高妻山(たかつまやま、標高2353m、日本百名山)は、長野県と新潟県の境にあると言うより、戸隠の奥にあると言った方が分かりやすい。
私もこの山を初めて見たのは、戸隠からだった。ピラミダルな急峻な山容は威風堂々としていて、簡単に登れそうには見えなかった。
6月27日に高妻山へ出かけた。
今回歩いた軌跡をYAMAPの活動データで見てみよう。この縮尺では1枚に収まらなかったので、2枚に分かれている。
歩いた距離は12.6km、累計標高差は1460mになった。YAMAPの標準タイムは8時間12分だが、私はそこを9時間45分(休憩時間込み)かけて歩いた。
さて、それでは出発しよう。歩き出しは4時32分。県道沿いにある登山者専用駐車場から、戸隠キャンプ場登山口へと向かう。
歩き出して10分で雨が降ってきた。この日の北信地方の予報は、晴れのち曇りで、所によって朝のうち雨となっていた。だいたいの場合、山では所によってが適用される。
ちょうどキャンプ場の受付テントの所へ来ていたので、そこで雨宿りして、行くべきか待つべきかを思案した。
初めのうち見えていた戸隠山がみるみる曇りだし、やがて見えなくなった。この雨はすぐには止まないと判断し、暑さも考慮して雨具は上だけを着用して出発した。
10分ほど歩くと、道は戸隠牧場の中に入っていく。馬がいた。牛もいた。勿論、柵が施してあって近づくことはできない。
しばらくは舗装路を歩く。正面に見えるのは、先ず最初に登る五地蔵山(ごじぞうやま、標高1998m)のようだ。道脇に、ヤマボウシが咲いていた。
4時59分、登山口に着いた。ゲートにある柵は、牛が逃げ出さないためのものだ。登山口から先も、牧場の中とさほど変わらないような平原がしばらく続いた。
標高は1200mほど。この辺りから、いつものお花見ハイキングを始める。雨の中なのでレンズに水滴がついてうまく撮れていないのは、ご容赦願いたい。
最初に撮ったのはウツボグサ(シソ科オドリコソウ属)。
続いては、ウマノアシガタ(キンポウゲ科キンポウゲ属)のようだ。牧場内では群生が観られたが、この辺りではぽつぽつ咲いていた。
お馴染みのムラサキツメクサ(マメ科シャジクソウ属)と、シロツメクサ(マメ科シャジクソウ属)。
このキク科の花は何だろう? 頭花の径が3~4cmほどあった。
再びゲートを通り、道は森の中に入っていく。
すぐに大洞沢(おおぼらさわ)を渡るが、橋が壊れていて、表示に従って徒渉した。この先何度か徒渉を繰り返すようだが、雨が降り増水するとやっかいだ。
森の中に入ると、野鳥の声が賑やかになってきた。中でもミソサザイは素敵な声だった。姿は見えないが、ずっと鳴き続けてくれていた。
お花では、この辺りで多かったのがカラマツソウ(キンポウゲ科カラマツソウ属)だ。
こちらはヤグルマソウ(ユキノシタ科ヤグルマソウ属)のようだ。他にはウマノアシガタも咲いていた。
樹木の花では、ガマズミ(スイカズラ科ガマズミ属)、トチノキ(ムクロジ科トチノキ属)、タニウツギ(スイカズラ科タニウツギ属)の花が咲いていた。タニウツギは、この後何度も観られた。
先日、谷川岳でも観たチャイロヒダリマキマイマイに出会った。今度は角も目玉もしっかり撮れた。
ついでに言うと、この道ではカエルやサンショウウオにも出会った。カエルはヒキガエルの仲間(アズマヒキガエル)で、体長が8~10cmほど、サンショウウオは体長が15cmほどあり、ヒダサンショウウオでないかと思う。
私のブログのコアリーダーさんは、カエルもトカゲもヘビも平気なので、写真を上げておく。
この後、ヤマオダマキ(キンポウゲ科オダマキ属)や、オオバミゾホオズキ(ハエドクソウ科ミゾホオズキ属)をよく見かけた。特にオオバミゾホオズキは登山道脇にたくさん生えていた。
登山道は、徒渉を繰り返しながら高度を上げていく。雨は降ったり止んだりで、その都度レインウエアを脱ぎ着した。
この花はクルマバソウ(アカネ科ヤエムグラ属)かと思ったが、同属のオククルマムグラのようだ。
こちらはもっと小さい上に、風で揺れている。残念ながら名前が分からない。
サンカヨウ(メギ科サンカヨウ属)はすでに実になっていた。と思ったら、一つだけ花が残っているものを見つけた。
エンレイソウ(シュロソウ科エンレイソウ属)も花が終わっていた。
こちらの樹は、マルバウツギ(ユキノシタ科ウツギ属)のようだが、自信がない。
このセリ科の植物は、シャク(セリ科シャク属)のようだが、自信がない。
ラショウモンカズラ(シソ科ラショウモンカズラ属)が咲いていた。知っている花に出会うとホッとする(ブログを書く際も)。
ホッとしたのもつかの間、滑滝(なめたき)が現れた。ここはチェーンを持って慎重に登る。そして滑滝を登り終えると、登山道は沢の中を進んで行く。
もう完全に沢登りになってきた。今日は果たして歩ききれるのか? 多少不安になってきた。
まだ標高が1500mに達したばかりで、全体の20%程度しか進んでいない。
花と野鳥と、虫もいっぱいだった高妻山ハイキング - その② に続く。
2022/06/27
私もこの山を初めて見たのは、戸隠からだった。ピラミダルな急峻な山容は威風堂々としていて、簡単に登れそうには見えなかった。
6月27日に高妻山へ出かけた。
今回歩いた軌跡をYAMAPの活動データで見てみよう。この縮尺では1枚に収まらなかったので、2枚に分かれている。
歩いた距離は12.6km、累計標高差は1460mになった。YAMAPの標準タイムは8時間12分だが、私はそこを9時間45分(休憩時間込み)かけて歩いた。
さて、それでは出発しよう。歩き出しは4時32分。県道沿いにある登山者専用駐車場から、戸隠キャンプ場登山口へと向かう。
歩き出して10分で雨が降ってきた。この日の北信地方の予報は、晴れのち曇りで、所によって朝のうち雨となっていた。だいたいの場合、山では所によってが適用される。
ちょうどキャンプ場の受付テントの所へ来ていたので、そこで雨宿りして、行くべきか待つべきかを思案した。
初めのうち見えていた戸隠山がみるみる曇りだし、やがて見えなくなった。この雨はすぐには止まないと判断し、暑さも考慮して雨具は上だけを着用して出発した。
10分ほど歩くと、道は戸隠牧場の中に入っていく。馬がいた。牛もいた。勿論、柵が施してあって近づくことはできない。
しばらくは舗装路を歩く。正面に見えるのは、先ず最初に登る五地蔵山(ごじぞうやま、標高1998m)のようだ。道脇に、ヤマボウシが咲いていた。
4時59分、登山口に着いた。ゲートにある柵は、牛が逃げ出さないためのものだ。登山口から先も、牧場の中とさほど変わらないような平原がしばらく続いた。
標高は1200mほど。この辺りから、いつものお花見ハイキングを始める。雨の中なのでレンズに水滴がついてうまく撮れていないのは、ご容赦願いたい。
最初に撮ったのはウツボグサ(シソ科オドリコソウ属)。
続いては、ウマノアシガタ(キンポウゲ科キンポウゲ属)のようだ。牧場内では群生が観られたが、この辺りではぽつぽつ咲いていた。
お馴染みのムラサキツメクサ(マメ科シャジクソウ属)と、シロツメクサ(マメ科シャジクソウ属)。
このキク科の花は何だろう? 頭花の径が3~4cmほどあった。
再びゲートを通り、道は森の中に入っていく。
すぐに大洞沢(おおぼらさわ)を渡るが、橋が壊れていて、表示に従って徒渉した。この先何度か徒渉を繰り返すようだが、雨が降り増水するとやっかいだ。
森の中に入ると、野鳥の声が賑やかになってきた。中でもミソサザイは素敵な声だった。姿は見えないが、ずっと鳴き続けてくれていた。
お花では、この辺りで多かったのがカラマツソウ(キンポウゲ科カラマツソウ属)だ。
こちらはヤグルマソウ(ユキノシタ科ヤグルマソウ属)のようだ。他にはウマノアシガタも咲いていた。
樹木の花では、ガマズミ(スイカズラ科ガマズミ属)、トチノキ(ムクロジ科トチノキ属)、タニウツギ(スイカズラ科タニウツギ属)の花が咲いていた。タニウツギは、この後何度も観られた。
先日、谷川岳でも観たチャイロヒダリマキマイマイに出会った。今度は角も目玉もしっかり撮れた。
ついでに言うと、この道ではカエルやサンショウウオにも出会った。カエルはヒキガエルの仲間(アズマヒキガエル)で、体長が8~10cmほど、サンショウウオは体長が15cmほどあり、ヒダサンショウウオでないかと思う。
私のブログのコアリーダーさんは、カエルもトカゲもヘビも平気なので、写真を上げておく。
この後、ヤマオダマキ(キンポウゲ科オダマキ属)や、オオバミゾホオズキ(ハエドクソウ科ミゾホオズキ属)をよく見かけた。特にオオバミゾホオズキは登山道脇にたくさん生えていた。
登山道は、徒渉を繰り返しながら高度を上げていく。雨は降ったり止んだりで、その都度レインウエアを脱ぎ着した。
この花はクルマバソウ(アカネ科ヤエムグラ属)かと思ったが、同属のオククルマムグラのようだ。
こちらはもっと小さい上に、風で揺れている。残念ながら名前が分からない。
サンカヨウ(メギ科サンカヨウ属)はすでに実になっていた。と思ったら、一つだけ花が残っているものを見つけた。
エンレイソウ(シュロソウ科エンレイソウ属)も花が終わっていた。
こちらの樹は、マルバウツギ(ユキノシタ科ウツギ属)のようだが、自信がない。
このセリ科の植物は、シャク(セリ科シャク属)のようだが、自信がない。
ラショウモンカズラ(シソ科ラショウモンカズラ属)が咲いていた。知っている花に出会うとホッとする(ブログを書く際も)。
ホッとしたのもつかの間、滑滝(なめたき)が現れた。ここはチェーンを持って慎重に登る。そして滑滝を登り終えると、登山道は沢の中を進んで行く。
もう完全に沢登りになってきた。今日は果たして歩ききれるのか? 多少不安になってきた。
まだ標高が1500mに達したばかりで、全体の20%程度しか進んでいない。
花と野鳥と、虫もいっぱいだった高妻山ハイキング - その② に続く。
2022/06/27
いつもながらにグーグルマップで、検索、
信濃の山を感じる場所にそびえているんですね。
一枚目、
ピラミダルな急峻な山容は威風堂々
ピラミダルは、ピラミッドってことですよね。
まさに、三角の山が、威風堂々なのを感じます。
花々も貴重な花ばかり、ここまで分かるshuさん、
山にたくさん行かれて、花を見ているからですよ
私だと、こんなに分からないです(@_@)
ミソサザイ、可愛い声、
こんにちはって言ってくれているかのよう^^
ヤマオダマキ、
オダマキが園芸品種では無く、元々は、こうして咲いていたんだと、再認識、
自然に咲く、ヤマオダマキ、見てみたいです
サンカヨウ、
可愛い花、一つでも見れたのは、良かったですねぇ~^^
たくさんの山々、教えていただき、ありがとうございます^^
おはようございます。
高妻山は田中陽希さんのグレートトラバースで初めて知った山です。
お花も一杯ですが、残念ながら時期が遅い花も多かったようです。
雨の中、道に気を付けながら、お花の写真を撮りながらの登山は大変だっただろうと想像しています。
ウマノアシガタは牧場では馬も牛も食べませんから群生しているのでしょうね。
ミソサザイの美しい声、朝から聞けました。
どちらにいらしてたのかと思ったら、なんと戸隠の奥!
私のイメージではものすごく遠くて山の中。
しかも、下界はカラカラなのに、雨が降りつづき、登山道は沢歩き。
拝見しているだけで、どきどきしてきます。
(と言っても、ブログをアップされているので、無事におかえりなのは分かっているのですが)
花がいっぱい咲いてますね〜
どこでもドアで、花のポイントを選んで行けるのなら、ぜひ行ってみたいです。
まだまだ先が長そうですね。
さて、続きはどうなるのでしょうか?!
高妻山、初めて聞く山の名前です。
標高2353mもある、かなり高い山なのですね。
冒頭の写真を見ると、もっと高い山にも見えます。
この山を9時間45分もかけて歩かれたのですね。
それも雨の降る中、沢を登りながら大変なようです。
次回以降にその様子が紹介されるので、期待しています。
スタート時に出会う花は、お馴染みの花ですね。
でも、登るにつれて、珍しい花が登場してきます。
shuさんのお陰で、日頃目にすることのない花に出会えます。
また、最近は動画も随時挿入されていますね。
今回はミソサザイの声を聴くことができました。
山の中で野鳥の声を聴くと、癒されるでしょうね。(^.^)
高妻山は、日本百名山の中では、極めて地味な山だと思います。
長野県にありながら、日本アルプスからは離れています。
それに、どの平野からも見えない山なのも、あまり名が知られていない理由の一つだと思います。
私も、この山が日本百名山に数えられていなければ、登らなかったと思います。
今回登ってみて、植物も動物も、自然豊かなことに驚きました。
まだ標高1500mです。お花のピークは2000m前後です。
この後、希少な植物にも出会えます。
どうぞ、続編をお楽しみくださいませ。
戸隠山はご存じでも、その奥に聳える高妻山、別称戸隠富士は、それほど知られていません。
戸隠山同様、修験の山です。
修験者たちは、岩場に鎖などなかった時代に、滑滝や岩場のトラバースを平気でこなしていたのでしょうね。
凄いものです。
さて、私もミソサザイの声を久しぶりに聴きました。
この後、沢の中でもずいぶん鳴いていました。
それも録音したのですが、水音がうるさくて、再生したものは聴いていられません。
鳥取りのカメラは持たなかったので、せいぜい録音で皆さんに雰囲気をお伝えしようと思いましたが、なかなかうまく行きませんでした。
六甲の高山植物園に行かれたのですね。それはよかったです。
今回、私が観てきたお花と、同じものも咲いていたかもしれませんね。
高妻山でのお花のピークは、標高2000m前後です。
この山は、標高2000m前後まで上がるのが大変です。
また、戸隠連山は危険な痩せ尾根の連続ですから、登山初心者の方にはお勧めできません。
今回もツアーで来られた団体さんがいらっしゃいました。
無事に下山されたか心配でしたが、何も報道されていないので大丈夫だったでしょう。
私もそのような方たちと、同じような年齢になりました。
安全第一で、楽しみたいと思いました。
昨日はテニスを4時間ですか。タフですね。私は3時間が限界です。
さて、今回は標高1500m付近までご覧いただきました。
これから帯岩という名がついた、大きな一枚岩の上をトラバースしていきます。
このコースの一番の核心部分です。
それが過ぎると、お花がいっぱいの尾根に出ます。
私も観たことがなかった珍しいお花に出会えました。
どうぞ、続編もお楽しみくださいませ。
私は、これから2時間のテニスです。
戸隠キャンプ場付近は歩きました。その近くでピザを食べました。
戸隠の奥にあるそうですが、私は名前さえ知りません。
本当にピラミッドのような険しい山ですね。
雨が降ったりやんだりの生憎の天気の中、お疲れ様でした。
ミソサザイの鳴き声、美しいですね。
こんな声を聞くと元気が出ることでしょう。
お花もいっぱい咲いていましたね。
知らない花が幾つもあります。
次回のクロスワードが心配です。^^;
滝をチェーンを持ってのぼるなんて、大変そう!
沢登りは滑りそうで、考えるだけでも怖いです。
まだ先は長そうですね。
頑張って下さい、と言っても、もうお帰りになっていて良かったです。
明日はもっと早く拝見しますね。
高妻山の登山道から、時々飯縄山が見えました。
なぜか飯縄山は晴れていても、高妻山は一度も晴れませんでした。
飯縄山も名山ですので、高妻山と一緒に登られる方も多いようです。
私は、翌日用事があったので、その日のうちに帰宅しました。
遅くなんて、決してないですよ。
山行のブログは、まとめて最後にコメントいただいていいと思いますが、さざんかさんからのコメントはいつも励みになりますので、嬉しいです。
ミソサザイの声はよく響きますね。
ウグイスとは違い、けっこう目立つところで鳴いてくれるので、探せば見つかったかもしれません。
今回は鳥撮りのカメラを持っておらず、さっさと通り過ぎました。
お花はこれからが本番です。
明日と明後日の記事を、どうぞお楽しみになさってくださいませ。