「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

静岡空港利用者の推移(開港5年目第3月)~利用者は前年より増えるも、搭乗率はまたも過去最低~

2013-09-09 21:51:00 | 静岡空港
静岡空港利用者数(搭乗者数)の推移

(注)開港初年については月ごとの発表のなかった上海便各月推計データを加味した上で4か年を比較したグラフです。

以下、開港5年目の3月目となる8月実績に基づき傾向を概観する。
<傾向等>
静岡空港の場合、8月は年間で一番利用者の多い月であるが、対前年比108.6%(4,107人増)の51,681人に止まった。
この8月の水準が1年間続いたとしても当初の需要予測値はもちろん、県の目標値70万人にさえ及ばない水準の利用者数である。
また、県が利用者の少なさを隠すかのように自慢してきた搭乗率にあっては、震災後の8月にも及ばない(8月としては)過去最低の70.9%となった。
8月は台湾への副知事訪問団や、静岡空港からのチャーター便を利用してのモンゴルへの県民交流団派遣など利用に努めた甲斐も多少はあったと言えよう。

さて、この8月実績から個別路線の状況を見てみよう。

国内線は、鹿児島便を除いて、前年同月を上回り、対前年同月比126.9%と、国際線のマイナスを大きく補っている。
特に沖縄便はこれまでの好調を維持し、対前年同月比156.7%(3,376人増)と、利用者増に最も貢献した。
次に、福岡線が対前年同月比133.0%(2,584人増)と貢献した。
ただし、この二つの路線を比較するに、県が8月20日に発表した夏季繁忙期(10日間)の実績では沖縄線が対前年比139.3%、福岡線が対前年比141.4%であったことに鑑みれば、福岡線(FDA)の増がは帰省客利用が中心の増である一方、沖縄線(ANA)は営業努力により広く観光需要を取り込んだものとみられ、8月以外も好調な理由がよく分かる。
この違いはFDAとANAの競合する札幌線で顕著に現れており、FDAが対前年同月比82.7%(414人減)に対し、ANAは同112.3%(754人増)であった。

国際線についてみると、全体として対前年同月比90.2%と先月よりも改善傾向が見られたが、依然、低迷している。
ソウル線は先月よりも7.9ャCントも悪化し、対前年同月比81.0%(2,832人減)とブレーキに拍車がかかった。
一方、上海線は多少改善したものの、対前年同月比76.8%(1,082人減)と、依然として不調が続いている。
また、台北線にあっては海外線としては唯一好調で、前年同月比173.0%(2,074人増)と上海線のマイナスは十分補ったが、副知事訪問団がなければ増人数は2000人を切っており、今後の動向予測には来月の実績を注視する必要がある。

日本政府観光局(JNTO)が毎月発表している「訪日外客数」によれば、ASEAN諸国に対するビザの発給要件を緩和などもあって、7月は前年同月比118.4%と初の100万人超えとなるなど訪日外国人が増えているが、中韓に偏重した静岡空港にあってはその風の恩恵は及んでいないことだけは確かだ。

では、以下に今月の実績を記す。
<平成25年8月の実績:対前年同月比>
路線:搭乗者数対前年同月比(H25.8/H24.8):搭乗率[H25.8;H24.8]

札幌線:104.0%(8,825人/8,485人):[66.4%;83.4]
福岡線:133.0%(10,403人/7,819人):[74.3%;84.3%]
沖縄線:156.7%(9,331人/5,955人):[85.5%;88.6%]
鹿児島線:90.7%(1,486人/1,638人):[74.6%;82.9%]
国内定期便計:125.7%(30,045人/23,897人):[74.7%;84.9%]

国内線チャーター便計:-%(288人/0人):[94.7%;-%]

国内線計:126.9%(30,333人/23,897人):[74.9%;84.9%]

ソウル線:81.0%(12,098人/14,390人):[62.7%;78.4%]
上海線:76.8%(3,578人/4,660人):[63.9%;78.0%]
台北線:173.0%(4,914人/2,840人):[74.5%;69.1]
国際線定期便計:91.8%(20,590人/22,430人):[91.8%;77.0%]

国際線チャーター便計:60.8%(758人/1,247人):[82.8%;67.1%]

国際線計:90.2%(21,348人/23,677人):[65.9%;76.4%]

全路線計:108.6%(51,681人/47,574人):[70.9%;80.5%)]