バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

熊野本宮温泉郷

2019-07-02 08:11:44 | 温泉(和歌山県)
平安時代の中期から鎌倉にかけて、本宮・新宮・那智の熊野三山への信仰が高まり、「蟻の熊野詣」と例えられるほど切れ目無く、しかも貴賎男女の隔てなく多くの人々が熊野を参詣したと伝えられています。

参詣者の多くが歩いたとされる熊野参詣道・中辺路では、命がけの難行苦行の道程を経て、最初にたどり着くのが熊野本宮大社です。

熊野本宮大社にほど近いところにある熊野本宮温泉郷・湯の峰温泉は、古くから熊野詣の旅人達にとっての湯垢離と休息の場として知られていました。

温泉街の中心地には天然の岩風呂である「つぼ湯」があり、このつぼ湯こそ「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一部として、温泉としては世界で唯一、世界遺産登録がなされています。

熊野本宮温泉郷ではほかにも、川底を掘ればたちどころにお湯が湧く極めて珍しい温泉である川湯温泉や、西日本随一の広さを持つ露天風呂の渡瀬温泉など、特徴的な温泉に恵まれています。

古来から連綿と続く長く厳しい祈りの旅を経て、ようやく癒しと蘇りの湯に浸かる喜び…熊野本宮温泉郷は交通が発達した現代に暮らす私たちにも、その喜びの一端に触れさせてくれるはずです。

湯の峰温泉

川湯温泉

渡瀬温泉
広大な敷地にタイプの異なる三つのホテル(ホテルささゆり、ホテルやまゆり、ホテルひめゆり)と共用の大露天風呂からなるリゾート施設。主に関西圏でホームセンターを展開しているコーナンの関連施設です。

湯の峯荘(温泉)@湯の峰温泉

2019-06-29 16:23:11 | 温泉(和歌山県)
熊野交通、龍神自動車、奈良交通の各バス路線で下湯峰BS下車、目の前の坂がこの旅館の私道で、この坂を登ったところに旅館が現れます。

湯の峰温泉の温泉街から少し離れた丘の上に位置し、鉄筋コンクリートの建物を持つ湯の峰では最大の温泉旅館です。

この旅館、以前は南海電鉄グループの運営だったのだが2002年に閉館。その後、旅行会社の社員有志が退職金を持ち寄って購入、運営を引き継ぐことになったとのこと。

それだからかどうかわからないが、大きい旅館にもかかわらず家族的な雰囲気が漂っています。その辺りが気に入って、湯の峰に泊まる際の定宿にしています。

湯の峰の温泉水を活用した料理の詳細は食べログで。

この旅館にはふたつの大浴場がありそれを男女別にしているが、22時を持って男女を入れ替えるので、どちらの大浴場も楽しめます。

それぞれ露天湯も設けられていて、広い敷地を活かして浴場も広々。その解放感とともに、満たされているお湯もすべて源泉掛け流しです。

関西では珍しい高温泉を誇る湯の峰温泉のこと、大浴場では加水するため大量の湯の花が舞っています。一般的に湯の花があるのは濃厚なお湯である現れなんだが、地中から直に湧き出した最上級の温泉では、湯の花を形成する暇が無く、湯の花も見られません。

なので源泉に直近のつぼ湯やくすり湯では湯の花が多くないのですね。しかしながら、大量の湯の花があったとしても、こちらもものすごくハイレベルなのには違いない。

大浴場とは別に2室の貸し切り湯があり、ここでは加水なし、源泉そのままのお湯が満たされています。濃厚で新鮮なお湯なので、つぼ湯と同様の湯垢離を実体験できます。

世界遺産のつぼ湯なら、入浴するのに1時間待ち…といったことが常態化しているが、こちらは1回20分と時間制限があるものの、空いてる日には他のお客が現れない限り延々浸かることができます。

しかし、この濃厚なお湯のこと、長湯をすれば湯あたりすることもあるので注意が必要です。

以前はそれほど混むことのない静かなお宿だったが、最近は熊野古道を訪れる外国からの旅行客が激増したため、予約を取るのが難しくなりつつあります。日本の旅館や温泉の良さを知る外国人が多くなるのは嬉しいことです。

・場所:奈良交通、熊野交通、龍神自動車・下湯峰BS
・泉質:含重曹硫化水素泉 92℃
・訪問日:2019年2月26日

あづまや@湯の峰温泉

2019-06-29 16:07:56 | 温泉(和歌山県)
熊野交通、龍神自動車、奈良交通の各バス路線で湯の峰温泉BS下車して目の前のところ。湯の峰温泉の由緒である東光寺の小さなお堂の小川を挟んで対岸にある旅館です。

老舗の風格が漂よう湯の峰温泉を代表するこの建物は、フランスの作家アンドレ・マルローが「これぞ日本の宿」と絶賛した旅館。日本の有名な温泉評論家の多くも大絶賛の、すこぶる有名な旅館です。

木造の浴室は大正時代の築造とのこと。槙の浴槽も湯を含んでなめらか。そして乳白色の湯は芳しい温泉臭を放ちます。


成分の濃い湯の峰温泉のこと、浴感は強力だが、古木に包まれているせいか、緩やかな時間が流れている感じがします。

小さい浴槽は「さまし湯」で、独自の手法で加水せずに適温にしているらしく、こちらはさらに濃厚。ワインに例えるならフルボディのボルドーでしょうか。

ここの料理も絶品。温泉の湯の風味を料理に生かしています。鮎の塩焼きや熊野牛のしゃぶしゃぶが超美味!しゃぶしゃぶの湯はもちろん温泉水で、やはりここの個性的なお湯は料理には最高ですね。

この旅館、多少値が張るので、正直、ひとり旅にはもったいない。湯の峰温泉にはかなりリピートしているが、ここには1回しか泊まったことがありません…

・場所:奈良交通、熊野交通、龍神自動車・湯の峰温泉BS
・泉質:含重曹硫化水素泉 92℃
・訪問日:2005年11月14日

亀屋旅館@川湯温泉

2019-06-29 15:16:55 | 温泉(和歌山県)
和歌山県の川湯温泉は河原を掘ると温泉がポコポコと湧いてくるという、関西ではおそらくここだけの珍しい温泉で、エメラルド色の大塔川で温泉浴を兼ねて水遊びを楽しむこともできます。

奈良交通、熊野交通、龍神自動車の各路線バスで「かめや前」BSで下車して目の前、亀屋旅館は家族経営の小さな、しかしかなりの老舗旅館です。

重厚な母屋は昭和初期に建てられた木造2階建ての和風建築で、平成20年3月に国の有形文化財に登録されたとのこと。何よりも目の前のバス停が「かめや前」となっているのが老舗であることの証左です。

旅館のお料理は薬膳料理です。料理の詳細は食べログで。

この旅館の温泉は自家源泉。高野槇の浴槽に澄明なお湯が掛け流されています。湧き出たばかりのお湯が掛け流されているので浴槽の中はけっこう熱い。ほんのり匂いたち微発泡です。

すぐ近くの湯の峰温泉に比べたら個性に欠けると感じるが、浴感がマイルドなので湯あたりは起こしにくいし、微炭酸なので保温効果もある。これは湯治に丁度いい湯質ですね。

本当の川の中から湯が湧いてくる野趣を味わいたいなら、各旅館が目の前の川原に掘っている専用露天風呂がいい。川底から湯がプクプク沸いてきて、ときどき熱い湯が身体に当たってびっくりするのも楽しいですね。

しかし川の中では泉質を実感することはできません。やはり温泉は旅館のお風呂のほうがじっくり味わえます。

川面に隣接するこの旅館の宿命として、台風や大雨で大塔川が増水すると、頻繁に浸水してしまうことです。関西を襲った2018年8月の台風20号では1階の床上1.8メートルまで浸水し、営業できなくなってしまいました。

クラウドファンディングにより復旧費用をかき集めて、ようやく翌年3月に一部ではあるが営業再開に至ったところです。クラウドファンディングが成功するというのは、よほどこの旅館のファンが多いのでしょうね。

・場所:奈良交通、熊野交通、龍神自動車・かめや前BS
・泉質:ナトリウム・炭酸水素塩・塩化物泉 63℃
・訪問日:2016年2月26日

川湯温泉公衆浴場@川湯温泉

2019-06-29 13:56:20 | 温泉(和歌山県)
川湯温泉は和歌山県田辺市本宮町。熊野川の支流 、大塔川の川べりに中規模・小規模の旅館や共同浴場が軒を連ねています。

世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に位置付けられた熊野古道一帯に位置し、熊野本宮大社や、最古の温泉のひとつの湯峰温泉にもほど近いため、熊野観光の拠点にもなっています。

ここは河原を掘ると温泉がポコポコと湧いてくるという、関西ではおそらくここだけの珍しい温泉で、エメラルド色の大塔川で温泉浴を兼ねて水遊びを楽しむこともできます。

冬になれば川岸をせき止めて、水着で入れる「仙人風呂」が拵えられ、家族連れやカップル、そして最近急増してきた欧米系の外国人に大人気です。

しかし、独り旅でこの嬌声のなかに混ざるのは意外に気が引ける。でも大丈夫。無理して川に入らなくても、ここには地域の共同湯があります。

川湯温泉BSの近くの川縁に建つこの共同湯は、コンクリート造りのいかつい姿で少々殺風景。しかも、壁に描かれた温泉マークはいささかキッチュです。

しかし、浴室に入るとうっすらと温泉のいい匂いが室内に充満し、やや小さめの浴槽に蛇口から清澄なお湯が掛け流されています。

僅かに湯の花が漂うお湯は、口に含んでも無味無臭。実にあっさりとした泉質で、悪く言えば無個性。しかし、少しヌルっとした肌触りは良好です。

この周辺の十津川や湯の峰といった個性的な泉質の温泉と比べたらいささか印象の薄い感があるが、単体ではかなり上質な温泉だと思います。

・場所:奈良交通、熊野交通、龍神自動車・川湯温泉BS
・泉質:ナトリウム・炭酸水素塩・塩化物泉 73度
・訪問日:2011年7月3日

つぼ湯@湯の峰温泉

2019-06-29 12:15:14 | 温泉(和歌山県)
熊野交通、龍神自動車、奈良交通の各バス路線で湯の峰温泉BS下車してすぐ。湯の峰温泉の由緒である東光寺の小さなお堂の奥にある、日本の温泉文化の原点たる温泉です。

温泉街の中心にある「つぼ湯」は天然温泉の岩風呂であるだけでなく、「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一部として、温泉としては世界で唯一の世界遺産に登録されている貴重なものです。

熊野詣の最終目的地、熊野本宮大社にほど近いところにある湯の峰温泉は、身を清める湯垢離(ゆごり)場として、また、小栗判官と照手姫の伝説の舞台として古くから知られてきました。

一日のうちに七色に変化すると言い伝えられるこの「つぼ湯」は、板囲いの中、岩をくり貫いただけの、二人入ればいっぱいの小さな温泉です。なので入浴には貸し切りが原則となっています。

岩を伝って湧き出てきて窪みに満たされているお湯は、青みがかった白色で、かなり強い硫化水素臭。今でいう「掛け流し」には違いないが、それよりもっとプリミティブな姿です。

なにせ岩の隙間から自然に湧出するお湯のこと、そのままの状態では熱すぎてとても浸かる事ができないので、設置されている蛇口から水を足して埋めることになります。

その加水を入浴客が自由に行うのだから、泉質や温度管理が一定しないし、加水による泉質の劣化は否めないところ。しかもこのつぼ湯自体が観光名所のため、少なくとも30分以上の順番待ちが常態化しています。

とはいうものの古くから熊野詣の旅人達にとっての湯垢離と休息の場。命がけでようやくここまでたどり着き、身を清めることのできた安堵と喜びを想うと、そんな不便も些細なことです。

この「つぼ湯」を含め、湯の峰温泉こそ日本の温泉の至宝。後世にこの温泉文化を伝え続けることが必謹です。

・場所:奈良交通、熊野交通、龍神自動車・湯の峰温泉BS
・泉質:含重曹硫化水素泉 92℃
・訪問日:2010年11月26日

湯の峰温泉公衆浴場@湯の峰温泉

2019-06-29 11:43:58 | 温泉(和歌山県)
熊野交通、龍神自動車、奈良交通の各バス路線で湯の峰温泉BS下車してすぐ。湯の峰温泉の由緒である東光寺の小さなお堂の目の前にある公衆浴場です。

熊野詣の最終目的地、熊野本宮大社にほど近いところにある湯の峰温泉は、古くから熊野詣の旅人達にとっての湯垢離と休息の場として知られていました。

温泉街の中心地には公衆浴場、および天然温泉の岩風呂である「つぼ湯」があり、このつぼ湯こそ「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一部として、温泉としては世界で唯一の世界遺産にも登録されています。

つぼ湯のすぐ手前の川沿いには「湯筒」という熱湯の源泉の自噴口があり、地元はもとより、観光客も卵や野菜を茹でることができ、近所の土産物店などでも卵や野菜が販売されています。

この公衆浴場には一般湯、くすり湯、貸切湯、休憩場などがあり、つぼ湯も含めて公衆浴場入り口の券売機で入浴券を買うようになっています。

公衆浴場の一般湯は加水がしてあり、ここでは石鹸を使って体を洗うことができるが、その横にある「くすり湯」では、石鹸の使用は禁止されていて、その代り濃厚な源泉がそのまま掛け流されています。

浴室は10人も入ればいっぱいの小ささで、強烈な硫化水素臭が充満しています。ここでは加水していないので湯温はかなり熱いが、実に濃厚で、まるで水銀に浸かっているかような強力な浴感があります。

つぼ湯のために長時間の順番待ちするよりは、空いていて、しかも極上湯のこのくすり湯。湯治目的なら間違いなくこちらをお薦めします。

・場所:奈良交通、熊野交通、龍神自動車・湯の峰温泉BS
・泉質:含重曹硫化水素泉 92℃
・訪問日:2008年2月27日

南紀白浜温泉@和歌山県

2019-06-21 22:56:11 | 温泉(和歌山県)
日本有数の観光地・和歌山県白浜町。半島状となって太平洋に突き出たその中枢部には、多数のホテルや旅館、リゾートマンションやレジャー施設が建ち並んでいます。

円月島や千畳敷、三段壁などの景勝地に加え、大型レジャー施設の「アドベンチャーワールド」では、ジャイアントパンダの子どもがぽこぽこ産まれるなど、話題にも事欠きません。

名前のとおり雪のような真っ白な砂浜の「白良浜」は、ハワイのワイキキビーチと姉妹浜提携しているほどの日本有数の海水浴場として、特に海水浴シーズンには内外から多くの観光客が集まってきます。

アクセスも優れていて、大阪・京都からはJRの特急列車「くろしお」が直通しているほか、羽田から南紀白浜空港へ1日3便のジェット機が飛んでおり、さらに紀勢自動車道も開通して南紀白浜ICが利用できるようにもなりました。

このように優れたリゾートである南紀・白浜ですが、つい見落とされがちなのが、ここが非常に良質なお湯の湧く温泉地であることです。
南紀白浜温泉は、熱海温泉、別府温泉と並んで「日本三大温泉」と言われているとともに、古くは牟婁の湯として万葉集に登場するなど、道後温泉、有馬温泉と並び日本三古湯のひとつに数えられています。

泉質は主に塩化物泉、炭酸水素塩泉で、高温のお湯のそのすべてを利用しきれずに、海に流れ去っていくほどの湧出量を誇っています。
白浜温泉のある紀伊半島は、日本列島を覆うどの火山帯にも属しておらず、火山が周辺にないのに温泉が湧き出ていることが、不思議とされてきました。
ところが近年の調査で、白浜、有馬などの温泉は火山性の温泉ではなく、フィリピン海から潜り込んだプレートから滲出した高温の地下水が滞留しているものであることが、最近になって判ってきたとのことです。

白浜温泉では街中のあちこちに源泉があり、湯けむりをたなびかせています。そしてその源泉の近くには共同湯が設置され、地元の方はもとより、観光客が「外湯めぐり」を楽しむことができます。

「外湯めぐり」といえば、旅館の下駄を履いていけば各外湯が無料になる城崎温泉が有名だが、こちらはそんなシステムもないし、旅館街をそぞろ歩く風情もありません。
しかし、城崎は集中配湯でどの外湯でも同じ泉質なのに対し、こちらはそれぞれ異なる源泉のお湯なので、泉質の違いを比べるなど、純粋に温泉を楽しむにはこちらです。

ロケーションやアクティビティー、アクセス、そして優れた温泉に加え、太平洋や紀伊水道に面していることによるイセエビやクツエビ、クエなどの海産物に恵まれている白浜。これほどバランスの良いリゾートは希有。再ブレイクの可能性を秘めたリゾートに違いありません。

民宿 風車@白浜温泉

2019-06-16 22:39:15 | 温泉(和歌山県)
JRきのくに線・白浜駅から明光バスに乗って白浜の温泉街へ。JRきのくに線・白浜駅から明光バスに乗って白浜の温泉街へ。まぶ湯BSから坂道をしばらく上がったところにある民宿です。

この民宿、1階の活け魚料理のレストランが経営していて、上階のリゾートマンションの各室を宿泊室にして民宿営業されているようです。なので宿泊はこのレストランのお料理とセット。民宿というよりかは和風オーベルジュといった感じの民宿ですね。

料理の詳細は食べログで

各客室には公団住宅のような重厚なスチール製の玄関扉。開けるとソファーの置かれたフローリングの部屋が現れます。流し台を撤去したような跡があるので、ここはダイニングキッチンだったのかな?
その奥には二間の和室。すでに布団が敷かれています。50㎡ほどの2LDKと考えれば、民宿にしてはかなり広い客室です。

そしてこのお部屋の白眉はお風呂。人造大理石の大きな浴槽に注がれるお湯こそ、白浜の行幸源泉そのものなんです。
蛇口から出てくるお湯は源泉直送なのでかなり熱め。芳しい香りを放っています。舐めると実に塩辛い。そのままでは熱すぎて入れないが、かといって水で埋めるのももったいない。
しばらく放っておいて自然に冷めるのを待ってから入ると、身体にピリピリと塩分がまとわりついてきて、実に重厚な浴感を味わえます。これは旅館の大浴場や共同湯では味わえない浴感です。

確かに風情はないけれど、純粋に温泉を味わうにはいいですね。なお、白浜を代表する共同湯である牟婁の湯がこのすぐ近くにあるので、温泉情緒を味わいに、ちょっと出かけてみるのもお奨めです。

・場所 明光バス・まぶ湯BS
・泉質 含食塩重曹泉 86度
・訪問日:2012年1月15日

ホテル十河(悟空 十河)@白浜温泉

2019-06-16 08:59:28 | 温泉(和歌山県)
JRきのくに線・白浜駅から明光バスで15分ほど、白浜バスセンターで降りて目の前のロータリーを浜とは反対側に少し進んだところにある温泉旅館です。

突如、平日の連休が取れることになったので、白浜・椿方面へ「バスde温泉」の旅をしてみようと思いつきました。なにぶん突然のことなのでほぼノープラン。ただし宿だけは事前にネットで予約だけしておきました。

この宿を選んだ理由はただ一つ。温泉があって朝食付きながら6,000円という価格が魅力だったからです。夕食がなくても大温泉街の白浜のこと、外で食べれるところはいくらでもあるからね。

全50室足らずという白浜では中規模のこの旅館、エントランスを入ると広々としたロビー空間が現れる、いかにも昭和期にデザインされたレトロモダンな造りです。

パブリックスペースにはゲーム機の並ぶ娯楽場や卓球台、カラオケバーがあるなど、高度成長期の団体旅行全盛期に一般的だった温泉旅館の様式です。

客室は昭和の趣のある8畳間のオーソドックスなスタイルで、部屋にバス・トイレも付いています。あまり手入れされていないようで、かなり古びています。

さらにこの旅館では布団を敷くのもセルフサービス。人手不足への対応と、コストダウンとを兼ねているのでしょう。ゆっくり寝れさえできればひとり旅には何の問題もない。

大浴場は「黒潮の湯」と「潮騒の湯」のふたつで、男湯は「黒潮の湯」を充てられているようです。やや広めの浴槽に、白浜らしい塩のお湯が掛け流されています。

泉質は含硫黄・ナトリウム・塩化物泉(湧出72℃)。どの源泉なのかは不明だが、すぐ近くの共同湯・松乃湯に送られている生絹湯よりは肌触りが柔らかく、すこしトロトロした風合いです。

浴場そのものは古びているし、海岸に面していない立地上、景色を楽しむこともできないが、毎分348リットルという豊富な湯量で質は上々。足を延ばしてゆったり湯あみを楽しむことができます。

この旅館の朝食はレストランでいただきます。内容は典型的な和朝食ながら、立派な鯵の開きがあるのがうれしいですね。ご飯もふっくら炊きあがっています。

この旅館、古いだけにいろいろアラも目立つが、お湯の質は上々。泉質にこだわる温泉好きの方や、昭和レトロに魅力を感じる方には向いているでしょう。

・場所:明光バス・白浜バスセンター
・泉質:含硫黄・ナトリウム・塩化物泉 72℃
・訪問日:2015年3月1日