80歳に向けて・「新風来記」・・・今これから

風来居士、そのうち80歳、再出発です。

雨の降る日に

2019年04月10日 20時10分06秒 | 考える
酒も、タバコも、もう充分ではなかろうか?
そろそろやめようかと考えた。
今後30年、こんな調子で命を無駄使いし、体を壊して
生き続ける事など、考えてもぞっとする。
何とか考えねばと、思い悩む日々だ。

そう、何しろ、私は100歳まではともかくも生き続けようと決めた
ばかりなのだ。

酒を飲み、タバコを吸って、ボォーッと窓の外、空を見上げる。
天気が良ければ、カバンを肩に、それといった目的もなく外に出る。
足は強くなろうが、無意味感が強まるばかり。

行き当たりばったりの生活。
こんな日々はそろそろ卒業せねばと思う。

言っているそばから、酒に手が伸び、タバコに火が付く。
人とは何と習慣に弱い動物なのだろう。 (言い訳)

人にはそれぞれの生き方がある。
それは、話して、聞いて、初めて分かる。
いいや、じっくり話しても、本当の心なぞ通じるはずもない。
しかし、ともあれ、話して、聞いてもらって、はじめて少しは
相手の事が判ってきたつもりになる。

実際の所は、多分、大切なところは、ほとんど伝わっていない。
互いに判ったつもりになる。
分かったふりをする。

それで妥協する。
何も伝わらないとするよりは、いくらかでもマシなのだろうが。


「巷に雨の降るごとく」  ヴェルレーヌ(堀口 大学 訳) 

巷に雨の降るごとく
われの心に涙ふる。
かくも心ににじみ入る
この悲しみは何やらん?

やるせなの心のために
おお、雨の歌よ!
やさしき雨の響きは
地上にも屋上にも!

消えも入りなん心の奥に
ゆえなきに雨は涙す。
何事ぞ! 裏切りもなきにあらずや?
この喪そのゆえの知られず。

ゆえしれぬかなしみぞ
げにこよなくも堪えがたし。
恋もなく恨みもなきに
わが心かくもかなし。       

<『フランス詩集』(白鳳社)より


ヴェルレーヌ 1844~1896 フランス印象派の詩人。早熟な詩人
ランボーに出会い、その影響も受けながら詩法を完成し、独特の
音楽的手法で陰影のある作品を作り上げた。
詩集『言葉なき恋歌』(1874)、『叡智』(1880)など。

堀口 大学(ほりぐち だいがく) 1892~1981 東京都生まれ、
詩人・翻訳家。
外交官の父に従い南米・ヨーロッパ各地で暮らす。
訳詩集『月下の一群』(大正14)は、昭和初期の若い詩人たちに強い
影響を与えた。