夏逝くやベンチに一人また一人 伸びをしてけふ一日や夏終る 公園をなほ去り難し夏の果て 鉄塔は鉄塔のまま夏惜しむ 自愛てふ言の葉あをし夏終る いまはむかしわたしはわたし夏惜しむ 夏逝くや五十センチの歩幅にて 生き急ぐこと六十年夏惜しむ 剣道の嬌声つづく夏の果て 開いた口塞ぐも一興夏終る 夏終るブルゾンちえみの手の動き 大方は敗戦夏を惜しみけり 師を師とも思はぬ蒼さ夏惜しむ
夏逝くやベンチに一人また一人 伸びをしてけふ一日や夏終る 公園をなほ去り難し夏の果て 鉄塔は鉄塔のまま夏惜しむ 自愛てふ言の葉あをし夏終る いまはむかしわたしはわたし夏惜しむ 夏逝くや五十センチの歩幅にて 生き急ぐこと六十年夏惜しむ 剣道の嬌声つづく夏の果て 開いた口塞ぐも一興夏終る 夏終るブルゾンちえみの手の動き 大方は敗戦夏を惜しみけり 師を師とも思はぬ蒼さ夏惜しむ