昭和に入ると、大都市には鉄筋コンクリートの本格的なビルが建てられました。銀行建築は、アメリカの高層ビルに習い「古代ギリシャ復興式」と言う古典主義表現の建築様式が好んで用いられました。正面に柱を並べたギリシャ神殿のようなビルは、顧客の信用を得る上で、まさに銀行建築にぴったりだったようです。
しかし戦後になると、現在のビルと同じようなモダンデザインが世界中を席巻し、歴史様式を採用した建築はその役目を終え、姿を消していきました。
◆古典主義様式の銀行建築◆
◆東京三菱UFJ銀行貨幣資料館(旧名古屋銀行本店/昭和1年)
現在は貨幣資料館として一般公開されています。
◆旧津島信用金庫本店/昭和4年(名古屋銀行津島支店として開業)
◆三井住友銀行上前津支店(旧三井銀行上前津支店/昭和6年)
◆三井住友銀行名古屋支店(旧三井銀行名古屋支店/昭和10年)
◆十六銀行徹明支店(旧岐阜貯蓄銀行/昭和12年)
◆旧十六銀行広見支店/昭和3年
地方の小さな店舗ですが、当時最新のモダニズムの傾向がうかがえます。
◆十六銀行関支店/昭和15年
古典様式の柱がなくなり、現在に近いモダンな建物です。