「本にまつわるアイデアの囁き」
環境という本棚、という言葉が思い浮かぶ。前にもロケハンなどと称して実行したが、近所の公園に気に入った既読本や未読本を持ち込んで撮影する。本がありそうにない外的空間に本があるっていいではないか。舞台は無限にある。どんな本でもどんな場所でも。1冊でも複数冊でも。本の外出、散歩、出張。人間の手で運んであげる。本を外に連れ出すというのは、著者の言葉を外に連れ出すということでもある。場所の変化によって、同じ文章でも違った印象で読める可能性が十分ある。
さて、家以外での読書空間は、果たしてカフェ、図書館、病院の待合室、ホテル・旅館、電車内ぐらいしかないと決めつけてよいのか?限定する必要なんてない。もっと違う場所でもよいではないか。異質空間での読書…。
鳥羽水族館、はたまた松本城で短編をひとつ読むなんてどうだ。錦帯橋の中央部でも、白糸の滝の前でも、鳥取砂丘の双こぶ駱駝の背上でも、奥入瀬渓流の大きめな石の上に腰かけて、でもいい。魚や城や橋や滝や砂丘や渓流に集中できない?気が散っても構わない。ある気持ちいい環境に囲まれてしまうだけでよいのだ。また、変った人だと思われたとしてそれがなんだ。こちとら所構わずちょっとでも本が読みたいだけなんだ。
読書をしながら場所を移動すればいい。変わった場所で読書をするあなた(私)は、きっと不思議な空間を作る。ちょっぴり異質な光景を生む。本を食い入るように読むひとが、結果的に不思議な被写体にもなってしまうというのもまた一興ではないか。
書を携え、町に出よう。
初源の発想は突飛でいい。突飛を軽視せずに掬い取る。そうしなければならないにも、そうしたくないにも、縛られ過ぎないこと。無意味か意味かはさておいて、気の向くままに行動し、そこで何かを作り出そう。
BGB:①『陰陽師 烏天狗ノ巻』(夢枕獏著、文藝春秋、2023年)
環境という本棚、という言葉が思い浮かぶ。前にもロケハンなどと称して実行したが、近所の公園に気に入った既読本や未読本を持ち込んで撮影する。本がありそうにない外的空間に本があるっていいではないか。舞台は無限にある。どんな本でもどんな場所でも。1冊でも複数冊でも。本の外出、散歩、出張。人間の手で運んであげる。本を外に連れ出すというのは、著者の言葉を外に連れ出すということでもある。場所の変化によって、同じ文章でも違った印象で読める可能性が十分ある。
さて、家以外での読書空間は、果たしてカフェ、図書館、病院の待合室、ホテル・旅館、電車内ぐらいしかないと決めつけてよいのか?限定する必要なんてない。もっと違う場所でもよいではないか。異質空間での読書…。
鳥羽水族館、はたまた松本城で短編をひとつ読むなんてどうだ。錦帯橋の中央部でも、白糸の滝の前でも、鳥取砂丘の双こぶ駱駝の背上でも、奥入瀬渓流の大きめな石の上に腰かけて、でもいい。魚や城や橋や滝や砂丘や渓流に集中できない?気が散っても構わない。ある気持ちいい環境に囲まれてしまうだけでよいのだ。また、変った人だと思われたとしてそれがなんだ。こちとら所構わずちょっとでも本が読みたいだけなんだ。
読書をしながら場所を移動すればいい。変わった場所で読書をするあなた(私)は、きっと不思議な空間を作る。ちょっぴり異質な光景を生む。本を食い入るように読むひとが、結果的に不思議な被写体にもなってしまうというのもまた一興ではないか。
書を携え、町に出よう。
初源の発想は突飛でいい。突飛を軽視せずに掬い取る。そうしなければならないにも、そうしたくないにも、縛られ過ぎないこと。無意味か意味かはさておいて、気の向くままに行動し、そこで何かを作り出そう。
BGB:①『陰陽師 烏天狗ノ巻』(夢枕獏著、文藝春秋、2023年)