でもまあ、いまだに大阪環状線に103系を走らせているJR西日本のことだから、廃車せずにどこかのローカル線で朽ち果てるまで使い切るに違いないが…

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この485系の車内は、手入れされているとはいえ、灰皿の跡があるなど、ところどころに昭和臭が感じられる。また、コンプレッサーが作動すると床下からガタガタ振動が伝わってくるなど、さすがに古さは否めない。それでも走っているときは、実に重厚感ある乗り心地で、ひょっとしたらサンダーバードの683系より優れているような気がします。今の軽量ボルスタレス台車と違って、重々しい国鉄型台車を履いてるからでしょうか。

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列車が京都を過ぎて湖西線に入ると早くも銀世界。雪の比良山と陽光に輝く琵琶湖がきれいですね。敦賀を過ぎるとすぐに北陸トンネル。武生、福井、芦原温泉に停まったあと、加賀温泉駅に到着。ここで降ります。

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駅を降りると、旅館の旗を持った迎えのオヤジたちがウヨウヨ。久しくこんな光景は見なかったな。駅前のショッピングセンターの中にある観光案内所で情報収集。この駅から加賀温泉バスで山代温泉に向かうことにしました。バスは日野ブルーリボンの古いタイプ。フロントグリルに特殊なパネルが取り付けられていて異質な印象、この加賀温泉バス北陸鉄道の分割子会社だそうです。

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バスはこの後、山中温泉に向かっていきます。山中温泉には以前(2006年2月6日)このバスで訪れたことがあるので今回はパス。そのときは、さらに山中温泉のバスターミナルから加賀温泉バスの特急バスに乗り込み、金沢に向かいました。この特急の車両は日野のセレガでした。

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山代温泉からCANBUSに乗ります。車両はいすゞのエルガミオ。このCANBUSは加賀温泉郷に点在する温泉地と観光名所を巡回する観光周遊バスで、観光案内所で周遊券を購入する必要があり、一日券が1,000円。二日券は1,200となっています。観光案内のパンフ類が入った封筒を運転士に見せるだけで何度でも乗降できる方式で、コースは山代温泉方面の「山まわり」と片山津温泉方面の「海まわり」があり、加賀温泉駅を要にして8の字に運行。日本海観光バスと加賀温泉バスに委託されているようです。

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北陸の名刹、那谷寺を経由。雪が激しく降っていて、あまりの寒さにここはパス。どんなんだか判らないけど、温かそうだからという単純な理由で自動車博物館に降りてみました。

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館内に入ると…もう圧巻の一言。昔の高級車から大衆車、商用車、もちろんバスまで…時間を忘れて見惚れてしまいました。

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再びCANBUSに乗って加賀温泉駅に戻ります。今度は日野リエッセです。

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加賀温泉駅からは北陸本線で2駅先の粟津駅へ。車両は今や珍しくなった急行型電車の475系です。昔は長大編成で大阪と北陸を結ぶ急行電車で活躍していたのだが、今や短編成のローカル列車。典型的な国鉄スタイルがノスタルジックですね。

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粟津駅からバスに乗ろうとするが、温泉行きのバス停がない。どうやら温泉へは駅前ではなく旧国道にあるバス停から乗るようなのだが、場所もはっきりせず、雪で足元も悪いし、だんだん暗くなってくるし…で、やむなくタクシーで向かうことにしました。10分ほどで温泉街に着きました。ここも鄙びた雰囲気でいい感じですね。

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翌朝、総湯の前の粟津温泉北口BSから小松バスで小松駅に向かいます。車両は日野ブルーリボンⅡです。いすゞのエルガミオのOEMですね。見分け方はヘッドライトの違い。エルガミオが縦並びの4灯なのに対し、ブルーリボンⅡは2灯になっていること。

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この小松バスは小松駅を中心に路線を展開するバス会社だが、かつての社名は尾小屋鉄道。そうです。日本で最後まで残った(1977年)非電化の軽便鉄道として、あまりにも有名ですね。

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小松駅からは特急サンダーバードで短区間の乗車です。雪まみれで真っ白になった白山が車窓に見ながら再び加賀温泉駅へ。駅からはもったいないけどまたまたタクシーで片山津温泉に向かいます。例のCANBUS、「海まわり」で行けなくはないが、ぐるっと大回りするのでかなり時間のロスになるんですね。

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温泉から駅までは、今度はCANBUSが使えます。車両は日野リエッセ。

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加賀温泉駅で駅弁を仕込み、今度こそホンマモンのサンダーバードに乗って、帰途につきました。やっぱり新しい車両は居住性がいいなぁ…なんといってもシートが格段によくなっている。

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シートで駅弁を広げます。加賀名物の笹寿司です。上品な味付けでウマウマ!お腹が大きくなったら、すぐに睡魔に襲われました。シートがいいのでつい…気づけば京都、ぐっすり眠ってしまったようです。

  • 訪問日:2009年1月12日・12日

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