「蟷螂を見る会」／「暢気に本を読んでる暇なんてないんですよ。こっちはあなたと違って毎日分刻みで行動してるんです！あなたの想像を絶するほどの重責を担ってるんですよ。ひとをじんわり感動させようとしたり、説教臭くこっちに何かを教えてやろうとする本なんて時間の無駄なんです。もちろん私だってしっかり勉強はしてますよ。私に礼儀を尽くし、こちらの気分を害することのないような有識者や専門家の話であればそりゃ少しは時間を取ります。前聞いた焚書坑儒の話は面白かったですね。くだらない学術書や小説を読むよりもずっと手っ取り早いし、ためにもなります。ただ、有識者よりも、私がもっと多くの時間を割きたいのが有名スポーツ選手たちと会うことです。因みに、俳優に会うことはミーハーに見えてしまいますし、なかには反骨的な俳優もいますので、ほとんど会いません。それに比べ、スポーツ選手は無心で、爽やかでいいですね。ただ、なかには渡米したきり日本に戻ってこない某元メジャーリーガーのように、まったく尻尾を振ってこない気高い…いや、気難しい選手もいますが、ほとんどの場合、喜び勇んで表敬してくれるので助かります。今後の予定でいうと、ワールドカップが終わったら、熱の冷めないうちに日本代表選手にはすぐに表敬するよう、ラクピーブットビール協会には打診済みです。その時が来たら、マズゴミ各社にもしっかり取り上げるように（料亭懇談会で）指示してあります。様々な逆風が吹くなか、好感度アップ、支持率回復が何より大事な時期ですので、利用できるものは徹底的かつ客観的に利用していかなければなりません。いまが踏ん張り時です。レッツ！トライ」『読書👎、表敬👍』(書肆夢か現か・セトギワ文庫、2019年)より抜粋
