「おでん・バイデン」|日本在住の複数の外国人受講者に、遠隔で日本語の発音を教えた。米大統領選の結果についてどう思うかという話題になり、みな自然にバイデンという発音を口にする。だが、バイデンの「デン」がBidenのden風になり、どうしても音が口の奥に引っ込んでしまう。確かに原音に似ていて、クールだが日本語風ではないねん。ということで、誰でもよう知ってる「おでん」を例に挙げた。「おでん→バイデンの順に発音してみましょう」。「では、みんなで一緒に~。おでん・バイデン、おでん・バイデン!、おでん・バイデン!!…」。|傍から見たら何やら怪しい団体に見えたはずだが、そこは遠隔だからノープロブレムだ。みな意気揚々として発音していた。効果は覿面じゃった。「デンの発音がよくわかりました。これからも時々思い出してやります」という嬉しい感想も聞けた。「でも、人前ではつぶやかない方がいいですよ」と言いかけたが、その言葉をグッと呑みこんだ。言動の自由を束縛したくはないからだ。別に迷惑でもないし。|ふざけてる?|ふざけてなんかいない。真剣そのものだ。|それでも、発音しながらおでんが食べたくなってしまったことは、否めない事実だ。寒くなってきたことだし。|蛇足だが、紀文の「だし自慢おでん」はかなりお薦めだ。熱湯で5分間温めるだけだ。満足度大だ。いざ、Go to 近所のスーパーだ。|語尾に「だ」を多用する実験をしてみたが、なんか変だ。断定を多用するほどの、大それた内容ではないからだ。|それにしても、外国人に、日本語の複雑なアクセントやイントネーションを教え込むのは手間暇がかかる。また、助動詞「だ」や助詞(「は」と「が」の違い)等の文法を正しく使えるようになるまで教えることはさらに難儀だ。(最後も「だ」で着地。)
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