この記事は谷川主脈縦走(中編)からの続きです。

2日目は大障子避難小屋から平標登山口までの12.1kmを歩きます。
はじめの計画では5時に出発して14時に登山口(下山口)に到着し、14時20分のバスで越後湯沢に移動するつもりでした。ところが大障子ノ頭で日の出を観ようと思い、1時間半も予定を早めたのでした。
それに膝の調子がイマイチでした。もともと若い頃から膝痛の持病があり、無理をすると歩けなくなります。時間に余裕を持って行動したいと思ったのが、もう一つの理由でした。
3時26分に避難小屋を出ました。まだ真っ暗でしたが、満月の明かりで足元がぼんやり見えました。
ヘッドランプを灯して歩きます。前日に下見をして、危ないところがないのを確認していたので安心して歩けました。

大障子ノ頭の少し手前の小高いところで日の出を待つことにしました。ザックからパンを出して食べましたが、相変わらず食欲は進まず半分を残しました。
待っていてもどこから日が昇るのか分からず、山頂まで行き、さらにそこで待つよりも万太郎山の中腹の方が見晴が良さそうに思えたので先へ進みました。

周囲が徐々に明るくなってきました。4時34分、万太郎山の頭部が紅く染まり出し、その1分後に一ノ倉岳(標高1971m)の南の鞍部付近から太陽が昇ってきました。


山全体が一段と紅くなりました。

さあ、今日も元気に歩きましょう! お花たちが応援してくれました。

万太郎山の急坂を登りきると開けたところに出ました。山頂かと思いましたが、そうではなく土樽へ続く吾策新道の分岐点でした。

山頂はそこから緩やかな道を100mほど歩いた所にありました。もうここまで来ると戻るより先へ進む方が短くなります。

山頂では休憩を取らずに下りました。下りは両側が切れ落ちた痩せ尾根を歩いて行きます。アズマシャクナゲが所々に観られて足を止めました。

縦走路は120mほど痩せ尾根を下ったところで、右に見えるエビス大黒ノ頭に向かって右へ折れます。そこからはなだらかな下りがしばらく続きます。
右に折れる手前にミネザクラ(バラ科サクラ属)が咲いていました。

右に折れた後の傾斜地にハクサンイチゲのお花畑が広がっていました。カメラの画幅では入り切りません。

そして正面に、これから登るエビス大黒ノ頭と、その向こうに谷川連峰の最高峰、仙ノ倉山(標高2026m)が見えてきました。

万太郎山から下った、標高1730mのところに越路避難小屋がありました。この後アップダウンが続くので、膝にテーピングすることにしました。
避難小屋に入りテーピングをして、食べ残していたパンの半切れを食べました。

避難小屋からさらに下り、標高1568mの最鞍部からエビス大黒ノ頭まで320mの登りです。
今回はこの登りがいちばんきつかったです。お花を見つけると立ち止まり休憩しました。また一度は10分あまり休み、靴を脱いで足のケアをしました。
コバイケイソウ(ユリ科シュロソウ属)の葉と、エンレイソウ(エンレイソウ)です。

このカエデ科の樹木はミネカエデだと思います。もう一つの樹木は、帰ってから調べたら、オオコメツツジ(ツツジ科ツツジ属)に似ているように見えました。

鞍部付近からずっとミヤマキンポウゲが観られました。赤い実が生る低木は何でしょう?

この辺りで靴を脱いで休みました。エビス大黒ノ頭は偽ピークがあり、いっそう疲れます。

ナエバキスミレだと思います。

解けたばかりの雪渓跡に、ショウジョウバカマとハクサンコザクラらしい花が咲いていました。今回の縦走路で観たハクサンコザクラはどれも青紫色で、白山で見る赤紫色のものとは違うように思いました。
疲れていて、写真はそれぞれ1枚しか撮らずで、しかもボケていて申し訳ありません。

振り返って歩いてきた道です。

山頂直下でムシカリ(ガマズミ科ガマズミ属)を観ました。エビス大黒ノ頭は標高が1888mで、山頂付近は笹が多かったですが、ナナカマドなどの低木も多く観られました。

エビス大黒ノ頭に着いたのは8時ちょうどで、当初計画より1時間早い時刻となりました。

山頂より仙ノ倉山を望みます。

エビス大黒ノ頭から仙ノ倉山までのコースタイムは1時間10分です。鞍部にエビス大黒避難小屋があります。
お花を観ながら下っていきました。
アズマシャクナゲとハクサンイチゲです。

アズマシャクナゲとエチゴキジムシロです。

避難小屋の前で少し休み、2年前に傷めた足首のケアをしました。そしていよいよラスボスに向けて出発です。

中腹で観たエチゴキジムシロとヒメイチゲ(キンポウゲ科イチリンソウ属)です。

山頂に着くまでに2度休憩しました。そして、仙ノ倉山(標高2026m)の山頂に9時30分に到着しました。相変わらず当初計画より1時間早いです。

山頂で10分ほど休憩し、平標山に向けてなだらかな道を先ずは一旦下ります。

ここでも赤い道標を見ました。肩ノ小屋から10km歩いて来ました。

この辺りのミネザクラは高く育たず、横に広がって伸びていました。冬場には相当な積雪があるのでしょう。

アズマシャクナゲのある風景です。

ハクサンイチゲとアズマシャクナゲを入れての平標山、そしてハクサンコザクラです。

平標山の山頂までお花畑が続きますが、時期的にはもう少し経つとさらに花数が増えそうです。

山頂までの最後の登りでは力が出ず、休み休み歩きました。完全なハンガーノックでした。
平標山(標高1984m)の山頂には10時41分に着きました。貯金が50分を割りました。背景の積雪がある山は苗場山です。
山頂でカレーパンを食べました。元気が戻りました。

平標山にはこれまで2度来ていました。この山はお花の山として有名です。
九合目付近に広がるハクサンイチゲのお花畑です。

樹木の花ではムラサキヤシオ(ツツジ科ツツジ属)が所々で観られ、松手山(標高1614m)を過ぎるとベニドウダン(ツツジ科ドウダンツツジ属)も並んで出てきました。


さらに下っていくとヤマツツジ(ツツジ科ツツジ属)が現れます。国道17号を走る車の音が聞こえてきました。ゴールはもうすぐです。

チゴユリ(イヌサフラン科 チゴユリ属)が並んで咲いていました。

ラショウモンカズラ(シソ科ラショウモンカズラ属)もたくさん観られました。

このお花は何でしょう? キイチゴの仲間だと思うのですが、よく分かりませんでした。


アカモノ(ツツジ科シラタマノキ属)も観られました。

いよいよゴールが近づいてきました。タニウツギ(スイカズラ科タニウツギ属)です。

平標登山口(下山口)には、当初予定より4分早い13時56分に着きました。
バスで越後湯沢に行き、そこからJR上越線に乗り、谷川岳の真下を通る清水トンネルを通って土合駅に行きました。そこから国道291号を歩いて谷川岳インフォメーションセンターに戻り旅を完了しました。
途中膝や足首の調子がイマイチでしたが、何とか持ってくれました。長くて充実した山行になりました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
谷川主脈縦走(完)

2日目は大障子避難小屋から平標登山口までの12.1kmを歩きます。
はじめの計画では5時に出発して14時に登山口(下山口)に到着し、14時20分のバスで越後湯沢に移動するつもりでした。ところが大障子ノ頭で日の出を観ようと思い、1時間半も予定を早めたのでした。
それに膝の調子がイマイチでした。もともと若い頃から膝痛の持病があり、無理をすると歩けなくなります。時間に余裕を持って行動したいと思ったのが、もう一つの理由でした。
3時26分に避難小屋を出ました。まだ真っ暗でしたが、満月の明かりで足元がぼんやり見えました。
ヘッドランプを灯して歩きます。前日に下見をして、危ないところがないのを確認していたので安心して歩けました。


大障子ノ頭の少し手前の小高いところで日の出を待つことにしました。ザックからパンを出して食べましたが、相変わらず食欲は進まず半分を残しました。
待っていてもどこから日が昇るのか分からず、山頂まで行き、さらにそこで待つよりも万太郎山の中腹の方が見晴が良さそうに思えたので先へ進みました。


周囲が徐々に明るくなってきました。4時34分、万太郎山の頭部が紅く染まり出し、その1分後に一ノ倉岳(標高1971m)の南の鞍部付近から太陽が昇ってきました。


山全体が一段と紅くなりました。

さあ、今日も元気に歩きましょう! お花たちが応援してくれました。


万太郎山の急坂を登りきると開けたところに出ました。山頂かと思いましたが、そうではなく土樽へ続く吾策新道の分岐点でした。

山頂はそこから緩やかな道を100mほど歩いた所にありました。もうここまで来ると戻るより先へ進む方が短くなります。


山頂では休憩を取らずに下りました。下りは両側が切れ落ちた痩せ尾根を歩いて行きます。アズマシャクナゲが所々に観られて足を止めました。

縦走路は120mほど痩せ尾根を下ったところで、右に見えるエビス大黒ノ頭に向かって右へ折れます。そこからはなだらかな下りがしばらく続きます。
右に折れる手前にミネザクラ(バラ科サクラ属)が咲いていました。


右に折れた後の傾斜地にハクサンイチゲのお花畑が広がっていました。カメラの画幅では入り切りません。

そして正面に、これから登るエビス大黒ノ頭と、その向こうに谷川連峰の最高峰、仙ノ倉山(標高2026m)が見えてきました。

万太郎山から下った、標高1730mのところに越路避難小屋がありました。この後アップダウンが続くので、膝にテーピングすることにしました。
避難小屋に入りテーピングをして、食べ残していたパンの半切れを食べました。

避難小屋からさらに下り、標高1568mの最鞍部からエビス大黒ノ頭まで320mの登りです。
今回はこの登りがいちばんきつかったです。お花を見つけると立ち止まり休憩しました。また一度は10分あまり休み、靴を脱いで足のケアをしました。
コバイケイソウ(ユリ科シュロソウ属)の葉と、エンレイソウ(エンレイソウ)です。


このカエデ科の樹木はミネカエデだと思います。もう一つの樹木は、帰ってから調べたら、オオコメツツジ(ツツジ科ツツジ属)に似ているように見えました。


鞍部付近からずっとミヤマキンポウゲが観られました。赤い実が生る低木は何でしょう?


この辺りで靴を脱いで休みました。エビス大黒ノ頭は偽ピークがあり、いっそう疲れます。


ナエバキスミレだと思います。


解けたばかりの雪渓跡に、ショウジョウバカマとハクサンコザクラらしい花が咲いていました。今回の縦走路で観たハクサンコザクラはどれも青紫色で、白山で見る赤紫色のものとは違うように思いました。
疲れていて、写真はそれぞれ1枚しか撮らずで、しかもボケていて申し訳ありません。


振り返って歩いてきた道です。

山頂直下でムシカリ(ガマズミ科ガマズミ属)を観ました。エビス大黒ノ頭は標高が1888mで、山頂付近は笹が多かったですが、ナナカマドなどの低木も多く観られました。

エビス大黒ノ頭に着いたのは8時ちょうどで、当初計画より1時間早い時刻となりました。


山頂より仙ノ倉山を望みます。

エビス大黒ノ頭から仙ノ倉山までのコースタイムは1時間10分です。鞍部にエビス大黒避難小屋があります。
お花を観ながら下っていきました。
アズマシャクナゲとハクサンイチゲです。

アズマシャクナゲとエチゴキジムシロです。

避難小屋の前で少し休み、2年前に傷めた足首のケアをしました。そしていよいよラスボスに向けて出発です。


中腹で観たエチゴキジムシロとヒメイチゲ(キンポウゲ科イチリンソウ属)です。


山頂に着くまでに2度休憩しました。そして、仙ノ倉山(標高2026m)の山頂に9時30分に到着しました。相変わらず当初計画より1時間早いです。

山頂で10分ほど休憩し、平標山に向けてなだらかな道を先ずは一旦下ります。

ここでも赤い道標を見ました。肩ノ小屋から10km歩いて来ました。

この辺りのミネザクラは高く育たず、横に広がって伸びていました。冬場には相当な積雪があるのでしょう。


アズマシャクナゲのある風景です。


ハクサンイチゲとアズマシャクナゲを入れての平標山、そしてハクサンコザクラです。


平標山の山頂までお花畑が続きますが、時期的にはもう少し経つとさらに花数が増えそうです。

山頂までの最後の登りでは力が出ず、休み休み歩きました。完全なハンガーノックでした。
平標山(標高1984m)の山頂には10時41分に着きました。貯金が50分を割りました。背景の積雪がある山は苗場山です。
山頂でカレーパンを食べました。元気が戻りました。

平標山にはこれまで2度来ていました。この山はお花の山として有名です。
九合目付近に広がるハクサンイチゲのお花畑です。


樹木の花ではムラサキヤシオ(ツツジ科ツツジ属)が所々で観られ、松手山(標高1614m)を過ぎるとベニドウダン(ツツジ科ドウダンツツジ属)も並んで出てきました。


さらに下っていくとヤマツツジ(ツツジ科ツツジ属)が現れます。国道17号を走る車の音が聞こえてきました。ゴールはもうすぐです。

チゴユリ(イヌサフラン科 チゴユリ属)が並んで咲いていました。

ラショウモンカズラ(シソ科ラショウモンカズラ属)もたくさん観られました。

このお花は何でしょう? キイチゴの仲間だと思うのですが、よく分かりませんでした。


アカモノ(ツツジ科シラタマノキ属)も観られました。

いよいよゴールが近づいてきました。タニウツギ(スイカズラ科タニウツギ属)です。


平標登山口(下山口)には、当初予定より4分早い13時56分に着きました。
バスで越後湯沢に行き、そこからJR上越線に乗り、谷川岳の真下を通る清水トンネルを通って土合駅に行きました。そこから国道291号を歩いて谷川岳インフォメーションセンターに戻り旅を完了しました。
途中膝や足首の調子がイマイチでしたが、何とか持ってくれました。長くて充実した山行になりました。


最後までご覧いただき、ありがとうございました。
谷川主脈縦走(完)