原田マハ作「美しき愚かものたちのタブロー」を読みました。「この本は史実に基づくフィクションです」と書いてあります。1916年ロンドンから始まった「松方コレクション」。日本の未来のために、また後世の人たちに最高の美術に接してもらいたいと考えて始められた松方コレクション。何と素晴らしい方々がおられたのかと感動します。松方幸次郎さんは川崎造船所の社長で、西洋の優れた美術品を収集し日本に美術館を作るため、私財を投げ打ってイギリス、フランス、ドイツの美術品を10年以上かかり苦労して集めました。残念ながら2回の世界大戦があり、行方不明になったものや戦火にあったものなどもあります。戦争が終わってからもフランスに没収されそうになり、いろいろな方が苦労されてすべてではありませんが、寄贈返還されました。そして多くの方の情熱で1959年「国立西洋美術館」が完成しました。モネにも会われたり、読み進むほど面白くなります。ゴッホの絵など有名な絵が沢山出てくるので、いつものようにインターネットで検索して、すぐに絵を鑑賞しながら読みました。
国立西洋美術館が出来た経緯を知らなかったので、この次行った時には是非ご尽力された方々のことを心に留めながら、ゆっくりと鑑賞したいと思います。こちらの建物は世界文化遺産に登録されています。
2021-1-13(水) 図書館資料 請求番号:913/ハラ