ネタがないので、私も若い頃のネタで1個だけ書きたい事があるんで、それを書きます。
つまらないかもしれないけど、お付き合い下さい。
私の中学は地元じゃ有名なとんでもない不良校でした。
先輩にはボクシング世界王者、サッカー日本代表の10番、あとは身近なところで天王町の団長がいます。
因みに団長は直の先輩ではありませんが。
私は野球部に籍を置いていました。野球部ってワルばかりじゃないっすか。でも、私って割と可愛がられる方なんで、のほほんと無傷で生きてきました。
で、1番可愛がってくれたのが久能先輩(仮名)。
久能さんは一卵性の双子(一聖と秀臣)で、素人では判別不能ですが、私には判別出来ました。
外野手が秀臣さんで、控え投手が一聖さんで、どちらかと言うと私を可愛がってくれたのが秀臣さんでした。
一聖さんもそれなりに可愛がってくれました。
中学卒業後、高校に入学しても近くの高校に通う秀臣さんを自転車の後ろに乗せて、時々一緒に通学しました。
野球をしてなくても、秀臣さんと判別出来たのは、一聖さんと秀臣さんは違う高校に通っていたからです。
時は流れ、大学時代に地元のレンタルビデオ店でアルバイトをしていた時の事。
「おう、お前ジョビだよな?覚えているか?」
当時の流行ファッションで、長髪にチノパンを腰履きするワルそうな客に声を掛けられました。
誰かはすぐに解りました。3年ぶりくらいの再会です。
私、人の顔と名前、誕生日なんかは結構覚えているんで。
でも、返答までは少しの時間を要しました。
そう、そんな記憶力の良い私でも迷うのです。
そりゃそうだ。久能さんに再会するには時が流れ過ぎていたのです。
秀臣?一聖?どっちだ?
外野手か?控え投手か?
せめて制服でも来ていれば分かるのに。
確か、俺、昔は下の名前で呼んでたよな?
そろそろ答えないと失礼だな。
もうこの手しかない。
すんません、一聖さん?秀臣さん?
「く、久能さんっすよね?」