岩村建築散歩 その4~水野薬局
本町通りにある江戸時代から続く老舗の薬種商ですが、現在の店舗は比較的新しく昭和20年に建てられたものです。
古い薬局は伝統的な町屋風と当時の流行を取り入れた洋風建築の2パターンに分けられますが、水野薬局は典型的な町屋様式で、軒下にずらりと木製の古い看板が並ぶ様子はまさに壮観です。
また明治15年、自由民権運動で有名な板垣退助が遊説で岩村を訪れた際に水野家に宿泊、その数日後に岐阜で暴漢に襲われたと言う記録も残っています。
◆水野薬局(水野得歓堂)/岐阜県恵那市岩村町本町335
竣工:昭和20年(1945)
構造:木造2階建
撮影:2011/09/18
軒下にずらりと並ぶ欅(けやき)製の特注看板
マスメディアの無い当時、看板の宣伝効果は抜群で、製薬メーカーから特約店の証として屋号入りの一点もの特注看板が寄贈されたそうです。
マルミのマークと水野得歓堂の屋号が入った手彫りの特注看板
隣の女性のイラスト入り「新月丸」の宣伝看板はもう芸術品です
ショーウィンドーはレトロな看板が所狭しと並べられまさに路上博物館
正面の軒瓦は屋号入りの特注品
ショーウィンドーにも金箔の屋号が入ります