野性派でいこう!

日々の徒然です。子供四人。自然派。遺跡発掘事務所でお仕事。遺跡発掘調査で働き、やっぱり描いたり書いたりする日々。

描くという事。

2015-08-15 22:53:31 | 日記
夏休みに入る前に、末っ子が図書館からチラシを貰ってきた。

自分はさして興味がないようで、
はい、ママに。
ポイッと言う風に渡された。

そのチラシは県立 生命の星・地球博物館の特別展、生き物を描く、細密描画の原図公開というもの。

わたしが普段仕事で描くのは土器の実測図というやつで、それの昆虫やら植物やら甲殻類バージョンだなと思った。

ぜひ、見たい。

と思って、本日行ってみた。


めったにいかない隣街の博物館へ、ずいぶんエイヤッの気分で来たのに、

エントランスでお友達一家にバッタリ会った。

おお!なんでなんでと笑って記念撮影して別れる。


まずは常設展。
あんまりわたしがビッチリ見るので、末っ子はしびれをきらして、早く早くと言っている。
なんで、岩石や剥製が面白くないんだろう?

さて、いよいよ。特別展。
細密描画。
図鑑に載っているような絵。
土器だと、スケッチじゃないんだよ!と直されるけど、
細密描画も同じ。

学術的意味をちゃんと表現しないといけない。

わたしは俄然面白く感じて、ますます進むのがノロくなる。
ペンの動きは参考になるし、三ミリ方眼なんて初めてみた。


末っ子は、わたしのまわりをうろうろぐずぐず、本当にサイアクな人格になる。

面白かったのは、細密描画の名人と展示されている方が、研究者畑から出てる方ばかりじゃなかった事。

わたしも、土器の実測図を描くときに、考古の専門じゃないけど、いいのかな…と、どこか遠慮している自分がいる。

だけど、考古の世界もそうだけど、好き、だったら一員だ、みたいな業界の雰囲気もあるような気がする。

ましてや、アート畑から出た細密描画の名人は、一員だ、を通り越して、研究者をも納得させる図を描いている。

その方々の作品を見ていたら、作品を作るという事は、土俵の枠も越えられる、ものすごい証だと思った。

中でも、39才で急逝した天才細密画家と言われる杉浦千里さんの作品は、あまりにもすごくて、死ぬ、とかも越えちゃっうんだなぁ、と思った。


線で描く。絵画の概念とも違う。シンプルなのに、越えられる。

おもしろい。

もっといろいろ勉強しないといかんと思った。