昨日、本を買いに行きました。
札幌市内、大きな本屋はたくさんありますが、わたしが好きな本屋はジュンク堂です。
品ぞろえがいいし、レジが各階にないせいなのか、ゆったり広めで静かです。落ち着いて本を探すことができます。
そういえば、あまり派手なポップが立っていたりすることもないです。だから、惑わされずに落ち着いて欲しい本が探せます。
買った本はもちろん、先日記事にも書いた、ルソー著『孤独な散歩者の夢想』です。今回は光文社古典新訳文庫の方。
それ1冊だけだと寂しいのと、好奇心がめらめらしてきて、書棚を舐めまわすように見始めてしまいました。
こうなると、読みたくなる気持ちが高まるばかりなんですが、「ものごとには限度というものがあるんだから!」と自分で自分をいなして、全部で3冊にまとめました。3冊までならOKとしているんです。
さて、何から読みましょうか。
帰りのJRで無作為に取り出したのが、『チャリング・クロス街84番地』。
ニューヨークに住む本好きな女性とロンドンの古書店との往復書簡が織りなす作品です。
ニューヨーク在住の女性がロンドンの古書店あてに手紙を書いて、欲しい本を送ってもらいます。
その後の手紙に、本を受け取った旨を伝える表現が、落手、安着、来着…と、毎回違っていて感服です。
原作はどのように表現されているかわかりませんが、翻訳者の語彙の豊かさなのでしょう。読んでいて、ワクワクします。
わたしは日本語教師として外国人に日本語を直接法で教えています。
直接法とは、日本語を日本語で教えるということです。既習の語彙と文型を使って教えます。
今教えているのは初級クラスです。なので、写真、イラストなどを駆使して簡単な言葉を使わなければなりません。説明しすぎて学生を混乱させてもいけません。授業の準備、教案づくりはそこが悩みどころです。
そんな反動もあって、自由自在な日本語と豊富な語彙を目のあたりにすると、心底嬉しくなってしまうのです。
この『チャリング・クロス街84番地』に出てくる本は、イギリス文学が好きな方ならもっと楽しめると思います。でもそれほどでなくても、本を通じて、遠く離れた見知らぬ者同士がだんだん親しみを覚えていくのを見守っていくのがおもしろいです。