人間椅子については、以前にもここで触れたことがあるが、彼らがなぜこれほど海外のロックファンにウケるのか、改めて考えてみる。|「Heartless Scat」「杜子春」「なまはげ」に対する外国人の反応のなかで、印象に残ったのは以下のような感想。①外見:ずいぶん年輩の人達(オッサン、爺さん、グランパメタル)だな。ベースのキャラが強烈で、目が離せない。3人ともキャラはバラバラだけど、なぜかまとまって見える。②音楽性:リフやソロがカッコいいな。ヴォーカルの声質がいいな。曲の展開がプログレだ。彼らは和製ブラックサバスだ。クイーンやメイデンなども思い出すな。③歌詞:哲学的で深いな。人間の悲哀を見事に歌い上げてる。||彼らの楽曲は、正統なブリティッシュハード、メタル、プログレが背景にあり、長年ロックを聴いてきた人間に郷愁を呼び起こす。歌詞と音楽の世界観は、日本文学、民俗学的要素が強く、そういう日本の土着性がミステリアスに映る。彼らの歌詞の多くは、読書に基づいた知識・教養を背景に物語が構成されているため、メッセージ性が明確である。ご存知の通り、「杜子春」は芥川龍之介の文学作品で、「なまはげ」は秋田県の伝統行事であるが、空想ではなく、実在する文化芸能を加工して、歌詞として昇華してる。ここが、他の日本のロックバンドと大きく異なる点である。よって、彼らの歌詞は楽曲の良さに負けない説得力を持つ。詞先なのか曲先なのかわからないくらい、両者がしっかり(ねっとり)融け合っている曲が多い。音を詞にする力も、詞を音にする力も強い。なお、海外の視聴者は、この歌詞はどういう意味なんだ、誰か日本語が分かる人、訳詞を送ってくれないかとリクエストしてるひとが結構いてる。というわけで、歌詞の良さも海外ウケする大きな要因だと思う。|BGB:『屈折くん』『ヘドバン Vol.31』|BGM:人間椅子の過去のアルバムを時間をかけて少しずつ聴いてる。あれ?この部分、あのバンドのあの曲のあの部分にそっくりだなというのがかなりある。最近では、『三悪道中膝栗毛』の「野垂れ死に」のリフが、LOUDNESSの1st『誕生前夜』「High Try」にそっくりなことを発見。リスナーとしては、こういう部分もあっけらかんと楽しめるが、このバンドは35年の長きにわたり試行錯誤と紆余曲折を経て、ここまで来たのだということを想像すると敬意を抱かざるを得ない。継続は力なりという言葉をこれほど感じさせてくれるバンドも少ない。だから余計カッコいい。
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