地下鉄名港線の終点名古屋港駅の南にあるガーデンふ頭には、名古屋港水族館、遊園地、ポートビル、南極観測船「ふじ」などがあり、休日ともなると大勢の家族連れ、カップルなどで賑わいます。その名古屋港駅の2番出入り口すぐのところに、昭和モダンな親柱が目につく港橋があります。初代港橋は現在のガーデンふ頭がある1号地埋立地と2号地埋立地との連絡橋として明治39年に架橋されました。木製の橋だったため老朽化が早く、昭和11年3月コンクリート製の永久橋に架け替えられました。現在の港区役所周辺で昭和12年に開催された汎太平洋博覧会のために整備されたもので、平和橋とともに博覧会当時の面影を残す貴重な遺構です。
当時港橋の下には運河が流れていたのですが、現在は埋め立てられ橋の東側は公園になっています。その時に橋は撤去されたのですが親柱と欄干はその後当時の姿に再建されました。船の出入りが激しかった当時は、屋台や船員のためのバーが軒を連ね、港橋周辺も大変な賑わいだったようです。現在はガーデンふ頭方面に向かう人たちが時おり通り過ぎるだけで、港橋だけが戦前の賑わった街角の雰囲気を伝えるだけになってしまいました。
■港橋全景(東側)~かつての運河は埋め立てられ、公園になっています
■昭和のモダニズムが薫る親柱~昭和11年竣工の銘板が掲げられています
■分離帯のフェンスも橋の欄干に合わせたデザイン
◆港(みなと)橋/名古屋市港区入船
竣工:昭和11年(1936)
構造:鋼桁
撮影:2015/03/21
※撤去後高欄のみ再建
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