第34回シマノ鈴鹿ロードレースクラシック
出場選手: 入部正太朗、木村圭佑、秋丸湧哉、湊諒、秋田拓磨、小山貴大、水谷翔
8月20日(日)PM15:00 シマノ鈴鹿ロードレースクラシック 5.8km x 10周 = 58.1km
約1万4000人のサイクリストが参加した真夏の自転車の祭典「シマノ鈴鹿ロードレース」。2日目の20日午後3時からはメインイベントである「シマノ鈴鹿ロードレースクラシック」が行われ、国内トップレベルの熱いレースが繰り広げられた。
昨年までの「シマノ鈴鹿国際ロードレース」から名称をリニューアルして行われたこのレースは、鈴鹿サーキットを10周するロードレース。ブリヂストンアンカー、愛三工業レーシングチーム、キナンサイクリングチーム、宇都宮ブリッツェン、チーム右京、マトリックス・パワータグら国内プロチームに加え、実業団レースなどで活躍する選手を含む129選手が出走した。
ホストチームのシマノレーシングは、海外で活動中の西村大輝、横山航太をのぞく7選手で参戦。逃げ切りの展開も想定して積極的に前方で展開しつつ、集団スプリントになった場合は、水谷翔、秋田拓磨ら若手スプリンターで勝負を挑んでいく。
この日も厳しい残暑の中、最前列からスタートしたシマノレーシングは、序盤からキャプテン入部正太朗が積極的に逃げを試みる。秋田拓磨、湊諒らもアタックに反応するが、決定的な逃げは決まらないままレースは約半分を消化する。
その5周目に、約15人の選手が集団から抜け出す。ここに選手を送り込めなかったシマノレーシングだが、木村圭佑が単独で追いつくことに成功する。
先頭集団に木村1人のみでは不利と見たシマノレーシングは、秋丸湧哉、湊諒、水谷翔が他の選手と追走し、合流。先頭集団は約25人となった。シマノレーシングは4人と数をそろえ、さらにスプリンターの水谷を送り込んだことで有利な状況を作り上げる。加えて、後方のメイン集団とは瞬く間に1分前後までタイム差が広がり、逃げ切りの可能性も高まってきた。
しかし、追走で自ら脚を使った水谷は、耐えきれずに7周目に先頭から脱落。シマノレーシングは2年前のこのレースで3位に入った木村での勝負に切り替える。
その後も散発的にアタックがかかるが、マトリックス・パワータグなどスプリンターを擁するチームが約20人となった先頭集団をまとめあげ、最後はゴールスプリント争いに。今季好調の吉田隼人(マトリックス・パワータグ)がチームメイトの期待に応え、見事に勝利を飾った。2位は全日本ロード王者の畑中勇介(チーム右京)、3位は鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)。強豪スプリンターに挑んだ木村だったが、表彰台に届かず5位入賞となった。
■コメント
木村圭佑
「ハイペースのまま有力どころが飛び出していって、シマノが入ってなかったので単独ブリッジで追いついた。後半になって3人ブリッジしてきたので、数も増えて戦いやすくなったけど、最後は僕がスプリントすることになったが力及ばず5位だった」
■リザルト
第34回シマノ鈴鹿ロードレースクラシック
1位 吉田 隼人(マトリックス・パワータグ)1:15:54.88 +Top : 0:00.00
2位 畑中 勇介(チーム右京) 1:15:55.34 +Top : +0:00.46
3位 鈴木 譲(宇都宮ブリッツェン)1:15:55.44 +Top : +0:00.56
4位 中村 龍太郎 1:15:55.66 +Top : +0:00.78
5位 木村 圭佑(シマノレーシング)1:15:55.88 +Top : +0:01.00
6位 西薗 良太(ブリヂストンアンカー)1:15:55.95 +Top : +0:01.07
7位 初山 翔(ブリヂストンアンカー)1:15:56.07 +Top : +0:01.19
8位 住吉 宏太(愛三工業レーシングチーム)1:15:56.07 +Top : +0:01.19
9位 大塚 航(VICTOIRE広島)1:15:56.49 +Top : +0:01.61
10位 早川 朋宏(愛三工業レーシングチーム)1:15:56.77 +Top : +0:01.89
11位 湊 諒(シマノレーシング)1:15:56.81 +Top : +0:01.93
17位 秋丸 湧哉(シマノレーシング)1:16:07.56 +Top : +0:12.68
23位 入部 正太朗(シマノレーシング)1:17:25.59 +Top : +1:30.71
27位 小山 貴大(シマノレーシング)1:17:27.21 +Top : +1:32.33
32位 秋田 拓磨(シマノレーシング)1:17:30.13 +Top : +1:35.25
66位 水谷 翔(シマノレーシング)1:18:15.80 +Top : +2:20.92
ロードレースクラシック
https://youtu.be/RTSyyia9QYg
■「ウィーラースクール」レース前の準備を子どもたちとチェック
今年もシマノ鈴鹿では、ブラッキー中島さん主催の自転車教室「ウィーラースクール」を開催し、シマノレーシングの選手たちも先生役としてサポート。20日の子ども向けスクールでは、秋丸湧哉、秋田拓磨、水谷翔の3選手と、野寺秀徳監督がレース前の準備について教えた。
レース前の準備で大切なことは、食事、水分をしっかりとる、そしてウォームアップ、ストレッチで体をレースできる状態にしていくこと。秋丸選手はローラー台でのウォームアップを実演し、秋田選手も太ももの前後の筋肉のストレッチを子どもたちに教えた。レース前に緊張しない方法について水谷選手からは「普段通りに過ごすことを心下ける」とのアドバイスも。
最後は参加した子どもたちと記念撮影し、サインや写真撮影で触れ合った。
■「知っ得講座」シマノレーシングとともに栄養の取り方を学ぶ
シマノ鈴鹿では、サイクリストのための知っ得講座「なかなか調子が上がらない人のための『栄養素プラスα』」を開催。
講師は、過去にシマノレーシングの栄養サポートを担当、現在はプロ野球・オリックスバファローズを担当する管理栄養士の河南こころさん。シマノレーシングの選手たちもゲスト参加し、MCの絹代さんの進行で食事法や経験談などを話した。
河南さんは、今年はじめのシマノレーシングの沖縄合宿に帯同し、選手たちの食事をチェック。その実例をスライドで紹介し、肉や脂っこいものばかりでなく、もっとバランスのいい食事をとるようにアドバイスしたことを振り返っていた。
もともと野菜が苦手だった木村圭佑選手は、河南さんのアドバイスをもとに食事を改善。それらの努力が合わさって、今季前半戦の不調を脱出し、全日本選手権3位という好成績に結びつけたという。
エネルギーの源である炭水化物や筋肉の材料となるたんぱく質も、野菜に含まれるビタミンやミネラルと一緒に取ることで吸収が促されたり、きちんと働くようになると河南さんは説明。「特に濃い色の野菜には大事な栄養素が多く含まれる。食事はカラフルに」との言葉に、熱心にメモを取る参加者も数多くいた。
ウィーラースクール&知っ得講座
https://www.youtube.com/watch?v=LUBLkIvwBBk&feature=youtu.be
Photo&Text&Movie: Tatsuya Mitsuishi (OCN)