友達にもらった本です。有川浩さんの本は読みやすいので好きな作家です。この物語は感音難聴の女性と健聴者の男性との恋愛小説です。障害の小説や差別の小説を書くのは難しいだろうなと思います。小説が障害や差別について読者が考えるきっかけになれば良いと思います。誰でも経験していないことは想像でしかわからないことで、悪気はなくても失言したり、傷つけたりすることもあると思います。そんな時、私は「お互いさま」という言葉が思い浮かびます。人に迷惑かけてごめんなさい、人に迷惑かけられてしょうがないなぁお互いさまやな、と許しあえる関係。障害について感想を書くというのも私には難しいです。映画化もされて、ヒロインは西内まりやさん、ヒーローは玉森裕太さん、小説から連想するよりきれいでした。レインツリーとはアメリカネムノキの別名です。ネムノキの花言葉は「歓喜」「胸のときめき」、そして題名のレインツリーの国は「歓喜の国」「心ときめく国」でヒロインのブログ名になっています。障害のあるヒロインが現実で自分に訪れるとは思っていない国の名前で、障害を意識せずに好きなことを書ける世界です。それが現実になったのでちょっとホッと出来ました。
2016-2-3(水) 所有本 文庫本