ラグナ・シェルマーさんのヘンデルピアノ協奏曲集がとても素敵です。
3枚組みのCDで、1枚目がフォルテピアノ、2枚目はグランドピアノ、3枚目はハモンドオルガンで演奏されています。
フォルテピアノというのは、現代ピアノよりも小型でチェンバロのような音色です。なかなか繊細な響きでタイムスリップしてしまいそうな気分になります。現代ピアノのように音に次の音が重なって・・というようなダイナミックさはありませんが、視覚的にたとえると、モザイクタイルのような感じです。
ハモンドオルガンは電子オルガンの一種で、パイプオルガンのような音色です。こちらは迫力もあり、ちょっとユーモラスな雰囲気もあり、多彩な印象です。
シェルマーさんのことは全く知りませんでしたが、インターネットでCDを選んでいたら関連商品で紹介されていたので詳しく見てみたところ、3種類の楽器で弾き分けているのがユニークだなぁと思い購入してみました。
BGMとしてもいいですが、じっくり味わうのもまたよしです。
ライナーノーツにはシェルマーさんが弾き振りしている写真が載っています。指揮者がいてオーケストラを文字通り指揮して音楽を作っていくのもよいですが、弾き振りはほんとに音楽が好きでたまらない人たちが集まって気持ちよさそうに演奏しているところがいいですね。私は楽器は全然できないので、もう全く羨ましすぎます。
ただ、交響曲の弾き振りは指揮者がいるときとはかなりイメージが変わってくるので、わたしはあまり好みではありません。
昨年エサペッカサロネンさんの指揮でベートーヴェンの7番を聴きました。サロネンさんは音と音の間合い=沈黙までもひとつの音として捉えているような、とてもキレのある音楽でした。そのイメージが鮮烈に頭に残っていて、そのひと月後の弾き振りでの7番はちょっと間延びして聞こえてしまい、サロネンさんの感動の後に聴くには少し時期が早かったようです。
それはともかく、ラグナ・シェルマーさんの3枚組みはいいです。すっかりファンになってしまった私は彼女の他のCDも注文してしまったのでした。
楽しみ、楽しみ♪