友達に薦められて時代小説「茶筅の旗」ー藤原緋沙子作を読みました。先日は「色なき風」を読みましたが読後感はとても良かったのにもう時代小説は読まないかなと思っていました。もう1冊薦められていたので、読んでみようと思いました。今回の小説は京都宇治の茶園のお話で読み始めたら、古田織部さんや小堀遠州さんが出て来られて胸がときめきました。武将には興味はありませんが、文化人には惹かれるのだなと私も初めて気が付きました。
京都府和束に友達がいて訪れたことがあるので、このような茶園を想像しながら読みました。お茶を作るのにはいろいろな工程があり、茶摘みの時だけではなく、1年中忙しいのだとわかりました。
主人公は朝比奈家の養女「綸」、よくしつけられ、賢くて、機転が利いて、優しい女性です。上林家のこちらも養子の「清四郎」を婿養子にとって朝比奈家の跡を継ぎます。以前宇治に行った時に「上林家」も見ていますので想像できます。綸は祖母の文から『怒りは呑み込め、それを糧にして機をみて踏み出せ、何どきもお茶師であることを忘れるな』と教えられます。『怒り』の場面が沢山出てきます。それほど理不尽なことが多いのです。綸は文の教えを良く守って窮状を上手く乗り越えて行きました。茶園のお茶師を主人公にした面白い小説だなと思いました。作者藤原緋沙子さんはこの小説を書くために40代後半で立命館大学の史学科に社会人入学され、約20年後にこの小説が完成したそうです。古田織部さんとも出会えて、小堀遠州さんとも出会えて、ただし途中で小堀遠州さんには裏切られた気持ちになりましたが、最後まで一気に読みました。このような時代小説なら是非また読みたいです。お薦めしてくれてv(^_^v)♪ありがと~♪(v^_^)v
2021-11-26(金) 図書館資料 請求番号:913/B/ フジ