茄子のパスタではなく、パスタ添えた茄子ベーコン炒め!
で、コレがススむ!
余ったベーコンをサラダにかけても旨し!
入社1年目の私に与えられた最初の大役は「花見の場所取り」でした。
朝7:15頃に支店のシャッターをガラガラと開け、店の前に散らかっている吸い殻や痰や胃液吐瀉物などを舌打ちしながら綺麗にしたのち、複数種類ある株式市場に関する怪しげな新聞を整理してたりすると7:45くらいになり、佐藤師匠以外全員の顔ぶれが揃います。
そして、8:15くらいに始まる朝会に間に合うか間に合わないかのタイミングで師匠が
「いや~支店長、参りましたよぉ。電車来なくて~。」
と毎度お馴染みの言い訳をしながら席に座ると
「おかしいな。同じ路線の朴は一仕事終えてるのになあ。」と支店長。
で、朝会が始まると佐藤師匠
「支店長、今日の四谷支店との合同の花見ですが、場所取りは今年はウチですよ。新人も来たことだし朴くんにこの大役を任命したらと思いますが如何でしょうか!」
と余計なひとこと言わんでえーっちゅうに!
「そうだな。じゃ、朴よ今日は一日仕事しなくていいから、四谷の土手で場所確保してくれや。」
何だか飛び込み営業より大変な予感。
「支店長!何時からですか?で、両支店で何名ですか?」
「んと、開始は19時、ざっと50名かな?そうだよな佐藤!」
「ま、そういうことだ。朴くん頑張ってくださいな。で、席取れなかった場合は分かってるね?」って師匠も支店長もそりゃ酷いっす。
そりゃ仕事と言われりゃしょうがありません。大量のブルーシートとロープを担いで丸ノ内線に飛び乗りました。当然スーツ姿です。
で、四谷に着くと早くも私と同じ任務を丸投げされた有象無象が場所取りを開始しているんですよ。
私、負けじと放り投げるようにブルーシートを拡げ50人分のスペースを確保し、ロープで「私有地につき立ち入り禁止」縄張りを作り、とりあえずホッとすると後は何もすることがありません。
ちょっと場所を分けてくれと頼んでくる学生を「グルルルル~」と威嚇!
あら大変ねぇと昼間からお花見のその辺の老人を「グルルルル~」と威嚇!
「お、お前が池袋の新人の朴か?」と様子を見に来た四谷支店の支店長を「グルルルル~」と威嚇!
だって顔知らないし、顔つきがあっち系だし、パンチパーマだしね。
四谷支店長「寝袋もってきたからこれ使え!」とありがたや。
ゲロと埃臭い寝袋に塗れて約12時間トイレも行かずに耐え抜いたのです。
で、ようやく花見開始!
四谷支店に配属された大嫌いな同期がやって来て
「あ~朴くん。御苦労だったね~。僕さあ、今日も何十万も手数料あげちゃったよお。朴くんは気楽でいいよねー」
「殺したろかこいつ!」とメラメラしているといつの間にか佐藤師匠が後ろにいて
「あ、お前が新人の中谷(仮称)だな。先輩とか支店長の客を引き継いで手数料あげてるのに勘違いしてる奴ってお前か? 朴はねえ。支店長に頼まれて一日こうやってんの。いつも飛び込みで自分で自分の客を作ってきてるから、今日は休ませてあげたんだよなあ。まあ、中谷、オマエも頑張れよ。」
師匠にこっぴどくやられた中谷君は顔を真っ赤にして酒宴に消えて行きました。
師匠かっこ良すぎ。でも嬉しかったです。
佐藤師匠が中谷君をこっぴどくやっつけた翌日から、池袋支店のある女性から嫌われるようになりました。
その女性、中谷君と付き合ってたんですな。
その後、直ぐできちゃった婚しちゃいましたが。
中谷君。その後は何処へ行っても風采が上がらず、いつの間にか消えてしまいました。
やはり、新人の時は鍛えられた方がよいし、間違いを叱責してくれる先輩がいた方が良いんだと今になり思う次第です。
もう35年前のあの日のこと。
なんだか懐かしいな。