兜町のラーメン屋での続き。
「いやいや朴ちゃん。まあ、今のところは定年退職するんだけどね。知り合いの証券会社が手伝ってくれと言うんで、そこに行くわけですよ。」
「山口さん、良かったじゃないですか!で、何証券なんすか?」
「いやいや朴ちゃん。まあ、今のところは名前だしちゃいけないんだけど、まあ朴ちゃんには教えてあげますよ。」
って教えてくれたのは私の知らない会社。う~ん、興味もないし。
「いやいや、朴ちゃん。誰にも内緒だよ。言わんといてください。」
って興味ないし、言う人もいないし。
そして翌日。とある取引先にて
「朴さん。確か昔、山口さんの部下だったよね。山口さん昨日訪ねてきて、何だか証券会社に行くって言ってたよ。お世話になりましたって。まあ、取引ないから何にもお世話してないんだけどね。あ、知ってた?」
その同日の別取引先にて
「朴さん、さっき山口さんなんだか証券会社に行くと言って挨拶しにきたよ。お世話になりましたって。何にも取引ないし、何言ってるかわからなかった人だったよね~」
なあんだ!
山口さん色んなとこで言いふらしていたわけね。多分、あっちコッチに行っては話しまくってるわけね。
そしてその日に日本橋辺りで山口さんにバッタリ会ったのですが、歳の割に相変わらずムダに元気なご様子で
「いやいや~ 朴ちゃん!あのねぇ、私、今んところ定年退職になるわけで、知り合いの証券会社に行くことになりました。」
「そうなんですか~ お疲れさまでした。よかったですねー。で、何証券なんすか?」
「いやいや朴ちゃん、今はその名前出せないのよ。ほら、先方に迷惑かけちゃったら困るでしょう。言える時期が来たらいいますね~」
「あ~ そうですね。じゃあ、今度教えてくださいね~」と別れました。
山口さん大丈夫かなあ?
仕事はダメなのはわかってるけど、それ以前に大丈夫なのだろうか?
と桜の花弁が数枚、頭に乗った山口さんの後ろ姿を見送る私でした。
びっくりしたぞ~!