昨日の出張帰りのことである。
大宮から埼京線に乗っていた。
会社の先輩と2人で座っていた。
私の左にその先輩が座っており、2人で話をしながら新宿に到着するのを待っていた。
すると、いきなり右側にいた若い男に腕をつかまれた。
シャツの袖を握ってひねりあげてくる。
最近の若い男は怖い。
みんながみんな怖い男であるわけではないが、中には何をしてくるかわからない男もいる。
この、私の右隣にいた男も何をしてくるかわからない男であった。
世の中が発展した代償だろうか。
人とかかわることなくとも不自由なく生きていけてしまう。
他人というものを理解できないのではないだろうか。
この、私の右隣にいた男も理解できていなかったのではないだろうか。
その若い男は私に謝ることもなく、連れの女性が代わりに謝ってくる。
だが、連れの女性に謝られてもこちらとしてはどうしようもない。
連れの女性はやめるように若い男に言っているが、若い男はちっとも聞き入れようとしない。
連れの女性は耐えられなくなったのか、若い男を抱えるように席を立つ。
ドアのそばに移動し、そこでまた若い男にあれこれ言っている。
若い男はまだこちらをじっと見ている。
やがて途中の駅で、その2人は電車を降りていった。
こうしてほのぼのしたひと時は終わりを告げた。
若い男(推定2歳くらい)は連れの女性(推定お母さん)に抱きかかえられながら、夜の駅へと消えていった。