shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

白山立秋お花見ハイキング(その⑤ 南竜ヶ馬場~エコーライン~弥陀ヶ原~黒ボコ岩)

2023-08-17 05:30:21 | 山行・旅行
この記事は白山立秋お花見ハイキング(その④ 甚ノ助避難小屋~南竜ヶ馬場)からの続きです。

白山行の2日目は立秋に当たりました。
下界では残暑が厳しいですが、山では秋の気配が感じられました。

夜半過ぎに目覚めてトイレへ行きました。南竜ヶ馬場(南竜)野営場のトイレは昨年建物ごと新調され、誰もが感動するほどにきれいになりました。
下弦の月が天頂にあり、星は数えられるほどしか見えませんでしたが、お天気が良いのはありがたいです。
もう一度眠って、目が覚めたら東の空が明るくなっていました。




カメラだけを持って南竜庭園(南竜ヶ馬場一帯に広がる自然の庭園のような湿原~草原)に撮影に出かけました。


近くに咲いているセリ科の植物は、シラネニンジンのようでした(学術調査によると、白山でのミヤマウイキョウの分布は四塚山周辺と三ノ峰周辺の岩場に限られ、南竜でのシラネニンジン属はシラネニンジンのみが分布する)。


池塘周辺にはお花畑が広がります。




木道の近くでもたくさんの植物が観られました。
オヤマリンドウ(リンドウ科リンドウ属の多年草)です。




ミヤマクロユリ(ユリ科ユリ属の多年草)の果実だと思います。
 

イワイチョウ(ミツガシワ科イワイチョウ属の多年草)です。




アキノキリンソウ(キク科アキノキリンソウ属の多年草)です。あるいはミヤマアキノキリンソウかもしれません。


1羽の鳥が飛んできてアオモリトドマツの頂に止まりました。図鑑で調べたらギンザンマシコの♀に似ているように見えます。
今回の白山行で撮影した唯一の野鳥でした。




南竜庭園を南の端まで歩いたので、引返すことにしました。


そこそこに秋の気配が感じられました。
 

モミジカラマツ(キンポウゲ科モミジカラマツ属の多年草)です。




ミヤマホツツジ(ツツジ科ホツツジ属の落葉小低木)です。




野営場に帰ってきました。
シナノオトギリ(オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草)です。




ミヤマダイモンジソウ(ユキノシタ科ユキノシタ属の多年草)です。


ハクサンフウロ(フウロソウ科フウロソウ属の多年草)です。雌しべが見えます。




南竜で一番最後まで雪が残る場所に、ミヤマクロユリ(ユリ科バイモ属の多年草)が咲いていました。


朝食を済ませた後、パッキングを終えて南竜を後にしたのが7時2分でした。
この日はエコーラインを上がって、弥陀ヶ原から黒ボコ岩を経て、観光新道を別当出合まで下る予定です。


南竜からエコーライン分岐までは前日に歩いた道ですが、気づかなかった花も観られました。
ネバリノギラン(キンコウカ科ソクシンラン属の多年草)です。


こちらはハクサンボウフウ(セリ科カワラボウフウ属の多年草)です。


これはクロウスゴ(ツツジ科スノキ属の落葉低木)の果実です。果実の先端が5角形にへこむ特徴があります。


こちらはオオレイジンソウ(キンポウゲ科トリカブト属の多年草)ですが、残念なことに花が終わっていました。
来年はこの花の盛期に来たいものです。


ヒトツバヨモギ(キク科ヨモギ属の多年草)です。
ウィキペディアには「ヨモギ属の葉は細かく切れ込むものが多いが、本種は分裂しない。そのため、ヒトツバヨモギ(一葉蓬)という」と記されています。


ミヤマセンキュウ(セリ科ミヤマセンキュウ属の多年草)です。


水平道から岐れてエコーラインに入ると、すぐにカライトソウが群生していました。


円柱あるいは円錐形の果穂をつけた植物では、たいていが基部から花が開きます。しかしこの花は果穂の先端から開花していきます。


エコーラインを登っていくと南竜が徐々に下に見えてきます。やがて別山尾根が長く伸びるのも見えてきますが、この日別山は最後まで雲に隠れていました。


ゼンテイカ(ススキノキ科キスゲ亜科ワスレグサ属の多年草)が並んで咲いていました。盛期にはもっとたくさん観られたと思います。


ヨツバシオガマ(ハマウツボ科シオガマギク属の多年草)も観られました。


シナノオトギリです。




このハクサンフウロは雄しべが見えました。


オンタデ(タデ科オンタデ属の多年草)の雌株だと思います。


足元にミヤマリンドウ(リンドウ科リンドウ属の多年草)が咲いているのを見つけました。
 

斜面にはイワイチョウ、コバイケイソウ(メランチウム科シュロソウ属の多年草)、ゼンテイカなどが観られました。


標高が高くなるにつれ、風が強くなりました。チングルマが風に揺れていました。ネバリノギラン、コバイケイソウも見えます。




花を付けているのはクロマメノキ(ツツジ科スノキ属の落葉低木)だと思います。手前の針葉樹はコメツガ(マツ科ツガ属の常緑針葉樹)のように思います。
よく似ているクロウスゴの花は、萼が円形で切れ込みがありません。




弥陀ヶ原は霧に覆われていました。木道近くで観られる花を探します。
 

オヤマリンドウが咲いていました。


ウラジロナナカマドです。白山では標高の低い順に、ナナカマド、ウラジロナナカマド、タカネナナカマドが観られます。


ミヤマアキノキリンソウです。


タテヤマアザミだと思います。


ミヤマホツツジです。


イワイチョウの群落の手前に、シラネニンジンが花を咲かせていました。




砂防新道との合流点(五葉坂下)まで来ました。右へ行くと室堂です。この日の最高到達地点で、標高は2350mです。左へ向かいます。
 

ヤマハハコです。


オオヒョウタンボク(スイカズラ科スイカズラ属の落葉低木)が実をつけていました。
液果は直径約8 mmの球形で、2個はなかばで合着するのが特徴です。
 

ミソガワソウ(シソ科イヌハッカ属の多年草)だと思います。




9時4分に黒ボコ岩に到着しました。久しぶりに岩に登りました。




その⑤では花を付けた植物が11種(その①~④と重複するものを除く)加わり、合計59種になりました。

白山立秋お花見ハイキング(その⑥ 黒ボコ岩~殿ヶ池避難小屋~別当出合)に続きます。次回が最終回です。




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12 コメント

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おはようございます^^ (attsu1)
2023-08-17 06:45:39
知り合い夫婦が、キャンプが趣味で
あちこちのキャンプ場に行って、楽しんでいて
話しを聞くのですが、
コロナから、外で楽しむキャンプが流行っているのもあるんですが、
キャンプ場の整備が、昔と違うそうです。
南竜ヶ馬場(南竜)野営場のトイレが綺麗なのも
こうやって登山を楽しむ方たちも増えているのかと
感じました。

南竜庭園
素敵な名前の高原の庭園ですね。
そして今日も、たくさんの花々、標高が高いと
この暑い時期にこんなにたくさんの花が咲いているんだと
ミヤマ、ハクサン、シナノ……
名前にも、山なのを感じる花ばかり、
今日も見入ってしまいました。
さちさんもほぼ、同じ時期に行かれたんですね😉
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Unknown (なつみかん)
2023-08-17 08:36:31
おはようございます。
ちょうどフォローしている人のブログでshuさんと別のブロ友さんの白山の記事が並びました。
見比べると、「あ、同じや」
当たり前ですが、なんだか面白かったです。
私もそこにいたーいと思いました。

南竜庭園って、なんでこんなところに?と思ったら、庭園風のお花畑なんですね。
本当に素敵な光景。
そしてさらに先に進むと、また色々現れるお花!
小屋からもどんどん行って、高山道草日記を作ってくださいませ

今日のお花の中ではやはりミヤマリンドウがいいですね。
綺麗な紫色!
近場ですが、伊吹山になんとかして行ってみたくなりました。、
返信する
山の朝は (fukurou)
2023-08-17 09:22:32
shu様
おはようございます。
山の朝は気持ちがいいですね。
私も山に登っている頃は朝早くカメラだけ持って付近を散策しました。
夜中は星を撮るので、結局ほとんど寝ていないと言うことになるのですが。
若かったからできたことです。
高山植物の数々堪能させてもらっています。
返信する
南竜庭園 (ran1005)
2023-08-17 12:24:03
白山高原にはお花見が出来る庭園が在るのですか?
足元の危険が無い様な工夫された木道が設置されて居るのですネ。
信濃オトギリは虫眼鏡で葉を観察した記憶があり、懐かしいです。
ミヤマクロユリには実が出来るのですか?
初めて目にします。
カライトソウの群生・綺麗ですネ。
蕾のうちは一見、長穂のワレモコウとよく似ていますが、咲き始めると違いが一目瞭然。
山野草のインストラクターの解説が思い浮かびました。
チングルマの群生も凄かったのですネ。
白馬八方尾根の高山植物と重なって・・・
とても楽しく拝見させて頂きました。
こんなに沢山の植物をご覧になれるのですから、18回もお出かけになる訳が判る気がします。
朝晩と昼の気温差でナナカマド類はいち早い紅葉体制に入りますネ。
真赤に紅葉しているハート形の植物は何でしょう?
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attsu1さん こんにちは (shu)
2023-08-17 14:36:00
コメントありがとうございます。
今日のトップの写真の右の方に写っている建物が新しくでいたトイレです。水洗式です。
隣には炊事棟があります。
白山の素敵なところは、水が豊富なことです。砂防新道を登るのなら1Lも持てば十分です。

南竜庭園のお花が一番賑わうのは、雪解けから2週間ほどした頃です。
年によって状況が違いますが、6月下旬から7月中旬にかけてが一番です。
チングルマ、イワカガミ、ハクサンコザクラ、イワウチワ、ミヤマクロユリなどが観られます。

白山には有料の宿泊所が2ヶ所あります。
経営母体が違うので、昔から雰囲気が違います。客層もずいぶん違うように思います。
私は南竜派で、山頂でお日の出を拝む際は2時頃に出発しないと間に合いません。
最近はお日の出に拘らず、お花を楽しむ山行になりました。
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なつみかんさん こんにちは (shu)
2023-08-17 14:45:45
コメントありがとうございます。
さち様のブログでも白山のお花を紹介されてますね。私も拝見しております。
同じ道を歩かれて、同じお花を観ておられます。親近感が感じられました。
なつみかんさんにご一緒いただけたら、いろいろ解説いただけて、より充実したお花見になったことでしょう。
でも先へ進むのが大変だったかもしれませんね。

私の小さな野望は、南竜に1週間泊まって、周辺のお花を隈なく観て回ることです。
まだ実現できていませんが、それほど無理な計画でもなさそうなので、ぜひ実現したいものです。
お風呂に入るには日帰りで下山しなければいけません。

ミヤマリンドウがお好きですか。今回は2輪観ました。室堂平ではいっぱい咲いている頃でしょう。
伊吹山でも観られますか? ぜひお出かけになって下さいませ。
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fukurouさん こんにちは (shu)
2023-08-17 14:52:54
コメントありがとうございます。
風景を狙う山のカメラマンにとって、撮影好機は朝と夕ですね。
特に朝は日の出前から、ダイナミックに一刻一刻と変わっていく姿がなんとも言えません。
実は南竜ではそんな風景はあまり期待できません。朝がいいのは山頂か稜線です。
今回はお花見がメインでしたので、しっかり朝寝坊しました。

さて、最終回は観光新道のお花がメインになります。
私にとって歩き慣れた道ですが、季節が違うと出会えるお花も違うことでしょう。
さて、今年はどんなお花に出会えることでしょう?
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ran1005さん こんにちは (shu)
2023-08-17 15:11:34
コメントありがとうございます。
白山のお花畑として有名なところは、
・お花松原(中宮道)
・室堂平
・天池周辺(加賀禅定道)
・南竜湿原
などではないかと思います。どこも庭園のような風貌に恵まれています。
他にも観光新道の馬ノたてがみや石徹白道の御手洗池周辺などお花の見所はたくさんあります。
白山は国立公園で、登山者も多いので、道はどこもよく整備されています。安心して歩けます。

有料宿泊施設の室堂と南竜山荘には、夏の間自然観察指導員が常駐していて、無料で高山植物のガイドをして下さってます。
ナナカマドの葉の右にご覧いただいた葉は、イワカガミだと思います。イワカガミは紅葉すると赤黒くなりますが、一時的に赤味を帯びるように思います。
南竜にはイワカガミが多いです。
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登山 (takan32)
2023-08-17 21:48:46
shuさんへ、私のブログにいいね!をありがとうございます。白山の1-5を見ました。白山は18回目だそうですね。(^ ^)
尾瀬と白山はやめられない、とまらない状態ですね。
私は去年の8月四国の剣山に行ったので、今年は石鎚山に行きました。こちらのほうが厳しいコースでした。
返信する
ミヤマリンドウ (keitann)
2023-08-17 22:39:39
こんばんは。

山頂を目指さずに、エコーラインから黒ぼこ岩へと歩かれたのですね。
私は一昨年、室堂からエコーラインを逆コースで下ってきましたが、咲いていたリンドウはミヤマリンドウだったのですね。実は私はついこの前までミヤマリンドウとタテヤマリンドウは同じものだと思い込んでいて、白山の記録でもタテヤマリンドウと記してありました。リンドウの仲間は好きな花なのですが、かなり前から(15年ほど前?)北アルプスに行くたびに見かけるのをタテヤマリンドウだとばかり思いこんでいました。ミヤマリンドウはタテヤマリンドウの別名なんだろうぐらいに思いこんでいました。
古い記録も見直す必要がありそうです。

クロユリやヨツバシオガマも出てきて、こういう花が現れると標高もかなり高くなってきたなぁと感じますね。
クロウスゴは雪倉岳の山頂で初めて見たのですが、それまで見たことがなくて、まったくわかりませんでした。ミソガワソウも咲いていたんですね。
私は白山では見てないので、私が歩いてない区間で咲いていたのかもしれませんね。
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