クラブボクシング@ゴールドジム湘南神奈川

普通、湘南辻堂といえばサーフィンなのにボクシングでひたすら汗を流すオッさん達のうだうだ話!

朴竜の最強上司伝説!4 犬を喰らうひと

2020年08月27日 | ちっちゃいおっさん

外人客の接待のために数人で東銀座のフレンチに行った時のことです。


山口さんは外人に一番遠いテーブルの端っこの席を猛然と死守することから始まります。


全員が着席した頃を見計らってオシャレなウェイターがフレンチスクリプト体で書かれたメニューを渡してくれます。


メニューは日本語はナシ。


フランス語で料理名が書かれ、英語で料理の簡単な説明書きがあります。


仏語はしょうがないとして、英語もちんぷんかんぷんな山口さんはもうどうしてよいのか分からず緊張しまくりです。


そんな緊張感に見舞われているのが見え見えの正直者でも、見栄は張りたいらしくフレンチにはよく来ている的な子供のような嘘をつくのです。


さあ、ウェイターが前菜からメインディッシュの説明をしてくれます。


「メインディッシュは今日は4品からお選び出来ます。」


「え?全部を少しずつアラカルトではダメなの?」


「山口さん!恥ずかしいから喋らないで話を聞きましょうよ。すみません、じゃあ始めから説明してください。」


「かしこまりました。本日の魚は舌平目のムニエル、スズキのポアレ、お肉は小羊のステーキ、鶏の林檎ソースでございます。」


山口さん、もう何が何だか分かりません。料理の名前を聞いても実際どんなものが出てくるのかイメージの欠片も沸かず席で石のように固まっています。


「じゃあ、私は肉で小羊を!」と私。「私はスズキをください!」「う~ん、じゃあムニエルをお願いします。」「I'll take a chicken please」とすらすら決まっていき、山口さんの番。


「う~ん、何が何だかさっぱりわからんで、びっくりしたぞ!朴ちゃんは何頼んだの?」


「私は小羊ですが、他も旨そうですよ。」

「う~ん、う~ん」と固まる山口さん。


唸りながら2分経過。さすがにウェイターの表情にも苛立ちと面倒臭さが見て取れます。


我々も恥ずかしいやら、喉は渇くわで、かなり苛立って来ました。


唸りながら3分経過。


流石に誰かが「山口さん!早く決めてよ。迷惑でしょう⁉︎ 店にも外人のお客にも!」と怒り始めたのをきっかけに、全員が山口さんの態度に呆れたような発言を浴びせ、かつ早く決めるように急くのです。






皆んなの怒りや冷ややかな表情をようやく察した山口さんですが、もう慌てて何が何だか分かりません。


「じゃ、ぼぼぼ僕は、ここここの、小小小小小小小小」


「小小小 子犬(こいぬ)ください!」


一同、暫し沈黙!


次いで大爆笑!ウェイターはプロなので「かしこまりました、小羊ですね。」と言ってはいるものの、肩が震えています。


外人客「Oh! What happen? Why do you laugh?」「Yamaguchi San has ordered Puppy 」と言い間違いを含めて誰かが説明してやると外人客も大爆笑!


で、当の山口さんは自分の言い間違えには当然気づくことはなく、思いがけずウケた自分の発言に気を良くして、


「いえ~す、いえ~す! アイ アム  パピー! パピー! なんかわからんけど、びっくりしたぞ!」と上機嫌。


一方、まだデザートやワインのオーダーを聞けていないウェイターは俯いたまま激しく肩を揺らしながら笑いを堪えていたのでした。





写真は本編と全く関係ない私が愛してやまない横浜鶴屋町の魚介類のお店「角一」


朴竜の最強上司伝説!3 長野県への出張

2020年08月27日 | ちっちゃいおっさん

それは山口さんと長野県の有名な地方銀行を訪ねた時のこと。


広々とした重厚な応接室に通されて担当者を待つこと暫し。


生来落ち着きのない山口さんは所在なさげにキョキョロと部屋を見渡します。


そして立派なテーブルにある備え付けのライターとクリスタルの入れ物に入ったタバコを発見!


「朴ちゃん。このタバコ吸ってもいいと思う?」


「まあ、吸うために置いてあるんでしょうけど、我々は彼らの客ではないし、逆に客になって欲しいわけですから、普通は吸わないでしょうね。」


「朴ちゃん、私も吸うから朴ちゃんも吸いなよ。」


「いえ、それは先方に失礼だから私は吸いません。」


「え~!じゃあ私一人で吸っちゃうよ。お言葉に甘えて!」


「山口さん!誰のお言葉に甘えてるんですか?止めてくださいよ。失礼ですって!」

あ~吸っちゃった吸っちゃった。


また自分のお金じゃないと美味しそうな表情をするんですよこれが。


一本吸い終わっても担当者の来る気配はナシ。そうなると山口さん調子に載っちゃって


「お言葉に甘えてもう一本!」

「だから誰も吸っていいと言ってないでしょう!」

「いやいやもう一本!」


と結局担当者が来るまでに3本の貰いタバコをした上に、23本を自分のタバコ入れにしまう次第。


そして、担当者がようやくやって来た頃には部屋はタバコの煙が充満する始末。


担当者は入ってくるなり我々を通り過ぎて大きな窓を開け放ち、煙が外に逃げたのを確認してから、たいそう慇懃無礼に名刺の交換に応じたのでした。


あ~あ、またやっちゃった山ちゃんなのでした。


銀行を辞して直ぐに「山口さん。担当者怒ってたじゃないですか!どうしてタバコを吸うんですか!もういい加減にしてくださいよ!帰りは私一人で帰りますから!」


「え?なんで朴ちゃん怒ってるの?びっくりしたぞ!しかし、向こうの担当者の態度は失礼で参ったな!」


いやはや、こんなようでなければ生き延びれないんですね。やっぱり。




写真は本編と全く関係ない1997年に自主廃業した山一證券の兜町支店が入っていたビル。悲喜交々の舞台となった場所でもあります。



朴竜の最強上司伝説!2 北海道出張続編

2020年08月27日 | ちっちゃいおっさん

さて、やまちゃんの要らん活躍により散々な結果に終わったプレゼンの後、ふたりは宿泊先の札幌日航ホテルに向かいます。


大通り公園すぐ横にある先程の銀行からホテルは歩いて10分もかからない距離にあります。にもかかわらず、やまちゃんタクシーを止めるのです。






「山口さん!ホテル直ぐそこですよ。歩いて行きましょうよ!」


「いやいや朴ちゃん!色々と調べなきゃいけないことがあるから!」


とタクシーに乗り込み行き先を告げるとタクシーの運転手さんに「え?」と聞き返される次第。そりゃあそうです、直ぐそこですもん。


で、やまちゃん、タクシーの運転手さんに「ススキノで安くて良いところある?」といきなり尋ねます。


「え?」「あ、いやいや、そのお姉さんと裸のお付き合いが出来て、で、安いところ!」


「え?あ~、うちはそんなところ知りませんし、そんな斡旋もしていませんよ!風俗案内所に聞いてください。」


と冷たくも当たり前の答えに玉砕のやまちゃん。






「あ、そうなの?ふ~ん、お兄さんサービス悪いねぇ。」とブツブツクドクド。


あ~、一緒の人種、同じ会社の人間と思われたくない私は早くホテルに着いてくれと願うばかり。


さて、タクシーを降りチェックインの際、


「朴ちゃん、じゃあ何時に待ち合わせする?行くでしょ?」


「山口さん元気ですね~」


「あ、いや。旅の恥は掻き捨てっちゅうでしょ。」


「山口さん!私、さっきの銀行といい、タクシーといい、もう結構恥をかいたんで今日はおとなしく寝ます。」と怒りを爆発したんですが、


「え?何かあった?朴ちゃん急に怒るからびっくりしたぞ!」


結局、こう言う人が生き延びていくんですね~。




写真は本編と全く関係ない近所の家庭農園のオクラの花。優しい色合いに心和みます。