かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

旧森上駅舎~名古屋鉄道 尾西線(愛知県稲沢市)

2012-08-15 | 失われた建物の記憶

名鉄尾西線は愛知県の西部を縦貫する路線で、弥富駅から津島、一宮を経て玉ノ井を結んでいます。森上駅は旧祖父江町を代表する駅で、開業は尾西鉄道時代の明治32年(1899)、2007年に現駅舎に建て替えられるまで昭和14年(1939)に建てられた木造駅舎が現存していました。

取り壊された旧駅舎は洋風の木造下見板張りで、ファサードを半切妻にし、あえて玄関をその脇にもってくる印象的な外観。淡いブルーに塗られた下見板のこじんまりとした駅舎は愛らしく、戦前の木造駅舎が比較的多く残る名鉄のローカル線らしい風情が味わえる貴重な駅舎でした。尾西線は戦前のそれぞれに個性のある木造駅舎が多く残る貴重なローカル路線でしたが、名鉄のトランパス(自動改札)導入により、すべてツルツルの同じ顔の駅舎に建て替えられました。

長い間地域の人々に親しまれた個性のある駅舎が姿を消し、新しいツルピカの駅舎に建て替えられた駅前の風景は、薄っぺらでどこかよそよそしく、あらためてその土地に根差した古い建物だけが持つ価値を考えさせてくれます。
 
◆旧森上駅舎(もりかみ)~名古屋鉄道 尾西線/愛知県稲沢市祖父江町森上本郷7-30
 竣工:昭和14年(1939)
 構造:木造平屋
 ※2007年取り壊し後建て替え

 現森上駅舎→ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Meitetsu_Morikami_sta_001.jpg  
 


■在りし日の森上駅舎(撮影:2005/10) 



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