先の大戦で岐阜市街地は大規模な空襲を受け、特に岐阜駅周辺の中心部は戦前の古い建物はほとんど残っていません。今回散策した岐阜公園の西側一帯、長良川の左岸沿いは戦災を免れた建物もあるようで、戦前からの古い町屋や蔵がまだ残っています。特に長良橋~金華橋に至る金華橋通り南側と長良橋通り界隈には、洋風建築こそ少ないものの、岐阜の城下町の風情を感じさせる町並みが残っていて散策にはもってこいです。
そんな昔ながらの町並みが残る西材木町で、ちょっとお洒落な外観の洋風建築を見つけました。白いタイル貼りのファサードを水平に走る庇と丸窓がポイントで、直線と円を基調にした幾何学的デザインは昭和戦前期のモダンデザインの流れを感じさせます。建築年など詳細は不明ですが、和風の町屋が中心の町並みでひときわ目を引く洋風建築で、現在は「326 TRE DUE SEI」というベーカーリーとして、現役で使われているようです。
◆326 TRE DUE SEI/岐阜県岐阜市西材木町41-2
竣工:不明(昭和戦前期?)
撮影:2014/09/07