一宮駅周辺には近代建築ガイドブックに掲載されるような、いわゆるA級物件としては、一宮市役所本庁舎北棟(解体決定)、西分庁舎(改修保存)、尾西繊維協会ビルなどがありますが、今回は駅周辺のガイドブックには載らないB級洋風建築を紹介します。
A級物件のような本格的な近代建築は数えるほどですが、戦前から繊維の街一宮を支えてきた多くの洋風商店建築が、現在の駅周辺の一宮の歴史的景観をつくりだしています。
真清田神社のすぐ南を通る国道155号線、大宮1丁目交差点西付近に、数軒の古い洋風の商店建築が残っています。
これらの建物は一見RC造の洋風建築に見えますが、基本的には木造瓦葺きの建物を通りに面したファサードだけ洋風テイストのモルタル外壁で覆った、いわば「お手軽洋風建築」で、現存する市内の商店建築はこのタイプが多く見られます。
■丸八(株)~2階屋上に和風の瓦屋根が見えています。玄関上の「〇八」マークが良い感じです(大宮1丁目)
■このアングルで見ると堂々とした近代的オフィスビルに見えるかも?
■丸八(株)の東隣にある野田商会。廃業してから年数が経つようで、建物は荒れ果てた雰囲気(大宮1丁目)
■看板の屋号も錆がひどくてほとんど判別できません
■昭和な雰囲気の手すりと面格子
■丸八(株)のすぐ北側にある商店。洋風ファサードを切妻屋根の建物にくっつけています(大宮1丁目)
■丸八(株)の155号線を挟んで向かいにある(株)オサカツ。この建物も屋根は瓦葺です(栄1丁目)
(撮影:2013/02/03)