豊橋建築散歩 その6~小鷹野浄水場旧ポンプ室
豊橋市電の終点赤岩口で下車し北へ200mほどの所に豊橋市上下水道局・小鷹野浄水場があります。小鷹野浄水場には昭和4年に建設されたポンプ室と濾過池、すぐ近くには同時期につくられた多米配水場が現存しています。
現在ポンプ室は本来の役目を終え、薬品注入機室として使われており、敷地の外から正門の左手に古い鉄筋コンクリートの旧ポンプ室が確認できます。戦前の上下水道施設は、建設当時に流行していた建築様式を採用したものが多く、昭和初めに造られた旧ポンプ室は彫の深い重厚な外観で、角を丸くして塊り感を強調した表現主義的意匠も見受けられます。
豊橋市の上水道施設では、今回は残念ながら訪問できませんでしたが、インディアンの顔の装飾がある下条取水場電気室(昭和4年)も現存しており、毎年6月の水道週間にあわせて上水道施設の一般公開が行われています。
◆小鷹野浄水場旧ポンプ室/愛知県豊橋市東小鷹野2-9-3
竣工:昭和4年(1929)
設計:豊橋市水道局
構造:RC造平屋
撮影:2011/10/09
正門の外から旧ポンプ室が確認できます
小鷹野浄水場のすぐ東隣に多米配水池の門がありますが立入禁止の看板がかかっています