江南市建築散歩~その3
滝学園の西に学園創設者、滝信四郎が創設した瀧文庫(現瀧会館)が当時のまま現存しています。
滝家は江戸時代から続く名家で、5代目信四郎は大正元年に滝兵商店(現タキヒヨー)を設立、事業で成功を収めた信四郎は郷土発展の為、私設図書館として大正4年瀧文庫を開館しました。
建物は和洋折衷の木造下見板貼りで、中央に入り母屋の玄関を設けE字型に寄棟の両翼が出っ張っています。
玄関車寄は金属板葺きの唐破風屋根で、和風の懸魚と洋風の棟飾りが同居するいかにも大正初期の洋風建築らしい雰囲気が漂います。
大正15年滝実業学校創設とともに蔵書は図書館に移され、その後公民館として利用されましたが、老朽化が激しく、現在は閉鎖されています。
◆瀧会館(旧瀧文庫)/愛知県江南市東野町河原96
竣工:大正4年(1915)
構造:木造平屋
撮影:2013/02/10
■建物全景~現在は使われていないのでかなり荒れている様子です
■玄関部分~唐破風屋根の車寄が明治期の擬洋風建築の名残を感じさせます
■建物西側~大正期の下見板貼りの洋風建築らしい外観
■敷地南東角の長屋門に続く蔵~腰壁の部分が煉瓦造になっている