親しみやすい庶民性を装いながら、常日頃から忖度&自粛に勤しむマスコミ。|たとえば、長野の善光寺の「びんずる尊者像」盗難事件は、テレビ各社で大々的に報道するのに、東京都多摩地域で飲み水としても利用されている井戸水に高濃度の有機フッ素化合物(PFAS)が含まれ、住民の健康に大きな被害をもたらしているというニュースは、ほとんど報じない。両方とも地域ニュースなのに、「びんずる」のほうは全国ニュース扱いで、人命に関わるPFASのほうは地域ニュース扱いするか、報道しない。米軍横田基地がからんでいるということで、NHKを筆頭に、まるで腫れ物に触るかのようにダンマリを決め込む。米軍基地は全国20以上の都道府県に点在するわけで、どちらが国民の関心度が高いかは言うまでもない。だが、(放送局&新聞)記者が現地に赴いて、この問題について取材することはタブー視される。その場合、文脈を「読む」ことと、「何を報道せずに、スルーしているのか」を「読む」ことが大事になってくる。|このように私たちは、日々、マスコミの権力忖度基準によって取捨選択されー情報操作された偏ったニュースのみに触れ、知る権利とそれによって生じる批判精神を静かに奪われている。危険な問題がまともに報道されず、存在しないことにされているのだから、「静かで平和」に決まってる。多くのマスコミが落とし穴と墓穴の両方をせっせと掘り、自らを陥れながら、民度を下げ、社会を改悪するほうへと加担している。日本のマスコミは一見、庶民的で、みんなニコニコして親しみやすそうに見えるが、民主主義国家の下にあって、ますます非民主的になっている。権力の飼い犬として振舞うという意味でじわじわとロシア化、中国化が進んでいる。マスコミの主要ポストにある人間が嬉々として首相と会食をしている時点で明らかで、その異常さは欧米のマスコミや有識者の笑い種(ぐさ)となっている。そして、米国の意向に忖度するかたちでロシアや中国を思い切り叩きながら、実は彼らから秘かに「報道姿勢」を学んでもいるのである。というわけで、国家体制は違えど、日本とロシア・中国のマスメディア間の「共通言語(共感できる部分)」は、以前よりも大幅に拡大している。|前にも書いたが、唯一、権力の犬になれという空気に抵抗を示しているのが、TBS『報道特集』。23年4月8日(土)の坂本龍一とお笑い米軍基地の特集、どちらも批判精神がくっきりと見え、秀逸だった。|
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