JR久大本線の日田駅から歩いて20分ぐらいのところ、日田市市街地の北部の花月川沿いにある豆田町は伝統的な商家が集まった国の重要伝統的建造物群保存地区です。ここの街中に、水に恵まれた日田ならではの鰻のお店があります。
風致地区に似つかわしい建屋の暖簾をくぐると、鰻の寝床のように細長い店内にテーブル席がズラーッと並んでいます。また、2階には座敷もあるようです。ここは玖珠川の畔にある旅館「日田の宿よろづや」が運営しているとのこと。
さっそくここの名物、日田まぶし(2,100円)をお願いしました。これはいわゆる櫃まぶしを日田風にアレンジしたもので、櫃まぶしと同様、最初は鰻単体で味わい、その後は薬味を組み合わせて変化を楽しみ、最後にお出汁を足してお茶づけ風に味わうというものです。
期待に胸膨らませてお櫃の蓋をあけると、綺麗に敷き詰められた鰻が見事。蒸しの工程が入っていない地焼ながら、背開きになっています。さっそく鰻重としていただいてみると、かなり歯応えがある。しっかり焼かれて脂が落ちている。鰻というよりお肉を食べているかのようです。それにしても堅いな。
次は薬味とともに。薬味は山葵と葱、柚子胡椒、大根おろしです。パンチの効いた柚子胡椒こそ、この主張の強い鰻にピッタリですね。でもこの堅さが食感の印象を悪くさせてしまう…
最後に土瓶のお出汁を入れて茶漬け風に。ここで味わいが一変。この堅さはこの茶漬けのためやったんや…お出汁が鰻の身をほぐして急に食感がよくなります。それとともに、いささか焼きすぎの感があったのが、今度はスモーキーで芳醇な味わいに変わりました。なるほど、これが人気で多くのお客さんが集まってくるんですね。実にいい経験をさせてもらいました。
- 営業時間:11:00~20:00
- 定休日:無休