NHK「日曜美術館」でスズキコージさんという作家を知ったのです。
70歳を超えていらっしゃいますが、とても若々しい。いえ、「若い」というだけでは表現として物足りない・・。イキイキと楽しそうです。そう、とてもイキイキしていらっしゃるのです。
父親がクレヨンを買ってくれたことが絵を描くきっかけになったんだそう。クレヨンで絵を描く感触が大好きで、夜布団の中でも描いていたと。で、鼻の穴にクレヨンを入れて匂いを嗅ぐのも好きだったと(笑)。
東京の芸術大学を受けたけれど、すべて落ちてしまいました。そのとき、「自分には美大には合わないんだ」と思ったそうです。「才能がないんだ」とは思わなかったんですね。そこがすごい。
とにかく、とにかく絵を描くことが好きでたまらなくて、天ぷら屋でアルバイトして絵を描いていた。
描いた絵を道路一杯に広げて警察のお世話になったこともあるそうです。電気やガスを止められたことも…。
それでも描き続けて、遠い親戚の話をきいた方と運命の出会いを果たし、雑誌に絵を載せてもらえるようになりました。その方との出会いがなければ、世に知られることはなかったかもしれません。ご本人は「宝くじに当たったことはないけど・・」とおっしゃっていましたが、宝くじに当たるより素敵なことではありませんか☆
人には、お金がないと何も始まらないという固定観念があります。この方にはそれがみじんもありません。
だからこれほどまでに好きなこと=絵を描くことに迷いがなかったんでしょうね。
親御さんも世間一般的な固定観念を通さずに息子を見守っていたということでしょうか。
私にはそういう感覚はないなぁ・・。「やることやってから」って常に備えることを優先しているところがありますから・・。
でも、理解はできます。眩しさを覚えます。そういう人を見ていると、ちょっと自由をおすそ分けしてもらっているような気になる^^
豊かな人生って、自分が豊かになることだけではないんですよね。自分がする行為が周りの人たち(身内だけじゃなく、できるだけ見ず知らずの多くの人たち)を笑顔にすることなんだ、と思う。
で、その行為が自分の好きなことなら生きている限り持続可能。笑顔がどんどん増えるということなんだ。
好きなことを見つけて没頭するって、決してわがままなことじゃない!
強引ですが、そんな風に締めくくります。