千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物に付設されている、暮らしの植物苑では、毎年「冬の華・サザンカ」展を11月末から1月末にかけて開いています。
今年もその展示会に出かけてきました。
先ずは、サザンカについて復習してみます。
野生種のサザンカは、花期が10月~12月、花色は白のみで、生育地は主に四国、九州で、北限が山口県萩市。
一方、園芸種にはたくさんの種類があり、花色、花形、生育地も広がっています。
園芸種のサザンカは、「サザンカ」「カンツバキ」「ハルサザンカ」「タゴトノツキ」の四つのグループに分けられます。
このうち、ハルサザンカは、サザンカとヤブツバキの自然交雑により生まれたと考えられています。
次に、サザンカ群、カンツバキ群、ハルサザンカ群、タゴトノツキ群のそれぞれの特徴を見ていきましょう。
■サザンカ群
〔開花期〕10月~12月、〔花色〕白~紅、ぼかし(白が基本)、〔大きさ〕小輪~大輪、〔花弁〕一重~半八重(雄蕊弁化なし、〔花の香〕強い、〔蕊苞〕開花時には落下、〔葉の大きさ〕小型~中型、〔樹形〕多くは立性
■カンツバキ群
〔開花期〕11月~3月、〔花色〕白~紅、まれに縁紅ぼかし、〔大きさ〕小輪~中輪、〔花弁〕八重~獅子咲(花形は多種)、〔花の香〕弱い、〔蕊苞〕開花時には落下、〔葉の大きさ〕中型、〔樹形〕多くは横張性
■ハルサザンカ群
〔開花期〕12月~4月、〔花色〕白~紅、縦絞り、縁紅ぼかし、〔大きさ〕小輪~大輪、〔花弁〕一重~千重咲(花形は多種)、〔花の香〕ほとんどないものから強いものまで、〔蕊苞〕多くは開花時には落下、一部は着生、〔葉の大きさ〕小型~中型、〔樹形〕立性~横張性
■タゴトノツキ群
〔開花期〕11月~12月、〔花色〕白、〔大きさ〕小輪、〔花弁〕一重咲(雄蕊弁化なし)、〔花の香〕弱い、〔蕊苞〕開花時には落下、〔葉の大きさ〕大型、〔樹形〕立性で横にも張る
■ツバキ(参考)
〔開花期〕10月~5月、〔花色〕白~紅、縦絞り(紅が基本)、〔大きさ〕小輪~巨大輪、〔花弁〕一重~千重咲(花形は多種)、〔花の香〕ほとんどない、〔蕊苞〕落下後に落ちる、〔葉の大きさ〕大型~巨大型、〔樹形〕立性~横張性
※出典:国立歴史民俗博物館資料
それでは、サザンカ群、カンツバキ群、ハルサザンカ群について、展示されていたお花をご覧いただきましょう(昨年撮影した写真も含まれています)。
■サザンカ群
華子姫(はなこひめ)
桜月夜(さくらづきよ)
三国紅(みくにこう)
ナバホ
大空(おおぞら)
クリムソンキング
三頭咲(さんとうざき)
優美(ゆうび)
肥後桜(ひござくら)
羽衣(はごろも)
天女の舞(てんにょのまい)
曙絞(あけぼのしぼり)
快童丸(かいどうまる)
■カンツバキ群
稚児桜(ちござくら)
勘次郎(かんじろう)
朝倉(あさくら)
スミエド
秋の粧(あきのよそおい)
秋月(あきづき)
長春(ちょうしゅん)
千里の秋(ちさとのあき)
白寒梅(しろかんばい)
富士の峰(ふじのみね)
群小蝶(むれこちょう)
乙女サザンカ(おとめさざんか)
玉姫(たまひめ)
皇玉(こうぎょく)
■ハルサザンカ群
鎌倉絞(かまくらしぼり)
ユールタイド
星飛竜(ほしひりゅう)
絞笑顔(しぼりえがお)
東牡丹(あずまぼたん)
讃岐(さぬき)
鶯宿梅(おうしょくばい)
紅雀(べにすずめ)
銀竜(ぎんりゅう)
吉良緋竜(きらひりゅう)
古金襴(こきんらん)枝変わり
奥山桃の実生(おくやまもものみしょう)
「冬の華・サザンカ」展は、1月26日まで開かれています。
詳しくは、国立歴史民俗博物館のHPをご覧ください。