塩田千春展③/先日、品川で行われた某ライブでのちょっとキザなバンマスのべしゃり。「僕たちは心の琴線(ことせん)に触れるような曲を作ろうと日頃から思っています」…大勢の客の前で中学生みたいな間違いしとる。その後すぐに、私より前の列に座っていた複数の客が急にもぞもぞしだして、背中で、えっ?て語っとる。夫婦で顔を見合わせている人もおってん。/わしもこのバンマス、アホちゃうかぁと思ったが、彼らの次の曲があまりにかっこよくて、不快感はすぐに吹き飛んだ。でも、翌日になってまた思い出してもうた。/並みいるプロのなかでも演奏技巧は超絶級やったが、母語は常識欠如。公の前であんだけ饒舌に喋るんやったら、漢字の読み方のひとつぐらい辞書で調べとかんと。音楽のテクがどんなに卓越しとっても、言葉の常識がないと鼻で笑われてまうわ。/言うても、彼らのライブにはまた行くつもりやけど。//BGB:『善意という暴力』(堀内進之介著、幻冬舎新書、2019年)
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