素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

黄葉を楽しむ

2022年12月11日 | 日記
 ジムで「今年の紅葉は綺麗だったがもう終わりやな」談議をしていた時、化学関係に従事していた人が「職業病か葉っぱを見ると色素のほうが先にちらつき純粋に色の変化を楽しめないのやな」と嘆いた。「管理栄養士の人が、店で料理が出てきたらカロリー計算したしまう自分が嫌だといっていたのと同じやな!難儀なことや」と同情の声。「はよボケないかんんで」とツッコミを入れる人。

 化学した人が言ううには「葉の色は大まか4つに分かれる。それぞれの違いは色素が関係している。緑の葉は葉緑素クロロフィル、褐葉はタンニン性の物質(主にカテコール系タンニン、クロロゲン酸)やそれが複雑に酸化重合したフロバフェン、紅葉はアントシアニン、黄葉はカロテノイド色素」だそうだ。言葉が入っていないと悟ったのかていねいにメモ書きして渡してくれた。

 赤色の色素「アントシアニン」は春から夏にかけての葉には存在せず、1日の咲いて気温が8℃以下になると日光によってブドウ糖などが化学反応して作られるという。日光が不足すると同じモミジでも黄葉で終わる。黄色の色素「カロテノイド」は「クロロフィル」と一緒に葉の中に存在しているが、量がクロロフィルの8分の1ぐらいしかないので緑色に見えているが秋にクロロフィルが分解されて相対的にカロテノイドの量が増えるので黄色く見えてくるという。

 ジムへの通り道で今一番美しいと思っている黄葉のモミジの理由が分かった気がする。ちょっとしたミニ講座となった。
 

 すると長老が「わしはあの木の葉のようにしぶとく行くつもりや」と玄関前の木を指さした。「パッと咲いてパッと散る桜が日本では生きざまとして賛美されてるやろ。でもな褐葉になってもしぶとく枝にしがみつく方がわしは好きや。あの木を見ると元気が出るわ!これから見とき!あの葉っぱはなかなか落ちんで」が本日の葉っぱ談議の締めとなった。


 
コメント
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