「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

平成23年度 静岡空港関係県当初予算案 その2

2011-02-16 22:49:00 | 静岡空港
前段(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/743.html)につづき、空港予算についてコメントする。

今回の空港予算でもっとも特徴的なのが新たなハコモノ「空港ティーガーデンシティー」に2か年度にわたり4億5,300万円をつぎ込む点である。
空港本体施設に加え、新たな維持管理費が今後毎年発生するわけであり、費用便益比も検証せずに安直にゴーサインというのは、新たな長期房を抱えるに等しい愚行である。

次に、富士山静岡空港利用促進協議会等を迂回しての利用者への実質運賃補助が大きく増加している点も注目だ。
前年度比16%増の4億5,096万円が「空港利活用支援事業費(補助金)」としてばらまかれる。

また、空気を運んでいるとまでいわれる空港アクセスバス維持予算9,300万円が示すのは、まさに空港聖域の現実である。
国の補助対象となるのは生活交通路線維持の民間バス事業補助が県下総額で2億9,200万円であるが、補助率はあくまで1/2以下である。
また、県単の過疎地域のバス事業補助にあっては600万円の予算であり、しかも補助率は1/2以内である。空港アクセスバスの予算で全額賄ってもおつりがくる計算だ。
空港アクセスバスが他に優先して全額県費で支えるというのは、同路線が生活交通路線や過疎地域のバス事業よりも県政上優先するという県の明確な意思の現れであり、聖域を象徴するものである。

そして、もう一つ、空港予算と直接の関係はないが、空港がらみで私が注目していた予算がある。
それが、港湾整備の予算、特に清水港関係の予算である。
見て「やはり」と思ったとおりであった。
清水港整備費は前年度比172.7%の16億8,200万円
御前崎港整備費は前年度比91.4%の1億4,400万円
田子の浦港整備費は前年度比119.6%の6億3,500万円
下田港整備費は前年度比117.6%の2億4,700万円
である。
港湾整備で潤うのは誰か、工事だけでなく利用が増えてに受けが増えて潤うのはどこか、それらを考えれば「やっぱり」である。

蜜月のふじのくに教団と地元企業の潤う中で一般県民は・・・
北朝鮮の贅を尽くすファミリーと窮乏する国民の構図が目に浮かぶ。
庶民のための政治とは程遠い現実は同じである。

平成23年度 静岡空港関係県当初予算案 その1

2011-02-16 22:18:00 | 静岡空港
平成23年度の静岡空港関係の当初予算案の内容を取りまとめたので掲載する。
なお、本年度の3776訪中職員に係る旅費予算科目(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/612.html)の例からも分かるように、本来の予算を使わずに一見空港とは無関係の予算からでも空港のために多額の経費が投じられることに留意する必要がある。
すなわち、以下の空港関係予算は、あくまで表向きの大本営発表数字であるということである。
また、仮に今廃港にしても支出し続けるしかない建設のために借りた県債の償還年間約20億円(公債費)は以下の予算には含まれていないので留意されたい。

[文化・観光費]
・ふじのくに海外誘客推進事業費 9,020万円
(静岡空港を利用する海外誘客促進)

・空港アクセスバス運行事業費 9,300万円
(空港アクセスバスの維持費)

・空港企画推進事業費 1,410万円
(空港利活用施策の推進費)

・富士山静岡空港交流拡大推進事業費 2,340万円
(航空会社、企業、団体への利活用働きかけ費)

・空港利活用促進支援事業費 4億5,096万円
(富士山静岡空港利用促進協議会(経由しての空港利用者)、航空会社、旅行会社等への助成)

・空港広報活動推進事業費 1,100万円
(インターネット等での空港広報)

・空港ティーガーデンシティー構想推進事業費 2億2,540万円
(石雲院展望デッキ、エアメ[ト楽座等の整備:別途平成24年度債務負担3億4,100万円)
[交通基盤費]
・空港アクセス道路整備事業費 4億3,700万円
(空港アクセス道路の整備費)

・空港管理運営事業費 5億6,000万円
(富士山静岡空港(株)への管理委託料等空港基本施設の管理費用)

・空港行政費 3,838万1千円
(空港施策の推進経費)

・富士山静岡空港利便性向上事業費 6,922万2千円
(富士山静岡空港株式会社に支払う賃貸料、補助金等)

・航空保安関係事業費 4,050万円
(航空会社への補助金)

・ターミナル地区西側整備事業費 2億8,000万円
(FDA用格納庫用地整備、駐機場増設経費)

・空港灯火電源高質化事業費 1億700万円
(国の補助を受けての無停電電源装置の整備)

・空港周辺部環境整備事業費 7,500万円
(空港周辺部の管理費)

・隣接地域振興事業費助成 3億7,800万円
(地元市町への補助金)

・空港周辺部環境保全対策事業費 1億260万円
(航空機騒音対策等環境保全費用)

・富士山静岡空港周辺部緊急森林保全等事業費 6,280万円
(空港周辺部の下刈り、葛の除去経費等)

・静岡県空港建設基金積立金 5,600万円
(空港整備のための基金積立金)

[教育費]
・日中青年代表交流発展事業費 420万円
(事業仕分による廃止実績計上事業「ふじの翼グローバルリーダー養成事業費」の看板架け替え)

以上、計31億1,876万3千円(別途、翌年度債務3億4,100万円有)
(また、上記には前年同様空港関係県職員人件費約7億円が含まてれいない。)


※前(平成22)年度及び前前年度当初予算は(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/576.html)(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/415.html

さらに、上記以外の空港に関連する事業としては、
・地域外交展開事業費 7,650万円
(東アジア地域との友好的互恵・互助関係のための地域外交費)

・国際化総合推進費 835万7千円
(国際協力費)

・海外駐在員事務所運営費 1億3,660万1千円
(ソウル事務所、上海事務所等の運営経費)

・静岡ゴールデンサッカーアカデミー開催事業費 1,500万円
(海外実施研修での中国・韓国チームとの大会)

・ふじのくに戦略的物流推進事業 3,100万円
(戦略物流ビジョンの策定)

・重点広報推進費 9,200万円
(県政の重要施策の広報)
など。

一方の着陸料収入であるが、来年度から着陸料半額にするとしたため、本年度から約5,200万円減(これは実質、補助金と同じことである)の約1億5,900万円にとどまる見込みとなり、空港事業の収支はさらに悪化することとなる。
これを気にしてか、抗弁(言い訳)として間に合わせ用意したのが昨日紹介の経済波及効果(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/742.html)だったが、見てのとおり意味も説得力もない代物。あまりに風呂敷を広げすぎて現実離れしてしまった。
それでも、ふじのくに教団信者にとっては教祖が明日は明るいといえば合理性も論理性も関係なく明るいと信じ空港予算を賛美するのだろう。
とても21世紀の先進国の出来事とは思えないのだが、この空港予算は100%現実なのである。

(その2)へつづく⇒http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/744.html