野性派でいこう!

日々の徒然です。子供四人。自然派。遺跡発掘事務所でお仕事。遺跡発掘調査で働き、やっぱり描いたり書いたりする日々。

穴を掘る。

2015-11-13 22:58:55 | こころ
仕事で穴を掘る。

地面に黒い染みみたいなのが、ポツポツある。

それが、何かの遺構。

茶色いネトリとした、固い土に、黒いジャリジャリした土が入っていたりするからわかる。

ここを掘って、と指示されるから、掘る。

でも、すごく浅い穴の事もあるし

想定していたのより、大穴になるときもある。

土の違いで、わかる。
と、書いたけど、実際は木の根っこで土が混じっていたり、
徐々に穴が埋まっていったのか、
土が混じっていて分かりにくい場合もある。

それに、あんまり大きい穴だと、本当に正しく掘っているのか不安になる。

そんな時には確実なところの土を確かめに見に行ったり、ボスに確認する。


それでも、掘り進めると、必ず、穴の底にあたる。


井戸を掘ったときも、
1、8メートル掘って、

ユンボで地面を下げてさらに、2メートルくらい掘ったら、
井戸の底が出てきた。


底って、あるのだ。

同じだな。と、思う。

これでいいのかな。って思いながら、毎日を生きて、確信がないまま自分を掘り下げて。

でも、
そんな時は、穴たちの底を思う。

大丈夫。

必ず、たどり着く。

村上春樹の小説にも、モチーフとして、井戸を掘る、穴をたどるみたいなのがたまにでてくることがあるけれど、
底にたどり着いた話はあったっけ?


フフフ。
わたしは井戸の底まで掘った事があるもんね。