善光寺参道の歴史的建造物のなかでも、ひときわ目を引く堂々たる西洋館があります。旧藤屋旅館の建物で、前身は北国街道の善光寺宿の本陣として300年の歴史を誇る老舗旅館でした。現存する建物は大正12年の道路拡幅に合わせて、アールデコ風の洋風建築に建て替えられたもの。外観は鉄筋コンクリート造にタイルを貼ったように見えますが、実際は木造モルタル部分をコンクリートにした「鉄網コンクリート」という大正期固有の技法を使っています。
現在は旅館業を休業、平成18年からレストラン・ウェディング業に特化した「THE FUJIYA GOHONJIN」に業態転換し、大正13年築の登録有形文化財の建物を活かして営業を続けています。
■アールデコ調の洋風ファサードの西洋館は、善光寺参道のランドマークとして抜群の存在感を誇ります
■THE FUJIYA GOHONJIN(藤屋後本陣)旧藤屋旅館/長野県長野市大門町82
竣工:大正13年(1924)
設計:藤井平五郎(自家)
施工:師田庄左衛門
構造:木造3階建
撮影:2017/11/26
※国登録有形文化財