続きの前に、昨日の記事のマズルをつかむは、信頼関係が完全にできている状態でやっている場合のものとは別だ。コロクロのマズルを持っても全く抵抗しないし、こちらのされるがままにしている。ホールドスチールと呼ばれるものだが、それをされたからといってコロたちが嫌な思いをしているわけではないので、安心して身を任せている。が、マロの場合は噛むのをやめさせたくて、なかば力ずくでやっているのでマロも暴れるし、こちらもますます必死という悪循環。今まで以上にちょっとしたことで噛んできたり、マズルをつかんで上から押さえつけるようにしているとその一瞬はおとなしくしているが、そのあとは近寄ってこなかったり。
そんなことが数日続いたとき、会員になっている広場の集まりに行くことになった。実は、11月の初めに運動会があり、それに参加する予定にしていたのだが、その同時期に広場の上にある高架橋の工事が始まるらしいということで中止になった。 が、10月後半の運動会の練習日を、しつけ教室としてやることになったので行くことにした。 広場はボランティアの方が運営されているのだが、そのボランティアさんたちが、それぞれの参加者ひとりひとりについて、ゲームをながらのお楽しみしつけ教室が行われた。(↓は教室が終わり解散したあとの写真) ゲームの前に、飼い主の簡単な指示(マテなど)に従う、ということをやった。マロがきちんとできたときに褒めるのは私なのだが、そのとき担当だった方は私に向かってどんどん褒めてくださる。 普段の生活の中で「ありがとう」と感謝されることはあっても、褒められるということってほとんどない。褒められることの心地よさに本当に嬉しくなった。
パピー教室で、マロに何か教えているときに、できた瞬間つい先にオヤツを渡してしまい「褒めてからオヤツですよ~」とよく言われていた私。 コロクロには一日に何十回とバカみたいに「可愛いね~」とか「イイコだね~」と声をかけているのに、マロに対しては困っていることも多かったので、そういう声がけもあまりしていなかったことにそのとき気付いた。 が、自分が褒められてすごく嬉しくて、『褒めて伸ばす』って言葉があるけど、それってこういうことなんだと実体験として感じることができた。 そして褒めるタイミング、やれたときすぐに「わぁ、すご~い」「さすがっ」などと言ってもらったこと。 このタイミングの褒め言葉が心地いいことであり、オヤツはその次でいいんだとわかった。(ここから下は最近の写真)
その後、マロがクロにしつこく絡んでいるときにふと止まった一瞬をみて、「おっ、マロちゃんやめたね、おりこうさん」などと言ってこちらに注目せさせると、別にオスワリと言ってるわけでもないのに、オスワリして動きが完全にストップ。 遊んでいるうちに噛んできたときも、止まった瞬間に「そうだね。カミカミやめれたね。イイコだね~」と言って褒めまくる。また噛もうとしてもやめた瞬間褒めるを繰り返すと興奮することなく噛むのもやめていく。 言葉の意味はわからなくても、雰囲気で褒められていることは通じるので、思ってた以上にマロが興奮することがなくなった。
今までのカミカミ犬がうそのように噛んでこなくなったのは、もしかしたら甘噛みが減ってくる時期と重なったということもあるのかもしれない。 が、『褒める』ことを始める直前まで、私とマロの間は少し険悪なムード(遊んでいる途中で興奮して噛み始めるとき)になりかけていたことを思うと、急激にそれがなくなったのは、褒め言葉の魔法だと思える。 褒める言葉は何でもいいと思うのだが、褒めることとそのタイミングが大切なんだね。
お散歩のあとに足を拭くとき、毎日耳元で優しく「イイコだね~、キレイキレイしようね。わ~、イイコイイコ」などと言っているのだが、3ワンの中でマロだけがパピーの頃から今も変わらずずっと目をショボショボ(シパシパ?)させて口角が上がっている。 それを見て、嬉しい気持ちで口角が上がるんだということはずっと前から知っていたのに、そういう心地よさを他の場面ではあまり与えてあげていなかったかもしれない。『イイコにしたらオヤツ』で嬉しいのもいいけれど、褒められて嬉しい心地よさは、心の安定につながっているんだろうな。
ここのところ、急に落ち着き始めているのも、褒められることが格段に増えてきたからなのだろうか。 叱るということが、今はほぼなくなった。 ちょっと前まではは、噛んできたときも『NO!!』となかば叫んでいたのに、今は「ノーノーだねっ」と言うだけでやめる事が多い。そのあとは、「そうだね~。噛んだらダメなんだもんね~。えらいえらいっ」とまた褒める。そして普段からもいろんな場面でどんどん褒める。 広場で『褒められる心地よさ』を実体験させていただいたこと、本当に感謝。おかげで魔法の言葉(褒め言葉)と褒めるタイミングがわかって、マロが本当に落ち着いた。そして、マロが落ち着いたことによって、室内でも3ワンの距離が縮まってきているになってきている気がする。