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静岡空港利用者の推移(開港6年目初月)~厚遇補助の中国チャーター便効果で過去3位に押し上げ~

2014-07-09 21:40:00 | 静岡空港
静岡空港利用者数(搭乗者数)の推移

(注)開港初年については月ごとの発表のなかった上海便各月推計データを加味した上で6か年を比較したグラフです。
以下、開港6年目の初月となる6月実績に基づき傾向を概観する。

<傾向等>
開港から6年目のスタートとなる6月実績は、国内線各路線とも過去の壁を越えられず、札幌線にあっては過去5位と振るわず総合でも過去6年中第5位の実績となった。
一方、国際線は定期便だけで比較すれば過去4位であるが、6月から始まった中国からの旅行者のための天津航空などのチャーター便が、人数にすればわずか6,720人ながら、静岡空港のような元々利用者の少ない空港においては対前年同月比にして47.9%も押し上げ国際線の対前年同月比は133.8%と飛躍した(チャーター便がなければ同85.9%)。
結果、トータルで見ても国際線のチャーター便が対前年同月比で19.2%の押し上げ効果をもたらし、対前年同月比113.3%と1割以上増加し、歴代(過去6年間で)第3位の実績となった。

路線ごとに見た過去6年間の6月実績のみで比較した順位と比率は以下のとおり。
札幌線6,317人   5位/過去6年(1位の平成21年11,631人に対して54.2%
福岡線8,340人  2位/過去6年(1位の平成21年11,385人に対して73.3%
鹿児島線1,390人  3位/過去6年(1位の平成23年2,137人に対して65.0%
沖縄線4,586人   3位/過去6年(1位の平成25年5,135人に対して89.3%
ソウル線4,687人 6位/過去6年(1位の平成22年15,725人に対して29.8%
上海線3,407人   1位/過去5年(2位の平成22年1,719人に対して198.2%
台湾線3,954人   2位/過去3年(1位の平成25年3,982人に対して99.3%
また、上記路線以外のチャーター便を含む総利用者は39,551人で過去5年間で第3位、ピークの平成22年(41,518人)に比べて95.3%であった。

国内線と国際線の過去6年間の推移を見ると、


国内線は頭打ち、国際線はチャーター便(税金での優遇補助)効果が見て取れる。

ちなみに、国内線の内訳を見ると、


札幌、福岡は回復傾向は見られるものの初年の壁を超えるにまだ遠く、他の2路線にあっては既に需要の限界が見られる。

国際線にあっては、大韓航空の撤退でソウル線の利用者数がが対前年同月比で半減したものの、残ったアシアナ航空の搭乗率は6.5%も向上し67.6%とまずまずの数字となった。上海線は過去6年間で6月としては最高の利用者数である3,407人を記録したものの、搭乗率は57.0%と低迷し、補助金による路線維持の状態である。
台湾路線は3年目に入ったが、近隣競合の羽田や中部国際空港の好調もあって静岡空港では昨年同月を下回り、早くも伸びの鈍化が懸念される状況となった。
そのような中、おそらく補助金の手厚さが魅力的で就航したと思われる天津航空の中国人向けチャーター便である。
このチャーター便は日本を訪問する中国人旅行者が利用するもので、180席の小型機を使用し、月、火、水、金、土曜の週5便で、運航期間は10月25日までの5か月間運行する。往路は天津午後2時50分発$テ岡5時30分着で帰路は静岡同6時30分発%V津9時40分着となっている。
県が「富士山静岡空港利用促進協議会」を迂回して天津航空に支払う定期便にはない特別な補助金は1便当たり100万円。片道1便と計算すれば180席が満席で運行しても1人1万円以上を中国人観光客に県民の税金から補助することとなる。
しかも、県は県民向けの発表では「搭乗者の主な観光先 京都、大阪、富士山周辺、東京など*最終日は静岡県内に宿泊予定」としているが、このツアーを中国のインターネットサイトで検索すると、最終日に静岡泊は見つからず、逆に初日の午後5時半静岡着後にそのまま空港近くで1泊し、翌日関西地方に移動・1泊し名古屋で1泊、静岡県内に宿泊せず富士山5合目に寄ってから箱根又は山梨で1泊、その後東京で1~2泊し最終日にお台場を観光してから静岡空港に移動し、そのまま午後6時半の便で帰国というパターンばかりであった。むしろ最終日1泊どころか、初日さえ静岡に泊まらず名古屋で1泊するパターンもあり、全行程で県内に1泊もせずというものもあった。
県の役人としては職務としてあてがわれた目標である利用者数という数字のアップだけが重要で、自分の金でない税金がどう使われようと興味ないのであろうが、これでは中国人から見たらよい鴨である。

いずれにしても、税金投入という空港の生命維持装置は一向に外せる気配すらないのが静岡空港である。

では以下、今月の実績を記す。
<平成26年6月の実績:対前年同月比>
路線:搭乗者数対前年同月比(H26.6/H25.6):搭乗率[H26.6;H25.6](赤文字は搭乗率が65%を下回っており、税金補助がなければ路線存続が疑問視されるもの)

札幌線:93.7%(6,317人/6,745人):[47.7%;52.1%]
福岡線:106.7%(8,340人/7,816人):[57.0%;58.3%]
沖縄線:89.3%(4,587人/5,135人):[45.7%;49.7%]
鹿児島線:117.5%(1,390人/1,183人):[69.5%;59.9%]
国内定期便計:98.8%(20,633人/20,879人):[51.7%;54.0%]

国内線チャーター便計:-%(150人/0人):[98.7%;-%]

国内線計:99.5%(20,783人/20,879人):[51.9%;54.0%]

ソウル線:50.3%(4,687人/9,325人):[67.6%;51.2%]
上海線:476.5%(3,407人/715人):[57.0%;26.9%]
台北線:99.3%(3,954人/3,982人):[73.6%;74.1%]
国際線定期便計:85.9%(12,048人/14,022人):[65.9%;53.4%]

国際線チャーター便計:-%(6,720人/-人):[94.2%;-%]

国際線計:133.8%(18,768人/14,022人):[73.9%;53.41%]

全路線計:113.3%(39,551人/34,901人):[60.4%;53.8%]

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