どこの空港かは忘れましたが、待合室で羽田への便を待っていました。
横には山口さんが落ち着きなく後ろを振り向いては首を傾げています。
「いやいや、朴ちゃん。後ろにいる男性、何処かで会ったことがあるんだけど、何処で会ったのか、名前なんだったか全然思い出せんのよ。誰だったかなあ。」
と不躾な視線を絶えず送り続けます。
どうせマダラな記憶の山口さんですからね。
「山口さん!失礼だからジロジロ見ちゃダメですよ。もしかしたら知らない人かもしれないし、文句つけられるかもしれないでしょ?」
「いやいや、会ったことあるんだわ。でも、思い出せんのよ。困ったわ~」
「会ったことあるんなら、思い出せなくても、あっちから挨拶にくるでしょ普通。」
と話してる間にもジロジロと失礼ビームを送る山口さんですが、私の立ち位置から相手の顔は見えません。
そして機内へ。
機内で通路側の席に座っても巨体を捩り後ろに座る誰かをジロジロと見続け
「いやいや、参ったぞ!誰だっけ?朴ちゃん知ってる?」
「もう、失礼だからやめなさいよ。私からは見えないし!」
そして羽田
飛行機を降り到着口へ向かいながらも、山口さん、ジロジロと振り返ります。
「ほらほら、朴ちゃん、あの人よ。どっかの銀行の人だっけ!」
「山口さん、指さすのやめて下さいよ。失礼でしょ。あ、あの人はですね、プロレスラーの大仁田厚ですよ。」
「え?誰それ?」
「知らないんですか?ジャイアント馬場の付き人から始まって、今、参議院議員じゃないですかね?」
「あ、そうなの?びっくりしたぞ!」
といいながらまだジロジロと大仁田厚を睨みつけています。
で、当の大仁田厚、地方空港の待合室、機内、そして今、ずっとジロジロと睨みつける巨体の汗かきオヤジに気づいてはいたものの、「はて?知り合いだっけ?」との戸惑いがあるようで、
山口さんと視線が合うなり、深々とお辞儀をしてくれました。
それが嬉しかっのか、謎が解けてスッキリしたのか、山口さんも満面の笑顔で「あ、どうもどうも!」とお辞儀をするのでした。
「朴ちゃん!彼いい男だよー。で、誰だっけ彼?」
一度診てもらった方がいいな
写真は本編と全く関係ない昨日に出会ったお友達!姿かたちは違うけれど皆んな友達だ!